スラックスとミリタリーパンツが生む巧妙な違和感。
PROFILE

2017年にチャンネルを開設し、いまや飛ぶ鳥を落とす勢いの新世代のファッションピープル。19年には西麻布に自身のショップ「リュウ(Lieu)」をオープン。そのほか、さまざまなブランドとのコラボでも注目を集めている。またなかむさん視点で語られるサスティナブルリメイクボトムの制作秘話もユーチューブで公開中。

ー 今回、制作したパンツはなかむさんの私物のパンツ2本を解体してつくられました。このデザインは、どういったイメージで仕上げていったんですか?
最初、生地を選んで仕立てるか、私物を用いてつくるかってこの企画で聞かれたときに、せっかくだから私物を使って面白いことをしたいと思ったんです。サスティナブルっていろんな捉え方ができると思うんですが、着なくなった服をアレンジして新しいものに生まれ変えるというのもある種サスティナブルだなと。それで、とりあえず私物を持っていってその場で話しているときにパッとイメージが浮かんだ感じですね。


なかむさんの私物で提供されたメゾンブランドのウールスラックスとミリタリーのテクノパンツ。
ー このテクノパンツの立体的なポケットがいいアクセントになっていますよね。
これいいですよね。このポケットは絶対に使いたいと思ってたのでよかったです。それと色味が気に入っています。それぞれ色味が微妙に違っているからもっと派手になってしまうかもと心配してたんですけど、ちゃんとトーンが統一されているからすごくバランスよくまとまっていますね。

〈メゾンスペシャル〉サスティナブルリメイクウエストデニムボトム byなかむ、
その他スタイリスト私物
ー それと細かい部分でいうと、インラインよりも4cmワイドにし、かなり太めに仕上げられています。さらにウエストはイージー仕様にされるなど、どういったこだわりがあったんですか?
オーバーサイズの軍パンを、ドローコードでギュッと縛る感じを再現したかったんです。あの男らしい感じがすごく好きなんですよね。しかも、これだったら身長の高さに関係なく履けそうです。


両サイドで異なるポケットを配しているため、アシメトリーなデザインに。
ー 現在ではユーチューブの配信と平行して、ご自身のショップ「リュウ(Lieu)」を運営されていますが、実際にお客さんと会うことで何か変化はありましたか?
実際に店頭で見てもらうことでぼく自身が気づかなった服の良さをお客さんに見つけてもらえたりするのが面白いですね。あ、そんな視点で見るんだって発見がよくありますね。それにネットで売れ残っていたアイテムでもショップで触れてもらうことで購入してもらえることも多いです。ただショップは1人1人に深く刺さりますが、ユーチューブやネットの拡散力のすごさを改めて感じています。そういった意味ではバーチャルとフィジカルは、どちらにもメリットがあるように思います。

ー 動画でアイテムを紹介するときや今回のようなアイテムづくりでのポリシーはあるんですか?
当たり前のことですが、自分が気に入ったアイテムしか紹介しないようにしています。いろんなジャンルのアイテムを紹介するのはいいことだと思うんですが、本当は興味ないのに話題性のあるものばかりを紹介していると結局バレてしまう気がして。自分自身の気持ちも乗ってこないですし。あとウソつくのが苦手なので、興味なかったら絶対によそよそしくなると思います(笑)。

ー そういった意味でも今回のアイテムは素直に喜べましたか?
もちろん。絶対にいいものができるっていう信頼感はありましたが、その想像を超えるアイテムですね。ただ本数はかなり少ないんですよね?
ー そうですね。なので、今回は販売するのではなく、抽選でプレゼントされるそうです。
マジですか? そんな貴重なアイテムなのにぼくがもらっちゃっていいのかな(笑)。ただ渾身の一本なので、長く愛用したいですね。

サスティナブルリメイクウエストデニムMIXショーツ byなかむ
インラインで展開されているワイドパンツを、さらにワイドに設計し、ウエストはイージー仕様に仕上げた特別モデル。黒のミリタリーパンツをパッチワークのように縫い合わせ、さらに私物のウールスラックスとテクノパンツのパーツを用いてアレンジを効かせている。それによって角度によって表情に変化が。制作本数が極小のため店舗での販売はなく、後日〈メゾンスペシャル〉のインスタグラムにて抽選情報が告知される。参考価格は2万円代後半。
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