Case04
PROFILE
アメリカ生まれ、東京中目黒代表。HIP-HOP DJ。卓越したスキルによるDJ活動、楽曲制作は、長年日本の最深部に多大な影響を与え続けている。オリジナリティ溢れるDJプレイは、他の追随を許さない。知ってる人はかなり知ってる、知らないとちょっと心配な”トーキョーモストアンダーグラウンド”。
@djqs

ここにいるんだぜって、まずは言うしかない。
ー 〈デウス〉のことはご存知でしたか?
ブランドのことはもちろん知っていたんですけど、3年ぐらい前にたまたま友達から〈デウス〉の人を紹介してもらって、そこから原宿のお店にも遊びに行くようになりました。バーへお酒を飲みに行ったり、友達がDJしている時に会いに行ったり。当日は原宿にこんな隠れ家があったなんてと驚きました。音響もすごい良かったですね。
ー ブランド自体にはどんなイメージを持っていましたか?
男らしくて活動的で、色々なことができそうな男というイメージがあります。バリの〈デウス〉のショップにも行ったことあるんですけど、大きなお店にサーフボードがたくさん並んでいて、タトゥーを彫っている人がいたり、アートの展示会をやっていたり。みんなそこでコーヒーを飲んでからサーフィンへ行っていて、すごいカルチャースポットになっているなと感じました。
ー QUIETSTORMさんが普段服を選ぶ際に気にしていることは何ですか?
あまり着飾らないようシンプルにしています、もういい歳ですからね(笑)。気に入ったものは長く使うタイプなので、スタンダードなものが好きです。そういう意味では、今日の服も長く使えそうです。パンツもジャケットも生地が良くて着心地がすごくいいです。

ー 現在の活動についても聞かせてください。フロア中央にソファを置いてDJを楽しむパーティ「LIVING ROOM」をはじめたきっかけというのは?
最初にこのイベント始めたのは、代官山の「Unice」というカフェだったんですが、通常のイベントの時はいつもその家具をどかして、奥にDJブースを置くという形式でした。30年以上DJやっているけど、ほぼ100%がこの形式。DJはブースを挟んでお客さんと向き合って、お客さんも隣にいるお姉ちゃんにも目もくれず前を向いて並んでいる。そんなDJを見てどうにかしたいと思いました。シカゴの場合、すごいデカい体育館でパーティをやっていたりするんですけど、思い返せばDJブースが何処にあったかも分からないまま帰ることもあったし、誰がDJしてるかも気にしないで身内で向き合って踊っていたりしたので。
ー 楽しそうですね(笑)。
そこで、日本でも1個でいいから、シカゴみたいなパーティがそろそろあってもいいんじゃないかと思って。さっき話した「Unice」で家具を動かさないで、自分の家のリビングでDJをやってるみたいにして「LIVING ROOM」を始めました。

ー 今はコロナの影響でイベントの自粛が続いてますね…。
そうですね。予定していたブッキングは全て無くなりました。でも、それで可哀想って言っていてもしょうがないから、ストリーミングや楽曲制作など、今できる事を考えてやっています。コロナの前より動いてるかも(笑)。
ー 長年中目黒を拠点にして活動している理由というのは?
92年に日本へ来て、偶然中目黒に住んでいたんですけど、当時のアメリカ人はみんなNYのキャップやドジャースのシャツだったり、自分の街の服を着ていたけど、日本人は渋谷って書かれたキャップもヤクルト(スワローズ)のシャツを着ている人もいなかった。アメリカのコンプトンは誰もが避けるような治安の悪い街だけど、ラッパーたちが歌詞に入れたりして世界中のみんながその名前を知るようになった。良い悪いは置いといて自分は中目黒にいるんだから、ここにいるんだぜ!ってまずは言うしかないと思ってずっと活動してる。

ー なるほど。そのように中目黒でずっと一貫したスタイルを崩さないでこれまで活動を続けてこれたのはどうしてですか?
僕はレーベルも自分で作って、アンダーグラウンドで30年間やってきたけど、恥ずかしいことは一切やってない。自分にしかできないことを見つけることは難しいけど、それを見つけれたら、自分のスタンスを信じてやり続ければ、すごい貴重な存在になれると思う。Be Original.(オリジナリティを持って)。それしかないかな。