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FEATURE
映画『WAVES/ウェイブス』を紡ぐ5つの証言。
Focus on WAVES

映画『WAVES/ウェイブス』を紡ぐ5つの証言。

『ムーンライト』、『レディ・バード』、『ミッドサマー』など、次々と話題作を発表し、ハリウッドに新風を吹き込む映画スタジオ「A24」が放つ新作『WAVES/ウェイブス』。心を打つストーリー、幻想的なカラーによる映像美、そしてそれらを支える豪華アーティストによる31曲が今作をより色鮮やかなものに昇華しています。「ミュージカルを超えた“プレイリスト・ムービー”」と銘打たれたこの映画に心を揺さぶられた俳優、デザイナー、モデル、お笑い芸人にリモートでインタビューを敢行。彼ら彼女らがセレクトしたマイプレイリストとともに、今作の魅力に迫ります。

Story
傷ついた今日も、癒えない痛みも、愛の波が洗い流す。

高校生タイラーは、成績優秀なレスリング部のエリート選手、美しい恋人アレクシスもいる。厳格な父親ロナルドとの間に距離を感じながらも、恵まれた家庭に育ち、何不自由のない生活を送っていた。そんなある日、不運にも肩の負傷が発覚し、医師から選手生命の危機を告げられる。そして追い打ちをかけるかのように、恋人の妊娠が判明。徐々に狂い始めた人生の歯車に翻弄され、自分を見失っていく。そしてある夜、タイラーと家族の運命を変える決定的な悲劇が起こる。
一年後、心を閉ざして過ごす妹エミリーの前に、すべての事情を知りつつ好意を寄せるルークが現れる。ルークの不器用な優しさに触れ、次第に心を開くエミリー。やがて二人は恋に落ちるが、ルークも同じように心に大きな傷を抱えていた。そして二人はお互いの未来のためにある行動に出る……。

01 弱さを持った彼らが、そこに生きていてよかった。

PROFILE

松本穂香

1997年生まれ、大阪府出身。高校在学中に女優デビューを果たし、NHK連続テレビ小説『ひよっこ』や、auのCM『意識高すぎ!高杉くん』シリーズなどへの出演で一躍脚光を浴びる。7月28日(火)から関西テレビの火曜ドラマ『竜の道 二つの顔の復讐者』にヒロインとして出演。また7月31日(金)『君が世界のはじまり』、10月16日(金)『みをつくし料理帖』、今秋公開予定『君は彼方』など、主演映画の公開も控えている。

ー 今作を観られて率直な感想はいかがでしたか?

人間の素晴らしさや弱さを、これ以上ないストーリーで描いていらっしゃる作品だと思いました。私たちは誰かを愛することができるし、傷つけることもできてしまう。なんの意味もない冗談を言い合ったり、抱きしめ合ったり、愛を確かめ合わないと、ひとりぼっちでは生きていけないですし。失敗から何かを得るなんて虚しいけれど、それをまっすぐ見つめられたらとも思うんです。人を傷つけるのも人間、愛することができるのも人間。言葉で表したらチープかもしれないけど、この映画をみて感じたことは、その一言に尽きるかもしれないですね。

ー そういった人が抱える普遍的な衝突が、美しい映像とともに表現されてましたよね。

そうですね。誰かにとって絶望的な夜でも、息ができないほど苦しい瞬間でも、映画の中に映る光は、ハッとするほど美しかったです。夕日も水のきらめきも生きるものの美しさも、ずっと変わらずにそこにはあって、記憶はずっと残る。彼らがそこに生きていて良かった。そう感じました。

ー そういった映像とともに作品を象徴づけているのが音楽だと思います。その点はいかがでしたか?

シーンを盛り上げる曲というより、登場人物の気持ちとリンクしたものが多かったのかなと思います。聴いているこちらも、彼らの身体の中に流れる温度が伝わってくるようで。苦しい場面もあれば、楽しい気持ちになるシーンも多かったです。

ー 松本さんにとって心に残っているシーンはどこですか? 

エミリーとお父さんが湖の前で話すシーンですね。親であっても子であっても、支え合わないと潰れてしまう。二人とも、はじめて弱さをぶつけ合ったように見えました。苦しいけど、愛に溢れた瞬間。それがどうしようもなく愛しかったんです。たぶん、どこか、自分と親の姿を重ね合わせて観ていたのかもしれません。あまりうまく言えないですが、とても素晴らしい時間でした。

No.1
IFHY(feat.Pharrell)

タイラー・ザ ・クリエイター

主人公のタイラーがはじめて爆発するシーン。彼の気持ちとリンクした音楽によって、より伝わってきます。

No.2
Love is a losing game

エイミー・ワインハウス

はじめは素敵な曲だなと思って聴いていたのですが、シーンの中で聴くと、これから二人に訪れる終わりを予感させる曲になっていて、面白いと思いました。

No.03
FloriDada

アニマル・コレクティヴ

命の美しさを感じました。

No.04
Pretty Little Birds (feat. Isaiah Rashad)

SZA

歌詞が大好きです。エミリーのことを歌っているよう。曲終わりの二人のシーンも、可愛くて好きです。

INFORMATION

『WAVES/ウェイブス』

2020年7月10日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
配給:ファントム・フィルム
©2019 A24 Distribution, LLC. All rights reserved.

監督・脚本:トレイ・エドワード・シュルツ(『イット・カムズ・アット・ナイト』)
出演:ケルヴィン・ハリソン・Jr、テイラー・ラッセル、スターリング・K・ブラウン
レネー・エリス・ゴールズベリー、ルーカス・ヘッジズ、アレクサ・デミー
作曲:トレント・レズナー&アッティカス・ロス(『ソーシャル・ネットワーク』、『ゴーン・ガール』)
原題:WAVES /2019年/アメリカ/英語/ビスタサイズ /135分/PG12
『WAVES/ウェイブス』公式サイト
公式Twitter
公式Instagram

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