
ー 吉田さんはいつ頃から参加してたんですか?
金子:けっこう最初の方からですね。
中室:僕が一番最後に参加したので、僕が入る前には参加してました。
重松:けど、実はちゃんと打ち合わせはしてなかったので、まず最初に金子さんに会ってもらって、そのあとみんなで打ち合わせをしましょうっていうときに、ようやくこの4人が揃ったんです。
中室:そーなんですね。僕はてっきりもっと新参者的な感じなのかと思ってました。
金子:まぁ、新入りは新入りだけどね(笑)。
中室:そこの序列はゆるぎないんですね、やっぱり(笑)。それにしてもこの4人って初めて組んだのに、めちゃめちゃまとまりがあるなって思います。さすが重松さん。
重松:いやいや。ちゃんと役割分担をしたって感じです。
中室:確かに。なにせ金子さんは“チェアマン”ですからね(笑)。

ー Jリーグ以外ではなかなか聞かない言葉です(笑)。で、いつから「IAC」っていう言葉が出てきたんですか?
中室:確か重松さんが、これって学生にだけ向けたプロジェクトなんですか?って言ったんですよね。そこから「IAC」の構想が始まったんだと思います。
ー このプロジェクトにおける重松さんってどういう役回りなんですか?
金子:プロデューサーです(笑)。
中室:そうですね(笑)。けどいろいろなことを整理して前に進めてくれる人ですね。重松さんとは他の案件でもご一緒してるんですけど、ある目的があって、そのための具体的な解決策を導き出すみたいなことを的確にやってくれるんですよね。
ー この「IAC」という名前を決めるのも大変だったんじゃないですか?
金子:はい、相当やりとりしましたね。。
中室:あーでもない、こーでもないっていろいろ話し合ったんですけど、僕の家に、学生向けのアメリカントラッドについて書いてある本があって。その本によると、50年代に購買部みたいなのもの、それこそ「UCLA」の「THE COOP」とかそういうのを、学生向けにきちんと作ろうっていう試みがあって、それが「International Association of Clothing Designers」っていう組織だったんです。で、プレッピーとかアイビーとかのアイテムをそのひとたちが作っていったみたいなストーリーなんですけど、これいいなって思って、すぐにみんなに写真を共有したら「あ、そういうことかもね」って。

重松:そうなんです。そもそも今回はまず学生向けにモノを作ろうって始めたけど、もう少し大きい風呂敷を広げてそのなかでやるっていうことの方が合ってるのかもねって。それで、いろいろなものづくりをしていくだろうということで、「International Association of Creators」という名前になりました。
中室:そこに至るまでも相当いろいろやりとりしましたけどね。。
金子:だね。。けど、いろいろやったおかげでこのプロジェクトの目的みたいなものが、どんどん見えてきたので、それはよかったかなと。

ー ところで、このロゴってなんとも言えない不思議なフォントですよね。これはオリジナルなんですか?
吉田:いえ、元々あるものです。すごく特徴的な書体を作る会社があって、そこのフォントです。ベーシックなんですけどちょっと癖があるっていう。
重松:フォントはオリジナルを作るんじゃなくてあるものをそのまま使いたいって言ってたよね。
吉田:そうですね。場合によってですが、フォントってめちゃくちゃ考えられて作られていて、種類もすごくたくさんあるので、既存のものをちょこっと変えるぐらいなら、すでにあるもののなかから選んでやっていくという方法をとることが多いです。

中室:これも「A」の形とかが特徴的ですよね。あと織りネームになったときにすごく素敵でした。
ー どんなイメージでこのロゴは作ったんですか?
吉田:そもそも「IAC」はクリエイターの集団ということで、品がある感じをベースに考えて、あと僕のなかでは海外の美術館とかギャラリーのロゴとか、そういうのをイメージしています。
中室:色ってなにか意味があるんでしたっけ?
吉田:この色味って海外でよく見るカラーリングなんですよね。単純な色合いなので覚えてもらいやすいし、黒よりはシンボルカラーにもなるし、いいかなって。
重松:「IAC」=「インターナショナル~」だしね。
吉田:はい。だから簡単に言うと海外っぽい感じなんです。最近は月刊誌のアートディレクションをやっていたこともあって、欧文フォントを色々調べてたので、そういうのも役に立ちました。