このお店でこれからやりたいこと。
ー そして「BRICK & MORTAR」ですね。立ち上げたのはどうしてですか?
敦志: 2つあります。まずは、周がアート作品を作れる、そしてその作品を置ける場所が欲しかった。一方で、アートをビジネスとして成立させなきゃいけない。この2つを兼ね備えたものとして、お店を始めました。
ー セレクトものはあるんですか?
周: いまじゃほとんどないですね。昔は半分くらいありましたけど。
ー いまはアート作品の展示や、〈アマブロ〉の商品が置いてありますよね。今後お店をどうしていきたいとか、プランはありますか?
周: アイデアや発想というものは鮮度が一番重要。カウンターの寿司屋も鮮度のいいネタを、大将がさっと握って提供してくれるじゃないですか。だからこの場所も、生まれたアイデアをすぐ形にして、その作品を飾れて、お客さんに見てもらえるような場所にしていきたいです。だからいま、僕は店内のレジ横の大きな机で作品を作っていて。すごく贅沢ですよね。
周: 例えば、さっきお話したアパレルで言えば、作ったものは半クール後に発表されます。ぼくらは面白いことを思いついたら、すぐ発表したい。半クール遅いと、自分たちも飽きてしまうし。
ー 会社としても、そうやって自分の中から生まれることや独自のサイクルをベースに企画するんですか?
優哉: 大手のメーカーと違うのは、マーケティングなしで作っちゃうことです。自分たちでいいなと思うのを作るというか。
ー 自分たちが欲しいものをつくるっていうのは、筋や責任感があるものづくりですよね。一番正しい形だと思います。
周: いただいた仕事も楽しいけど、いまは自分たちで発信することが楽しいですね。先日まで「BRICK & MORTAR」で、長年の友人でブラジリアン柔術の師匠でもある宇野薫さんのエキシビションをやっていたんですけど、これは企画立案から運営までをサポートさせてもらって、その会期中は僕もアート作品を発表したり、シルクスクリーンでお客さまのTシャツにプリントしたり。こうしたパッケージで動けるのも我々の強みだと思います。
ー 有田焼のように文化を伝承したいとか残したい、そんな意識はありますか?
周: やはり焼き物の産地をリスペクトして、少しでも存続の助けになる行動をしたいと思ってます。波佐見焼の〈zen to〉というブランドで、小宮山雄飛さん、ツレヅレハナコさんにカレー皿を監修してもらいました。ツレヅレハナコさんの皿は、唐草模様をすべてスパイスの植物にしているんです。各地に、こういうことをやる若い世代も育っているので、こういう感覚で、伝統を守りつつ、新しいことをやっていけたらと思ってます。