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アートもビジネスも旬は短い。村上美術の10年とこれから。
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アートもビジネスも旬は短い。
村上美術の10年とこれから。

中目黒にあるショップ「ブリック&モルタル」、デザイン性の強いプロダクトを作る〈アマブロ〉、アーティスト村上周。どれもが今回お話を聞いた村上美術(株)にまつわる一面です。グラフィックデザインという得意分野を古今東西のものと組み合わせ、モノを作り、売り、育てているこの会社が、創設から10周年という節目を迎えました。村上周さんのアート活動とその哲学、村上美術(株)が手がけるビジネスの裏側について、会社の中核を担う3人に話を伺いました。

このお店でこれからやりたいこと。

中目黒の駅から少し離れた場所にある「BRICK & MORTAR」。

ー そして「BRICK & MORTAR」ですね。立ち上げたのはどうしてですか?

敦志: 2つあります。まずは、周がアート作品を作れる、そしてその作品を置ける場所が欲しかった。一方で、アートをビジネスとして成立させなきゃいけない。この2つを兼ね備えたものとして、お店を始めました。

ー セレクトものはあるんですか?

周: いまじゃほとんどないですね。昔は半分くらいありましたけど。

ー いまはアート作品の展示や、〈アマブロ〉の商品が置いてありますよね。今後お店をどうしていきたいとか、プランはありますか?

周: アイデアや発想というものは鮮度が一番重要。カウンターの寿司屋も鮮度のいいネタを、大将がさっと握って提供してくれるじゃないですか。だからこの場所も、生まれたアイデアをすぐ形にして、その作品を飾れて、お客さんに見てもらえるような場所にしていきたいです。だからいま、僕は店内のレジ横の大きな机で作品を作っていて。すごく贅沢ですよね。

周: 例えば、さっきお話したアパレルで言えば、作ったものは半クール後に発表されます。ぼくらは面白いことを思いついたら、すぐ発表したい。半クール遅いと、自分たちも飽きてしまうし。

ー 会社としても、そうやって自分の中から生まれることや独自のサイクルをベースに企画するんですか?

優哉: 大手のメーカーと違うのは、マーケティングなしで作っちゃうことです。自分たちでいいなと思うのを作るというか。

ー 自分たちが欲しいものをつくるっていうのは、筋や責任感があるものづくりですよね。一番正しい形だと思います。

周: いただいた仕事も楽しいけど、いまは自分たちで発信することが楽しいですね。先日まで「BRICK & MORTAR」で、長年の友人でブラジリアン柔術の師匠でもある宇野薫さんのエキシビションをやっていたんですけど、これは企画立案から運営までをサポートさせてもらって、その会期中は僕もアート作品を発表したり、シルクスクリーンでお客さまのTシャツにプリントしたり。こうしたパッケージで動けるのも我々の強みだと思います。

ー 有田焼のように文化を伝承したいとか残したい、そんな意識はありますか?

上:〈zen to〉のツレヅレハナコさん監修のカレー皿
下:〈zen to〉の小宮山雄飛さんのカレー皿。
どちらも入荷すると、すぐに売り切れてしまうほどの人気っぷり。

周: やはり焼き物の産地をリスペクトして、少しでも存続の助けになる行動をしたいと思ってます。波佐見焼の〈zen to〉というブランドで、小宮山雄飛さん、ツレヅレハナコさんにカレー皿を監修してもらいました。ツレヅレハナコさんの皿は、唐草模様をすべてスパイスの植物にしているんです。各地に、こういうことをやる若い世代も育っているので、こういう感覚で、伝統を守りつつ、新しいことをやっていけたらと思ってます。

「DAIRY SHOPPER」¥2,400+TAX

「巷のエコバッグは、コンパクトで軽くて小さいものが多かったので、素材優先で、かつキャッチーなものを作りました。もともとレインコートとして使われることが多いTPU素材を使い、しかもカラーバリエーションをたくさん見せることで、新しい素材として魅力が伝わっていくといいなと思ってます」(優哉さん)

INFORMATION

村上美術株式会社

www.murakamiart.jp

BRICK&MORTAR

東京都目黒区中目黒1-4-4
www.brickandmortar.jp

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