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ベルーフバゲージと豊岡鞄。至高のクオリティを紐解く4つのキーワード。
Pride of Quality By beruf baggage

ベルーフバゲージと豊岡鞄。
至高のクオリティを紐解く4つのキーワード。

自転車の文化をバックボーンに、機能的で優れたデザインのバッグをつくる〈ベルーフバゲージ(beruf baggage)〉。“自転車由来”という本質を貫きながら、都市通勤者のためのアイテムとして誕生した「URBAN COMMUTER」は、スーツスタイルにマッチするスマートな表情と機能が両立したコレクションです。生産を手がけるのは、カバンの産地として千年にも及ぶ歴史を持つ兵庫県豊岡市の地域ブランド〈豊岡鞄〉。両者がタッグを組んで生み出すバッグは、どんなところに魅力が隠されているのか? 〈ベルーフバゲージ〉のデザイナーである佐野賢太さんと共に生産の現場を訪ね、その秘密を探りました。

  • Photo_Akio Yamakawa(euphoria Factory)
  • Text_Yuichiro Tsuji
  • Edit_Yosuke Ishii

デザイナーが語るベルーフバゲージと豊岡鞄について。

〈ベルーフバゲージ〉の佐野さんが絶大なる信頼を寄せる木和田正昭商店。バッグの生産現場を想像すると、すべてオートメーション化された機械的な製造方法を想像しがちですが、人が上手に機械を操ることで細かな部分に至るまで品質が守られ、丁寧につくられていることが分かります。

“神は細部に宿る”とはよく使われる常套句ですが、細かなパーツの多い〈ベルーフバゲージ〉と〈豊岡鞄〉こそ、その言葉の真価を感じられるプロダクトであると言っても過言ではないでしょう。そんな今回のコラボアイテムの数々について、その魅力を佐野さんに語ってもらいました。

ー 今回の「URBAN COMMUTER」のシリーズはどういったコンセプトでデザインされたアイテムなのか教えてください。

佐野:ビジネスシーンに向けたラインナップになっています。デザインに関してはスーツをビシッと着ている方でも使えるものというのが大前提としてあります。とはいえ、ステレオタイプなビジネス向けのバッグというわけでもなく、ジャケパンの人でも違和感なく使えるというか、それこそオフの日でも使えるように、いかにもな仕事鞄にはしてないですね。

左から、「2×3WAY BRIEF PACK HA」 ¥49,000+TAX、「2WAY BACK PACK HA」 ¥27,000+TAX、「2WAY TOTE BAG 2 HA」 ¥34,000+TAX、「BACK PACK 2 HA」 ¥36,000+TAX

佐野:生地はコーデュラ糸で編んだバリスティックナイロンを採用していて、糸は中空糸といって中が空洞になっているんです。だからすごく軽いのが特徴ですね。カバンとして水に強いとか、背負ったときに手が届きやすいところにポケットがあるとか、従来から〈ベルーフバゲージ〉が得意としている自転車由来の機能ももちろん前提としてあります。

ー 一方で、新しくトラベルシリーズもリリースされるそうですね。

佐野:そうですね。生地は「URBAN COMMUTER」と同じものを使っています。このシリーズはソリッドなデザインが特徴です。自分の死角となる位置にポケットを配備してないんです。海外だとスリも多いですし、普通にカバンを背負って歩いていても、無意識のうちにストレスを抱えていると思うんですよ。そうした気持ちを少しでも軽減したいと思ってデザインしました。

それにポケットが多いと、荷物をどこに入れたかわからなくなることがあるので、メインコンパートメントの中にポケットやPC用の収納をつくって、その中で仕分けられるようにしています。これはすべての〈ベルーフバゲージ〉のアイテムに言えることですが、ユーザーの想像力が活かせるような、余白のあるつくりを意識してますね。

ー これらのアイテムは、どうして〈豊岡鞄〉とのコラボレートという形でのリリースになったのでしょうか?

佐野:もともと〈ベルーフバゲージ〉のインラインのアイテムを木和田正昭商店さんでつくってもらっていて。この工場はつくれるアイテムの幅が広い上に、すごく高いグレードでそれを実現できるんです。もちろん〈豊岡鞄〉のアイテムの多くをこちらでつくられているのは知っていて、コラボレートすることによってお互いのファン層へそれぞれのブランドを知ってもらいたいという気持ちがありました。

ー 今回色々と生産の現場を拝見させていただきましたが、もっと機械的な工程が多いのかと思っていたんですが、パーツを細かく裁断したり、それをひとつ一つ縫ったり、革の加工も丁寧にされていて、すごくアナログな印象を受けました。

佐野:そうなんです。ぼくも何度か工場へ足を運びながら気づいたことがあって、機械を扱うにしても、つくるプロダクトによって生地にかかるテンションとかが変わってくる。それによって機械の扱い方も変わってきますから、やはり人の手ありきなんです。機械に頼るところと、人の手を加えるところのバランスがすごくいいんですよ。

佐野:それにクオリティの面でも、すごく安心感がありますね。分業制だと、人から人へと渡っていくときにちょっとした見落としがあったりすると、それだけで大きなロスになります。でもこちらの場合は一貫生産なので、すぐに修正が可能なんです。

ー この工場だからこその魅力がたくさんあると。

佐野:本当にそうですね。自分の頭の中にあるデザインを図面に起こして、そこからパターンを引いていくんですが、サンプルをつくる段階で縫製を担当する職人さんが「このままだとキレイなフォルムが出ない」って縫う前から仰るんです。そこから「ここはこうしたほうがいい」と的確なアドバイスを伝えてくれたりして、そうしたパターンメイキングの部分でもすごく信頼してますね。これらのバッグのキレイなフォルムも、木和田正昭商店だからこそ生まれるものです。

ー 最後に、〈ベルーフバゲージ〉として今後の展望について教えてください。

佐野:アパレル業界って基本的に半年に一回展示会をしますけど、そのルーティンを意識しなくてもいいのかなと考えています。そこに向けて新しいモデルをつくるんじゃなくて、出来たときにつくりたいと思っているんです。生活様式が変わると新しいカバンが必要になったり、日々生活をする上で無意識な動作の中にアイデアってたくさん潜んでいると思うんです。そうした変化に対して敏感でいること。そうした意識を常に持って、これからもいいバッグをつくっていきたいです。

INFORMATION

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