PROFILE
セレクトショップ「エディフィス」にてバイヤーを務めた後に独立。自身の活動を経て、2015年に「レショップ」を立ち上げる。2019年よりオリジナルレーベル〈LE〉を始動した。
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セレクトショップ「エディフィス」で、デザイナーとして活躍。その後独立し、フリーランスのデザイナーとしていくつかのブランドの立ち上げなどを経験しながら、2011年に〈コモリ〉を立ち上げる。〈LE〉では監修役を務める。
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紳士服のパタンナーとしてキャリアをスタート。2007年にデニムブランドの〈スタビライザージーンズ〉を設立。古きよきデニムの魅力を理解しながらも、それを現行品として表現しながらアイテムをリリースしている。

あまり市場に出回ってないなら〈LE〉としても特別なものがつくれる。
ー 今回はブラックデニムのジーンズをリリースされるということで、なぜこのタイミングでつくろうと思ったのか教えてください。
金子:最初、ぼくと矢實さんで、デニムの話になったんですよ。
矢實:ショボい色のブラックがいいよね、なんて話をしてましたよね。90年代くらいのブラックデニムの色なんですけど、生産の時期が短くて探してもあんまり出てこないんです。80年代半ばから90年代の半ばくらいまでしかつくられていなくて。それで、ちょうど金子さんがよく着ている1stのGジャンの生地がいいみたいな話になって。
小森:タイで買ったやつ?
金子:そうそう。小森さんとタイに行ったことがあって、そのときに見つけた謎のGジャンがあるんですよ。フイナムの記事でもよく着てるやつなんですけど。
ー こちらの記事ですかね。このGジャンがスタートだったわけですね。
金子:そうですね。デニムとジョーダンばかり見ている矢實さんでもこの生地は見かけないと言っていて。じゃあ一からつくってみましょうかという話になったんです。
ー でも、今回どうしてGジャンではなく、パンツからつくったんですか?

金子:Gジャンも同時進行でつくっていて、秋冬にリリースする予定です。〈LE〉ではもともと白シャツやTシャツがあって、ジーンズはずっと必要だと思っていて。でも、インディゴではヴィンテージでも現行品でもいいものが多くて、ぼくたちがわざわざつくる必要性を感じませんでした。それでこのGジャンの生地の話になったときに、これがあまり市場に出回ってないなら〈LE〉としても特別なものがつくれるだろうなと思ったんです。それで今回、形は501をベースに考えて、糸から生地をつくることにしたんです。
ー 糸からつくるなんて、かなり思い切りましたね。
金子:なかなかの勇気がいりました(笑)。
矢實:あの生地がどういう染め方で、どういう糸を使っているのかを調べるところからスタートしましたよね。それが解明されていなかったんですよ。
金子:いまの現行のブラックはこうならないみたいですね。

矢實:現行のブラックデニムはロープ染色といって、縦糸の表面しか黒く染まってないんです。だからアタリが出るとどんどん白くなっていくんですけど、あの生地は芯まで黒く染まっているみたいで。だから色が落ちたときにアタリが白くならないんですよ。
小森:それを聞いたとき驚きましたね。矢實さんに言われるまで知らなかったです。こういう染め方のブラックデニムがないっていうのを聞いて、おもしろそうだなと。