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FEATURE | TIE UP
toffの9年間と、TFとしての0日目。
Talk About The Store

toffの9年間と、TFとしての0日目。

祐天寺と学芸大学のちょうど中間の五本木エリアにあるセレクトショップ「トフ(toff)」は、11月19日に9周年を迎え、慣れ親しんだ「トフ」という名前から「ティーエフ(TF)」へとショップ名が変わります。しかし、「名前は変わっても、スタンスは変わりません」とスタッフの岡本さん、鈴木さんは声を揃えます。そう言い切る理由はどうしてなんだろう。そして、“好立地”とは決して言えない場所ながら、人々を惹きつける所以はなんなんだろうか。そんなことが知りたくて、お二人とともに予約制オーダーサロン「ニートハウス」と中目黒のカセットテープ店「ワルツ」を訪ねました。さらに「トフ」のディレクターを務めるパリ在住の関 隼平さんを招いてインスタライブも敢行。そこから見えてきたものは、“人がいい店をつくる”という至極当たり前のことでした。

  • Photo_Hiroshi Nakamura
  • Text_Shogo Komatsu
  • Edit_Shun Koda

「トフ」ディレクター関 隼平 × 『フイナム』編集長 小牟田 亮 いつ行っても変わらない良いものがある。

10月末に行われたインスタライブでは、五本木の「トフ」と、関さんの滞在していたフランスのノルマンディーを繋いで配信した。

PROFILE

関 隼平

1979年生まれ。東京都出身。中目黒のセレクトショップ「1LDK」の立ち上げメンバーで、ゼネラルマネジャーを担当。2015年からパリ店で勤務をスタートし、2016年に独立。ファッションインプルーバーとして、さまざまなブランドやショップをディレクションしつつ、合同展示会などを開催。2019年10月パリにセレクトショップ「パークス パリ(PARKS PARIS)」をオープン。

PROFILE

関 隼平

1979年生まれ。東京都出身。中目黒のセレクトショップ「1LDK」の立ち上げメンバーで、ゼネラルマネジャーを担当。2015年からパリ店で勤務をスタートし、2016年に独立。ファッションインプルーバーとして、さまざまなブランドやショップをディレクションしつつ、合同展示会などを開催。2019年10月パリにセレクトショップ「パークス パリ(PARKS PARIS)」をオープン。

小牟田: 改めまして、よろしくお願いします。関さんは、いつから「トフ」のディレクターに就任したんですか?

関: 5年ほど前からです。お店はその前からあったので、途中から参加した形ですね。「トフ」の代表と昔からの知り合いで、前の仕事を退職する話をしたらお声がけいただきました。

小牟田: 関さんがディレクターに就任する前と後で、どんなところが変わりましたか?

関: 以前は、もう少しストリート寄りのセレクトでしたが、徐々に変えていったのが大きいと思います。僕が入って、急にリブランディングしたというより、それまでのカラーを残しながら、少しずつ変えていきました。

小牟田: 東京でいえば、渋谷や原宿、青山などから外した立地にお店がありますけど、これから店を構えようと思っている人は、中心部から離れているほうがいいって、個人的に考えているんですよ。パリにある〈パークス パリ〉も少し離れていますよね?

関: そうですね。16区っていう、少し外れた地区にあって、中心街のお店とは少し違った意味合いになっていると思います。

小牟田: これから「ティーエフ」をどういうお店にしたいですか?

関: 取り扱わせていただいているブランドさんは、どれも素晴らしいクオリティで、並びを見ればすごいお店なんですよ。でも、お店に入ってみると、格式が高いなんてことは全然なくて。鈴木さんと岡本さんがリラックスした雰囲気で、お客さんにゆっくり見てもらえているからいまが理想的です。

小牟田: ちなみに、お客さんは長居される方なんですか?

岡本: みなさん割と長いですね。15時くらいにいらっしゃって、閉店までいらっしゃる方もたまにいます。

小牟田: それは相当長いですね(笑)。

関: 帰国したとき、週末は店頭に立っていて、夜は鈴木さんと岡本さんと一緒に飲みに行こうかって話をしていたんですよ。閉店してから、お店に向かおうとしたら、そこにお客さんもいて(笑)。一緒に飲みに行くのが普通みたいです(笑)。

小牟田: めちゃくちゃいいじゃないですか(笑)。

関: 僕は初めてお会いするお客さんだったんですけど、鈴木さんと岡本さんの普段の距離感があるから、自然と飲みに行くのがおもしろいなと思いました(笑)。

小牟田: 普通のことを言いますけど、やっぱりお店は人ですね。

関: そうなんです。前の会社の時から僕もそれは感じていました。どこで他のお店と差別化するかといったら、誰から買うかってことだと思うんです。いっぱいお店があるけど、「ティーエフ」の2人から買いたいっていうお客さんが増えているから、9周年を迎えられたと思います。

小牟田: まさにそのとおりだと思います。

関: 必ずしも、お客さんとお友達になるのがいいってことではないですけど、お客さんに合わせた居心地の良さがあると思っています。定期的に来店いただくお客さんがいらっしゃいますが、なかには名前も職業も知らない方もいて。あまり会話はしたことないけど、ショップの雰囲気が好きという方もいらっしゃるみたいです。2人が、お客さんに合わせた対応をしてるのが一番だと思います。

小牟田: 以前、学芸大学駅の近くに住んでたことがあるんですけど、やっぱり五本木はいいですね。

関: ちょうどローカルと都会が合わさってていいですよね。街の洋品店って、日本に限らず世界中どこにでもあるじゃないですか。その現代版が「ティーエフ」になったらいいですね。いつ行ってもスタイルがあって、変わらない良いものが置いてある。街に根ざしていて安心感があるお店になればいいなと思っています。

小牟田: 街と人と、取り扱いの服が、全部合っていますね。だから安心感がある。売る側が本当にいいと思っている服を置いているんだなって伝わってきます。『フイナム』もまさにそうで、誠実でありたいと思っていて。今後はそういうものしか残らないと思います。関さんは、エディター兼ライターの岡本真実さんと2人で、「LIVIN’ IN PARIS」というブログをやられてますが、ファッション好きは絶対読んだほうがいいと思います。

関: そう言われるとプレッシャーがありますね(笑)。ちゃんと書かなきゃいけなくなっちゃうから。

小牟田: いやいや、あのユルい感じでやっていただきたいです。何かを読んで、コレ欲しいって思うのっていいじゃないですか。この機会にブログを全部読み返したんですけど、7、8個はありました。そして、モノを紹介しながら、おもしろいと思うパリや日本のお店についても書かれているじゃないですか。それも行きたいなと思っています。『フイナム』で9月にファッションの記事を作ることになって、これからのお店のあり方について、「アナログ/ツール」さんを取材させていただきました。関さんも行かれていましたよね。

関: すごいお店ですよね。よく遊びに行くんですけど、ポップアップのイベントもやらせてもらったことがあります。キッチンスペースがあって、そのときはラーメン屋が出店していました。限定みそラーメンを販売されていて、ラーメンマニアみたいな人たちも入り混じったカオスな空間がすごくおもしろかったです。店主の人柄と企画力が出るようなおもしろいお店です。こんなことやっているお店は他にはないなって思いました。

小牟田: 洋服屋さんが垣根を取っ払って、別のことをやるのがいいと思いますし、今後そういう方向になるんじゃないかなと思います。ひと昔前に流行ったようなライフスタイルショップじゃなくて、人ありきのお店の中で提案していく自然な感じが、リアルな店舗でしかできないことですよね。だから、僕らもお店をやりたくなっちゃいますね。

関: 絶対やったほうがいいですよ。だって『フイナム』さんならこうあるべきっていうのがないから、編集部の1階がお店になっていてもいいし、外に屋台があってもいいので。それをおもしろがってくれる人がいればお店として成立しますよ。

小牟田: 関さんは意識してやってるわけじゃないと思うんですが、僕らからすればいい意味で考えさせられることをやられているので、今後も注目させていただきます。

関: こちらこそよろしくお願いします。

11月21日(土)には、9周年とショップ名変更に伴う記念イベントを開催。イベントの詳細については、インスタグラムをチェック!

NEAT for TF  “Standard” ¥50,000+TAX 
SIZE:42,44,46,48,50

“おじいちゃんが穿いてそうなスラックス”というテーマで作成された〈ニート〉の別注スラックスは、イギリスの名門テキスタイルメーカー〈バウアー・ローバック〉社のウール生地を使用。それにより柔らかな肌触りと表情豊かなブルーグレーを実現している。シルエットは今シーズンからの新モデル“スタンダード”を採用し、すっきりとしたテーパードに仕上がっている。

ERA. for TF “TF TOTE BAG” ¥10,000+TAX

鎌倉のレザーブランド「イーラ」とともに製作したキャンバスバッグ。たっぷりのマチが付き、収納力も申し分なし。厚手のキャンバスはレザーさながらの経年変化が楽しめる

CLUB SAKENOMITAI for TF  “Pocket” / “Crew” ¥7,000+TAX

ファニーなプロダクトを連発する〈クラブサケノミタイ〉とのタッグは2種類のTシャツをスタンバイ。フロントとバックには、「トフ」のショップ名の由来にもなった隣の豆腐屋をリスペクトしたプリントが落とし込まれている。付属するオリジナルステッカーは、お気に入りの居酒屋にでもボムりたい。

TF
ティーエフ

住所:東京都目黒区五本木2-52-11
電話番号:03-3711-7759
時間:12:00~20:00(水曜定休)
「TF」オフィシャルサイト

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