ガーリー界のストロングゼロ。

『結婚の奴』(平凡社)¥1,500+TAX
ー ゲイライターであるサムソン高橋さんとの結婚にいたるまでを綴った『結婚の奴』は、まさに松戸で買った〈ジェラート ピケ〉の(やや衝撃的な)エピソードからスタートします。当初は本のタイトルに「ジェラートピケ・ストロングゼロ」という案も出ていたとか。

能町:〈ジェラート ピケ〉と〈ストロングゼロ〉って、イメージが対極じゃないですか。結婚をテーマにしている本なので「ふわふわした新婚ハッピーエッセイ感」を出すために、ジェラピケを持ってくるのはちょうどよくて。でも、登場のさせ方がひどいので、よく撮影に誘って頂けたなと。内容が内容なので、怒られるんじゃないかなって(笑)。
ー だからこそ、という想いもありつつ(笑)。そして、ホワイトデーも迫ってきているわけですが、能町さんがサムソン高橋さんに〈ジェラート ピケ〉をプレゼントしたのはどういう経緯で?
能町:実は〈ジェラート ピケ〉の前に、別のブランドのパジャマをプレゼントしているんですよ。しかもトラ柄のつなぎをオソロイで。半分ネタでした。でも、その1年後にジェラピケを買っているので、抵抗なんて全然なくて。

能町:プレゼントした当時は同棲っていうほどじゃないけど、週イチくらいでは向こうの家に通っていたので、なにをあげても変な誤解を生むような関係性でもなくなっていたと思うんです。
実際、かわいいモノは好きそうだし、いつも適当なTシャツとかで寝てるのは知っていたので、たぶん、こういうの喜ぶんじゃないかなって。




スムーズィー2BDパーカ(BEG)¥6,600+TAX、パイルドレス(OWHT)¥6,800+TAX、
スムーズィー2BDショートソックス(BEG)¥1,800+TAX
ー なにか、バレンタインデーやホワイトデーの思い出はありますか?
能町:最近の話になるんですけど、今年はじめて「伊勢丹」のバレンタインデー・フェアに行ったんです。いろんなブランドのチョコがあるのが、ただただ楽しくて。自分でも食べたいし、買いすぎても結果的に誰かにあげようってなってくる。最近、義理チョコ廃止みたいな感じもありますけど、私は単純にチョコのお祭りとして捉え始めています。
ー それは『結婚の奴』でも書かれていた“常識的なものに過剰に囚われすぎていた故に物事を楽しめなかったのかもしれない”という、能町さんの発見にも繋がりますね。いっそのこと、バレンタインデーを素直に楽しもうと。
能町:そうですね。昔は「バレンタインだからなにかやんなきゃ」とか「ホワイトデーだから」とかって過剰に意識していました。それが義務感みたいで嫌だなと。義理チョコも会社に勤めていたら、たしかに面倒くさいとは思うんですけど。そういうところを外れて、自分が楽しみはじめたら面白くなってきましたね。