CLOSE
FEATURE
関西デザイナーが語り合う、ローカルで服をつくるということ。
From Osaka to all over Japan

関西デザイナーが語り合う、
ローカルで服をつくるということ。

現在のファッションシーンで確かな存在感を放つ〈アタ〉、〈ワンダーランド〉、〈ラジャブルック〉。ルーツもスタイルも異なる3ブランドの共通点は、西の都・“大阪”が拠点ということ。今回は各ブランドのデザイナーをお招きし、大阪ならではの魅力や服づくりに対する矜持を語ってもらいました。彼らの言葉から手繰るローカルブランドの大いなる可能性とは。

  • Photo_Masao Inoue(TRYOUT)
  • Text_Shinsuke Sakakima(TRYOUT)
  • Edit_Shun Koda

大阪で服をつくるメリット。

ー ブランドを展開するにあたって、関西を拠点にするメリットはありますか?

牛田:待ってました。その質問(笑)。僕は東京で生まれ、東南アジアを経由して東京で育ったんですけど、拠点を移した理由のひとつが大阪だからこそできることがあると感じたからなんです。

川崎:珍しい経歴ですよね。逆はあっても東京の人が関西に移住するってなかなかない。

齋藤:そこが牛田さんらしさでもあるよね。

ー 「大阪だからこそできる」というのは具体的にどんなことなんですか?

牛田:個人的な意見なんですけど、東京は絶えず流行が渦巻いてる感じで、一方、大阪は職人気質の人が多く、派手という意味合いではなくひとクセあるブランドが集まってるのかなと思ってます。どちらが良い悪いの話ではなくて、自分のスタイルに合っていたのは、流行や情報に流されず、地に足を付けやすい大阪的な環境だったんですよね。

齋藤:その感覚はすごくわかります。〈アタ〉をやる前に少しだけ東京にいたんですが、あっちは情報量が多すぎて、余計な情報まで入ってくる。それにみんな慌ただしくしているから、アウトプットする時間が少なくなるんですよ。作り手としてはよくない環境だなと。

森:確かに! 平気で深夜1時頃にメール来たりするもん、東京の人って(笑)。めっちゃ仕事してる。

齋藤:そうですね。それと分業制という感じもあり、ブランド全体に関わる人数も多く、関係もさっぱりしてましたね。

牛田:決して東京をディスってるわけじゃないですよね?(笑)

齋藤:断じて違います(笑)。僕のスタイルには合ってなかったなってこと。

森:逆に関西人はめっちゃオープンな性格なんですよね。自分たちの状況を隠すことなく伝え合って「みんなで盛り上げていこうぜ!」って。ヨコの繋がりをすごく大切にしている。

牛田:確かに関西の人たちは温かいですね。「東京の人は冷たい」ってよく言うじゃないですか。東京にいたときは全然わからなかったけど、向こうに帰るとすごく冷たく感じますね。

森:大丈夫?  角立たへんか?(笑)

牛田:でも、冷たいわけじゃなくて、コミュニケーションの取り方がクールなんですよ! さっぱりしてると思うようになった反面、東京は地元でもあるので良いところはたくさん知っています。

森:ちゃんとフォローしたね(笑)。 あと関西人は「他人と違うものがいい」っていう気持ちが根底にありますよね、つくり手もお客さんも両方。

ー 「服被るのがイヤ」みたいなことですよね。

森:そうです。それでいて人との繫がりを大切にするから、お互いの個性を認め合うのかなと。

川崎:そうかもしれないですね。それに大阪って東京に一番影響を受けてない街だと思うんです。色々な地域のショップに服を置いてもらっていますが、みなさん東京の影響をやっぱり受けてると思うんです。でも大阪はちょっと違う。独特なので、そんな環境で外から東京を分析した方が、おもしろい着眼点の洋服がつくれる気がしますね。

森:そんな傾向あるんや。あと大阪は街ごとにローカライズされてるんですよ。極端に言えば梅田とアメ村では、街行く人のファッションが違う気がします。ファッションに限らず、いろいろな文化が共存しているのが大阪らしさなのかなと。

齋藤:確かにそれぞれの街が個性的ですよね。関西以外から来た人にとってはカオスかもしれないですが(笑)。

牛田:同じような感覚だと思うんですが、大阪っていわゆる中心地にも個人のセレクトショップがありますよね。東京の場合だとそうはいかない。賃料の違いもありますが、個性的なショップが成立する土壌が大阪にあるんだと思うんですよね。

ー 確かに個性を発揮しやすい環境かもしれないですよね。逆に、東京のメリットはどんなところでしょうか。

川崎:ブランドをやる以上、当然バイヤーさんに見てもらって、自分が置いてもらいたいお店に置いてもらわなければならない。でも、僕たちが東京で展示会を開催するにしても、バイヤーさんとタイミングが合わなければ見てもらえない。そういった関係者の目に触れる機会は東京の方が断然有利だと思います。

森:あとは注目度ですね。やっぱり“東京発のブランド”って、国内外問わず注目されやすい。だからシーンへの浸透度でいうと、東京ブランドの方がスピードや確実性があるのかな。

齋藤:ただ、SNSやネットがこれだけ普及しているので、東京にこだわる必要はないんじゃないかと感じています。ブランドから消費者に直接伝えることができますし、その手段は多様化しています。東京、大阪に関わらず、注目を集めるチャンスは格段に増えてきたんじゃないかな。

INFORMATION

rajabrooke

Instagram @rajabrooke_asia