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奥深きレギュラーTシャツの世界。
Dig It Regular T-Shirt

奥深きレギュラーTシャツの世界。

“年代”や“希少性”はもちろん古着の醍醐味のひとつだけれど、それだけに捉われるのはちょっとナンセンス。レギュラー古着にだっていっぱい楽しみが詰まっています。そこで今回、レギュラーTシャツにフォーカスをした古着イベント「ドレギュラーTシャツ展」を行う「ドゥージョー(dojoe)」の中野さん、「ウェーバー(weber)」の畠中さん、「アノラック(AnoLuck)」のizmtさんの3名をお招きし、イベントに出品するTシャツを手に取りながらレギュラーTシャツの魅力や楽しみ方をご教授いただきました。少し視点をずらすだけで見え方が変わる、そんなレギュラーTシャツの奥深き世界をとくとご覧あれ!

いまこそ90年代のグッドイナフのテイストを提案したい!

Selected by weber

Item01_ CHIAT/DAY T-Shirt  

畠中:次はぼくの番ですね。まずはこの“GOOD ENOUGH IS NOT ENOUGH”って書かれたTシャツを紹介します。

izmt:これはびっくりしたね、〈グッドイナフ〉かと思ったもん。

畠中:ぼくもはじめは〈グッドイナフ〉でこんなのあったんだ!って手に取ったんだけど、調べたら全然関係なくて。背中にプリントされた“CHIAT/DAY”は、どうやら広告代理店の会社名みたいで。

izmt:ボディは“丸ヘインズ”のビーフィーだから80年代のものか。ということは〈グッドイナフ〉よりも前だよね。

畠中:〈グッドイナフ〉の設立が1991年。でもどうやら、関係者の話によると1989年からあるらしいけどね。

中野:いずれにせよ〈グッドイナフ〉ができる前に、このメッセージTがあるっていうのがすごいよね。実際〈グッドイナフ〉でもありそうな秀逸なデザインとメッセージだし。

畠中:当時これと似たようなものが〈グッドイナフ〉であったんだよ。フォントの雰囲気もそっくりでさ。

izmt:フォントは“インパクト”っぽいけど少し違うね。〈グッドイナフ〉もインパクトみたいな、でもそうではないフォントを使ってたよね。偶然にしてもすごいね。

Item02_Good Enough Parody T-Shirt

畠中:続いても緑〈グッドイナフ〉つながりで。これはアメリカのメジャーブランドのものです。

izmt:これもすごいね。

畠中:おそらく元ネタは〈グッドイナフ〉の“END RACISM”からサンプリングしていると思うんだけど、それをメジャーなブランドがやるのがおもしろくて。〈グッドイナフ〉は年号のプリントが1991だったから、最初はこっちが元ネタかと思ったよ(笑)。

中野:確かに知らないとわからないよね。

畠中:当時の〈グッドイナフ〉のデザインっていま見ても格好良いし優れているよね。各ブランドがいろんなところからサンプリングソースを探しているけど、いま〈グッドイナフ〉のテイストってアリなんじゃないかと思って提案してみました。

izmt:ぼくも2003年頃よく参考にしてましたよ。“グラムg”の“g”を“&”に置き換えたりしてね。確かにいまアリだよね。

Item03_Graffiti T-Shirt

izmt:正直この辺はぼくはまだ良さがわからないかな。任せます(笑)。

畠中:コピーライトを見ると93年。あの頃でいうと〈カール・カナイ〉的な“いなたさ”というか、ヤンンキー感。このグラフィティも一見なしなんだけど、一周回ってアリなんじゃないかという提案をしたくて。

中野:これエアブラシじゃないよね?

畠中:シルクプリントだね。

izmt:版が規格外に大きいよね。

畠中:そうなのよ。これはぜひ実物を見てほしいんだけどアートピースのような存在感すら漂っているのよ。

一同:(笑)。

畠中:ボディも良いんだよね。メーカーものではないんだけど、古着好きが好きそうな肉厚なボディなのよ。それとこういうのって裾とか袖にタグが付きがちだけど、これにはそれがなくて。良く言えばウォーホルの手刷りのシャツみたいな感じなの。

izmt:それは良く言い過ぎでしょ(笑)。 まったくその要素を感じないけど。

中野:一歩間違えればベティちゃん感があるよね。板尾の嫁行き、みたいな(笑)。

畠中:正直今回出すか迷ったんだけど、ブスカワ枠として推していきたいなと。

Item04_Skateboarding T-Shirt

畠中:これはサーフっぽいゆるいメッセージもののポケットTシャツ。胸元には“Relax”、背中には“Do what you want. Because skateboarding”って入ってます。

izmt:急におしゃれになったね(笑)。

中野:“やりたいことしようぜ、スケートボードなんだから”っ感じかな。

izmt:だからと言ってコンビニの前でやるのはよくないよね。あれは迷惑だから気をつけましょう。

Item05_FRIENDS FOREVER T-Shirt

畠中:最後はこれ。

中野:“FRIENDS FOEVER”、これ好きだなあ。ロゴ見ただけでもう恥ずかしくて恥ずかしくて…キンコーズでプリントアウト出来ないよ(笑)。

izmt:“一生友達”って、版にした時点でアウトだよね(笑)。

畠中:フォントはフェザーフレンズっぽいけど手書きかな?

中野:微妙な色もいいね。。

izmt:恥ずかしいメッセージだけど、前だけプリントってのがまた潔くて良いよね。

INFORMATION

ドレギュラーTシャツ展

会期:6月5日(金)〜6月7日(日)
場所:dojoe
住所:東京都渋谷区元代々木町9-8
電話:03-6884-2425
dojoe-tokyo.com