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和田彩花、はじめてのZINEづくり。Vol.02
I make latte. Vol.02

和田彩花、はじめてのZINEづくり。Vol.02

誰もが自分の思想や趣味嗜好を、思い思いのカタチで表現し、発信できる現代。その中にあってアナログ回帰と自由度の高さから注目されている表現手段が“ZINE”。要は、個人の趣味でつくる本のこと。その歴史は古く、一説には18世紀に遡るとか。そんな歴史あるカルチャーの扉を新たに叩いたのが、アイドル・和田彩花さん。本連載は、アイドル×ファッションをテーマに“いまのアイドル”を切り取る、新感覚アイドルカルチャー誌『オーバーチュア』と『フイナム』の連動企画。彼女が興味のあるもの・知りたいものを ZINE という形でアウトプットし、和田彩花の“いま”を伝える。

  • Photo_Yuki Aizawa
  • Text_Tommy
  • Edit_Yosuke Ishii

見る側と見られる側の関係性と、そこでの発見が今回のテーマです。

ー 今まで言葉にしていなかったものにも、こうして形にすることで改めて気付きがあったりして。

和田:それはあります。文章を書くのも好きなので、そういう部分では文字で表現したりもするんですが、それでは微妙に伝わりづらいニュアンスってあるじゃないですか。それを写真やコラージュ、イラストなどの手法を使うことで、自分の頭の中にあったものをより明確に視覚的表現が出来る。なので文章とビジュアル、その2つがもう少しうまく合わさっていくと、もっと面白いことが出来るんじゃないかなって。いまはどちらかというと写真が装飾的な感じになってしまっているので。その部分はまだこれから試行錯誤中です。

ー なるほど。今後こういったことに挑戦してみたいっていうのは出てきましたか?

和田:文字と写真のバランスはもうちょっと考えたいなって。単純に装飾としてではなく表現として別の形をできたらって。そこがちょっと今後の課題かなと。

ー ちなみに今回の制作に要した期間は?

和田:切って貼って書いてっていう実作業はすぐ終わりましたが、それ以前に頭の中で構成を考えたりするので3日間くらいですかね。ラフも引かず、写真にハサミを入れていくうちにこういう形にすることが出来るんだって気付いたりしながら進めました。テキストに関してもそう。最初にこれ位の文字量だったら収まるかなって予想を立ててはいましたが、とりあえず書きながら調整していったという感じです。

ー なるほど。オーバーチュア サイドの解説もお願いします。こちらのテキストでは、ツアーでのステージ演出で感じたことが書かれています。

和田:今回はステージ最前に紗幕を張って、そこのプロジェクターで映像を投影するという演出をしていて。客席側からは映像と私の姿が一緒になって見えるようになっているんですけど、私が立つステージ上からは何も見えない状態。

ー イメージ的にはマジックミラーみたいな。

和田:今までは客席側の反応が見えて、それに対して自分がやりとりをしていくっていうのがあったけど、それが1枚の布が間に入るだけで成り立たなくなるんですよね。見られている感覚でやっているけど見ている側の反応は全く分からない。それどころか紗幕がライブの途中で下りてみて、初めてお客さんの存在が分かる。その体験が不思議な感覚で面白かったので、テーマとして表現しました。

ー ファンは和田さんからのレス(ポンス)が欲しいと思うんですが、それをあえてしない演出っていうのは、和田さんが作ろうとしているアイドル像と関係しているんですか?

和田:めっちゃ関係していると思いますね。あとひとつには“常に平等でありたい”というのもあります。ステージ最前列でも最後列でも変わらないというか、そこはみんな一緒だと思うんで。それはステージ上と客席もそう。常にフラットな関係性を保っていたいと意識しているので。って言いながらも、たまに客席にレスを送っちゃったりもするので、そこはちょっと優しい部分です(笑)

ー ツンデレですね。文中に「無地が好き」というフレーズがありますが、それは服装のこと?

和田:服だけじゃなくて、すべてにおいてだけど、それが好きってことに気付いたっていうことが素敵だなって。最近は着飾ると落ち着かなくなっちゃって、そうじゃない服を着ている方が自分のままでいられるなって思うんです。もちろん見たら可愛いと思うし、着てみたいって思いますけど、それを日常で自分が着るかといったら別の話で。

ー 今回は和田さんの内面について、少し知ることができました。次回は3ヶ月後ですが、実はオーバーチュア サイドの連載が一旦中終了になったので、この連載のペースも一考の余地あり。和田さんご自身としては、実際どうですか?

和田:2か月に1回なら2ページずつがいいかもしれませんね、ペース的には。

ー じゃぁその方向でいきましょうか。そうなると次回は5月。

和田:時期的には新生活のスタートだったり、何かを始めるタイミングという印象がありますよね。私自身、学校も卒業し、久しぶりに仕事に専念する日々が始まったばかりですし。

ー ご卒業おめでとうございます! 大学院ってどんな感じだったんですか?

和田:もう授業のほうは週2コマしかなかったですし、それ以外の時間は自分の研究に費やすという感じで、すごく楽しい時間でした! これからも研究はライフワークとして続けていきますし、美学や哲学にも手を出していきたいなと思っています。自由に使える時間も出来たので、新たなことに挑戦していきたいなって。

ー 和田さん自身も新たなスタートのタイミングってことですね。そうなると次なるテーマは……。

和田:今の状況がどこまで続くかにもよるけど、新型コロナウィルスもありかなと。

ー 社会派ですね。

和田:今回の騒動で、生きるためには健康や生命はもちろん、お金が必要だということに改めて気付かされました。いまは自粛をすることが正しいと言う風潮になっていますが、果たしてそれが本当に正しいのか、誰も分からないですし。左も右もなくなったと思ったら、いきなり別のところからこれが正しいと言うものが出てきたり、すごく興味深いなって思っています。

ー 念なリサーチが必要そうですが、期待しております。では、次回もよろしくお願いします!

PROFILE

和田彩花 わだあやか

1994年8月1日生まれ。群馬県出身。アイドル。 2009年4月アイドルグループ「スマイレージ」(後に「アンジュルム」に改名)の初期メンバーに選出。リーダーに就任。2010年5月「夢見る15歳」でメジャーデビューを果たし、同年「第52回日本レコード大賞」最優秀新人賞を受賞。 2019年6月18日をもって、アンジュルム、およびHello! Projectを卒業。アイドル活動と平行して大学へ進学し、現在は大学院で美術を学ぶ。 特技は美術について話すこと。 特に好きな画家は、エドゥアール・マネ。好きな作品は《菫の花束をつけたベルト・モリゾ》。特に好きな(得意な)美術の分野は、西洋近代絵画、現代美術、仏像。 趣味は美術に触れること。

Twitter:@ayakawada
Instagram:@ayaka.wada.official
YouTube:和田彩花

INFORMATION

和田彩花ライブツアー前2021―この気持ちの先にあるものはなに?―

2020年5月14日(木) Zepp Divercity 開場 18:00 開演19:00

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