当時の〈ステレオ〉はクリエイティブについて学べ、すごく刺激的だった。
ー キャリアを語る上で、スケートボードは切っても切り離せないものだと思います。そもそもスケートはいつから始めたのでしょう。
グレッグ: 80年代の話になるんだけど、大丈夫かな?(笑)。ホームタウンはアメリカのミシガンっていう場所で、13歳からスケートボードで遊び始めました。閉鎖的な地区だったし、時代的にもユースカルチャーは根付いていなくて、スケートボードはすごくアンダーグラウンドなカルチャーでしたね。唯一のメディアが雑誌だったから、その頃から写真は魅力的な存在でした。

ー グレッグは90年代にジェイソン・リーらが創設したスケートカンパニー〈ステレオ〉へ加入し『A Visual Sound』に出演していましたよね。どのような流れで加入したんですか?
グレッグ: サンフランシスコに移り住んでからなので、91、2年の話です。当時はすでに〈リアル スケートボード(REAL SKATEBOARDS)〉からスポンサーを受けていたんですが、〈ステレオ〉ができるという話になり、どちらかを選ばざるを得なくなりました。ジェイソン・リーとか〈ステレオ〉の初期メンバーは当時のぼくにとってアイドルみたいな存在で、友達もたくさん所属していたから移籍することにしたんです。

1995年に撮影されたグレッグのセルフポートレート。

現在のグレッグ。撮影はベン・コーレン(Ben Colen)によるもの。
ー 映像や写真を始めたのも〈ステレオ〉に加入してからですか?
グレッグ: そうですね。一緒にスケートをやっていた友達が写真を撮っていて、それに影響されて写真を撮り始めました。当時の〈ステレオ〉はクリエイティブについていろいろ学べるようなチームですごく刺激的だったんです。そういえば、あるときジェイソンリーと言い争いになったことがありましたね。彼は僕にスケートフィルムを撮って欲しいって言ってたんだけど、スケートの時は機材が重くて疲れるから嫌だよみたいに当時は返しちゃって(笑)。
ー (笑)。身近な人からの影響が大きかったんですね。
グレッグ: そして、ゲイブ・モーフォードの影響も大きいかな。雑誌とかで彼の写真を誰しも一度は見たことがあると思うんだけど、まさにレジェンドですよね。彼とは友達で、ルームシェアをしていたこともあり、一緒に暗室へ入ってひたすら写真にのめり込んでいったんです。映像もちょうど同じタイミングで興味を持ち始めて、自然と撮るようになりました。次第にスケートから写真や映像に興味が移り代わっていって、一人の作家として活動することにしたんです。