Case 02
PROFILE
代官山にて自身のヘアサロン「PELLS HAIR」と併設した「PELLS COFFEE & BAR」を構え、多種多様な人々が集まり連日賑わう。2018年にはその2号店となる「PELLS COFFEE STAND」もオープンした。
@yudai_pells

自分が若い人をこの街に集めるのが自分の役割
ー 橋本さんが服を選ぶ際のこだわりは何ですか?
普段からあまり物を持ち過ぎないようにしていて、服も同じで仲間から買ったり、自分のライフスタイルに合ったアイテムを選ぶようにしています。その中でも柄シャツが好きで、夏はよく着るんですけど、このシャツは特に可愛くて気に入りました。趣味でサーフィンをやるので、そういう雰囲気を感じる物は自然と手に取ってしまいますね。カリフォルニアっぽい物も好きなんですけど、オーストラリアの文化もすごい好き。〈デウス〉が生まれた国でもありますし、オーストラリアは食に対する考え方も進んでいて、カフェを始める前、実際にメルボルンへ行ってコーヒー屋を回ったりもしました。

ー ヘアスタイルとライフスタイルの関係において大事にしていることは何かありますか?
一番はその人のライフスタイルをより良くしたいというのがあります。その人のチョイスに、自分の感性を少し付け足してあげる。例えば好きな人に告白されたりとか、そういうサポートができればと思っています。押し付けるより、その人の個性を引き出す方が自分には合っているのかなって。とはいえ流行っている髪型を真っ向から否定するわけではなく、そこもしっかりアンテナを張っています。

ー 橋本さんは美容師でありお店のオーナーという側面もありますが、PELLSはどのようなコンセプトで作られたのでしょうか?
PELLSの意味は、PEACE(平和)、ENCOUNTER(偶然の出会い)、LIBERTY(自由)の頭文字から取っています。色々な物が集まった商店街のようなお店、それこそ原宿にあった〈デウス〉の旗艦店は、自分がやりたいショップの理想型ですね。バイクのガレージがあったり、サーフボードやアパレルが売られている中にカフェやバーもあって、かっこいいスタッフもいるっていう。多様なカルチャーがフロア毎に分かれているけど全然ビルっぽくないんです。入り口もたくさんあって、なかなかあの造りはできないですよね。オープン直後に行ったのですが、すげぇー!! と思って。完全にやられました(笑)。

ー 商店街のような場所作りを目指されたのは何故ですか?
さっきもお話した偶然の出会いみたいなものがすごい好きで。この場所に来たのも、たまたまバーになっていたこの2Fで遊び出したのがきっかけなんです。代官山は飲食店の人たち同士がすごく仲良かったり面白い人も多くて。この街で何かできないかなと考えていた時に、今のPELLSの場所が空いて。25歳の時に独立すると決めて、一ヶ月後にはオープンしました。
ー オープン当時と今とではお店の存在意義や考え方が変化した部分もあるのではと思います。
そうですね。当時はこの街にいる人たちに育てられている感覚がありましたけど、7年間やってきて、今度は僕らが若い世代に場所を提供して、人と人を繋げていきたいというのが自分の役目になるのかなと思っています。それこそ学生が2Fのイベントスペースでパーティをやったり、アートの展示や服のポップアップショップなんかもやっていて。それをほぼ無料で貸して、自分たちでお金を作ってもらって、お互いWin-Winになる形で分け合おうと。この街は歳上の人が多いので、自分が若い人をこの街に集めることが今ちょっとした恩返しになっているのかなと思います。