デザイナーの服の捉え方がより表れてくる時代に。
ー 展示会を通じて、卸先のオーダーも変わってきたと感じますか?

藤井: これは今までも思ってきたことですが、皆さんいろんな事情があり、さらには地域によっても影響に差があったりと、それは仕方がないことです。今回で感じたのは〈ノンネイティブ〉をブランドリストのひとつとして扱っているお店と、服として扱っているお店に分かれているのがはっきりしてきたなということ。どちらも引き続き扱ってもらっている時点でありがたいんですが。で、自分としては、改めて服の特徴を伝えなきゃいけないなと思いましたし、コミュニケーション不足なところもあったんだなと、見直すポイントが腑に落ちました。
ー ファッションの消費が変わってくるなかで、価格帯についてはどう考えていますか?
藤井: クオリティを変えて世の中に合わせる必要はないと思いますし、やっぱり自分らができることをもっと伝えるのが〈ノンネイティブ〉らしいというか。これは否定しているわけではなく、ファッション業界は意外と右に倣えなんです。今回は「展示会をいつやるの? どうするの?」っていう連絡がすごく連絡あったし、やっぱり似たような形式になってしまう。だから、個人的には同業の人となるべく連絡をとりたくなかった部分もありました。なんだか慰め合いにもなってしまうから。

DWELLER S/S TEE COTTON JERSEY BORDER / ¥ 13,800+TAX

DWELLER TRAINER HI COTTON BAFU CLOTH WITH GORE-TEX 2L / ¥ 35,800+TAX
ー それで言うと、〈ノンネイティブ〉のプレゼンテーションはどうしていこうと考えているんですか?
藤井:
自分たちもコンテンツを持っているから、「カバーコード」に力を入れていこうと考えています。これは変な意味ではないんですが、コロナ禍がきっかけになって、オンラインストアを立ち上げたブランドもあるでしょう。ひとつのブランドのオンリーショップだと用がなければ訪れないけど、「カバーコード」は〈ノンネイティブ〉が入口でも、器を買おうかなという選択肢がある。そう思うと、百貨店的につくってきてよかったなと思います。
以前は〈ノンネイティブ〉だけのオンラインストアをつくろうかという話もあったけど、やっぱり多様性が大事ですね。会社としてはブランド(nonnative / hobo / YSTRDY’s TMRRW)も、お店(vendor / ROOTS to BRANCHES)も、コーヒースタンド(SIDEWALK STAND)もやっていて。ぼくらは何をやっている人たちなのかわかりにくいかもしれないけど、自分たちがやってきたことを再確認できたのは大きかったですね。