ソーホーなら、長く落ち着いて商売できると思った。

8月23日にオープンした「ナナミカ ニューヨーク」。
ー 〈ナナミカ〉は創業当初からグローバル展開を視野に入れていましたが、なかでもニューヨークを選んだ決め手は何だったんでしょうか?
本間:じつは3、4年前に、海外1店舗目をロンドンに出そうと思って物件を探していたんです。その頃はもう20カ国以上に商品を卸していて、なかでもイギリスがその筆頭でした。ただ、そのタイミングでブレグジットがほぼ決まってしまって……。そこで、次に考えたのがアメリカだったんです。
ー 卸しだけでは、どこかもの足りなさがあったんでしょうか?
本間:その頃は海外展開をはじめて10年で、少しずつ知られてきたとはいえ、一歩業界の外に出るとブランド認知はまだまだでした。やっぱりセレクトショップ相手だと、商品のバリエーションとしてはせいぜいハンガーラック2本分が限界じゃないですか。なので、自分たちの商品をフラットに見てもらうには、海外にも店舗を作るしかないなと。

〈ナナミカ〉の代名詞であるゴアテックス ステンカラーコートは、アメリカでも絶大な人気を誇る。
ー ロサンゼルスとかサンフランシスコではなく、ニューヨークだったんですね。

本間:カリフォルニアでもよかったんですけど、我々はアウターが強いし、服そのものの生活における相性でいうとニューヨークが一番だろうと。なかでも今回出店するソーホーのウースターストリートは、トレンド関係なく、落ち着いて商売ができる感触もありました。
ー クマさんはウースターストリートにどんな印象を持たれてますか?
クマ:ちょうどニューヨークの自宅と事務所に挟まれた地区で、ユニークなショップとかギャラリーが多いでエリアです。かと言って、東京の青山みたいにおしゃれしないと歩けない感じでもない。近くには大学もあるので、学生たちが上下スウェットで歩いていたりもする。すごくいいブロックですよ。