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和田彩花、はじめてのZINEづくり。Vol.02
I make latte. Vol.02

和田彩花、はじめてのZINEづくり。Vol.02

誰もが自分の思想や趣味嗜好を、思い思いのカタチで表現し、発信できる現代。その中にあってアナログ回帰と自由度の高さから注目されている表現手段が“ZINE”。要は、個人の趣味でつくる本のこと。その歴史は古く、一説には18世紀に遡るとか。そんな歴史あるカルチャーの扉を新たに叩いたのが、アイドル・和田彩花さん。本連載は、アイドル×ファッションをテーマに“いまのアイドル”を切り取る、新感覚アイドルカルチャー誌『オーバーチュア』と『フイナム』の連動企画。彼女が興味のあるもの・知りたいものを ZINE という形でアウトプットし、和田彩花の“いま”を伝える。

  • Photo_Yuki Aizawa
  • Text_Tommy
  • Edit_Yosuke Ishii

見る側と見られる側の関係性と、そこでの発見が今回のテーマです。

まずは完成したページをご覧あれ。第二回目のテーマは“自意識”。左ページから右ページに向かって手書きのテキストが流れ、自身の写真から眉毛と目を切り抜いてイラストと合体。右ページには晴れやかな笑顔をカメラに向ける和田さんのポートレイト写真。せっかくの写真を活かすべく色味はなるべくイジらず、今回も風合いの良いリソグラフでの印刷が行われた。

ー さて今回は2回目。前回のラストに、初のソロツアー「和田彩花ライブツアー前2021ーこの気持ちの先にあるものはなに?ー」を終えて感じたことや感情を、セルフレポート的にZINEでアウトプットしてみるのが面白いんじゃないか? という話をしておりました。

和田:だったんですが…新型コロナウィルスの影響からツアーが延期になったのであんまり材料が集まらず…。なので今回は、このツアーをはじめるにあたって、改めて思ったこと感じたことをテーマとして落とし込んでみました。

ー 文頭からいきなり、「少しばかり可愛らしい顔に生まれた私は」というワードが飛び出して、なかなかインパクトがありますよね。

和田:小さい頃から言われてきた言葉なので、周りからそう見られることが多いんだなということが自分でも分かるじゃないですか? その話を、ファンの人たちが限定的に集まる場所で、ちょっとだけ話してみたんです。すると、みんなが「そんなことを思っていたんだ!」みたいな結構いい反応してくれて。そうやって楽しんでくれたのを見て、結構勇気が出ました。「これを書いても大丈夫なんだ!」って思いましたし。

ー 否定的な意見が出ることもなく?

和田:むしろ面白がってくれていたので嬉しかったですね! みんなも「www」みたいな(笑)

ー ストレートな反応(苦笑)。前回とはまた違うアプローチで、かなり内面に切り込みましたね。ビジュアルを中心に構成されたオーバーチュア サイドに対し、フイナム サイドはテキストがメインに。左側には和田さんと思わしき人物のイラストが描かれています。目と眉毛は写真を切り抜いたものでしょうか。

和田:はい。自分というものを切り取ろうと思って。あまり上手に出来なくて結局使えたのが目と眉毛だけになっちゃいましたが(苦笑)

ー でもそれが逆に印象的ですよ。写真選びにもこだわりがありそう。

和田:いえ、特に何も。そもそも自分が写っている写真というのがあまりなくて、使えるのがこれだけだったっていうのが正直な話(笑)

ー 右ページの写真も、すごくいい表情をしていますが、どういったシチュエーションで撮られたのか気になります。

和田:これはMV撮影の時の写真ですね。この写真を撮ってくれたのは、私のマネージャーさんなんですけど、本当に珍しいくらい晴れやかな表情! なので、これは切り抜いちゃいけないって(笑)

ー 前回も見られているという自意識について触れていましたが、今回も人の見た目に対しての考えについて書かれています。

和田:私自身が、あんまり見た目で判断したくないからこそ、人の見た目に対して何も言わずにきたんですけど「自分がこう思う」とか「自分はこう見られたい」とかあんまり言いたくなかったし、でもそれを一度口にしてみないと分からないことも多分あるだろうし、見た目なんてそれぞれ違うので、それぞれの悩みもあって、もちろん私にもあるし。

ー 和田さんでも顔の悩みがあるんですか!?

和田:ありますよ! まず、クマがひどいのは悩みですね。メイクでカバーすることも可能ですが、カバーすればするほどくすんできちゃう。あと目の下の皮膚も薄いので、ファンデが浮いてきちゃうんですよね。あとは花粉やホルモンバランスの影響なのか、ここ2~3年は肌の調子の揺らぎが大きくって。多分、思春期に何もなかったことの反動が、今になってきているんでしょうね。

ー 遅れてきた思春期。

和田:さらに反抗期も、最近になって遅れてやってきていましたからね。

ー さらに25歳で反抗期ですか!?

和田:主に母に対してですけど、とにかく話しかけられても返事をしないとか、LINEも既読スルーとか。でも最近はそれも無くなりましたよ。!

ー 何がそんなにイヤだったんですかね。

和田:やっぱり家族といえども、全部は分かってもらえないんだなって。自分が大人になるに従い、子供の頃から持ち続けていた“大人は全て正しい”という価値観が、実はそうではなかったと気付いたんですよね。それもあって反抗しちゃったっていう。

ー 要は自立したんですね。

和田:そうですね、なのでは今は1人の大人として対等な関係を築けていると思います。

ー ちなみに「和田さんの顔になりたい!」っていう人は沢山いると思いますが、逆に憧れの顔ってあるんですか?

和田:憧れとはまた違うのかもしれませんが、私が可愛いなって感じるのは顔が薄めの女性。例えば、吉高由里子さんさんとか。自分が濃いからなおさら(笑)

こちらが今回の生原稿。テキストはすべて手書きで書き込まれている。タイプした文字では表現しきれない温度感や人となりが、書き文字から伝わってくる。左ページは自分の目を切り貼りしてイラストを添えたコラージュを、右ページには自らのポートレートを貼り付けた。

ー そういえば、今回はテキストが手書きなんですね。自身の内面に切り込んでいることも相まって、すごく和田さんらしさを感じるというか。ちなみに自分の文字に自信はある方?

和田:自分の文字に対してすごくコンプレックスはあります。とにかく読みにくいって言われるんですよ。あんまりキレイに書くことに重点を置いていないし、性格的にせっかちなんで、とにかく速く書こう、速く書こうって意識しちゃって。

ー でも難しいんですよね、まっすぐに同じ大きさで文字を書くのって。

和田:めちゃ難しいです! 文字のバランスを取るのって難しいじゃないですか意外と。なので自分流にアレンジしたり。じゃないとうまく書けないんです(汗)

ー 文字を手書きすることってあります?

和田:手書きですか? うーん、あっ、大学の授業のノートがそっか(笑)。授業のノートはひたすらボールペンで書いていましたね。

ー あと周囲にモミジを切り抜いて散らしてありますが、春に紅葉とは何か深い意味合いが……。

和田:特に意味はないですね。いつも使い捨てカメラを持ち歩いていて、それで撮って撮って、ある程度使い終わったカメラが溜まってから現像するので、結構前の写真もあったりして。それでですね。去年の秋に撮った写真だと思います。

ーどういう光景や被写体が、和田さんの琴線に触れるんですか?

和田:あんまないかも……しれないですね。構図とかあんまり分からないんで、単純に面白いって感じたり、綺麗って思ったら撮るって感じで。最近ZINE作りがすごく楽しくって、事あるごとに「これをZINEにしよう!」って思うようになりましたし。

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