純粋にジェイソンを撮りたいって衝動に駆られた。

ー 今回の写真集はジェイソン・ディルの写真がメインということですが、当時から彼と仲が良かったですよね?
グレッグ: もちろん。お互い現役バリバリのスケーターだった頃から一緒に遊んでいて、写真を始めた時も、自然と彼を撮り始めたんです。そこからぼくの周りにある身近な人やいろいろな物を撮るようになっていったので、気づいたら会うことが減っていって。2003年にL.A.でスケートフィルムを撮る仕事を受けて、ジェイソンと再会しました。
ー 久々の再会ということですね。
グレッグ: 久々だったし、驚きの再会でした(笑)。何が驚きって、ジェイソンが被写体としてものすごく魅力的になっていたんです。純粋に彼を撮りたいって衝動に駆られてしまって。それ以前も以後もずっと彼の写真を撮ってきたんですが、それは別に仕事のためでも誰かにお願いされてやっていたことでもなくて、純粋に撮りたいから撮っていました。彼は僕の友達だし、すごく面白くて、人間として魅力的なんです。



ー 再会以降、写真集が発売されるまでに間が空きました。
グレッグ: 再会後、彼とは2005年から2008年にかけて〈エイリアンワークショップ(ALIEN WORKSHOP)〉の『Mind Field』のための映像を撮り溜めていました。その後もたくさんの時間を過ごして、〈ヴァンズ(Vans)〉のツアーとかも一緒に回ったりして。ひとしきり落ち着いた2016年に過去の写真を見返しながら、またこの写真で何かできないかとジェイソンと話していて、写真集化する案が生まれたんです。

ー グレッグから見た、ジェイソン・ディルの魅力ってどんなところにあるんでしょうか?
グレッグ: いわゆるフォトジェニックってやつなんだけど、言葉で説明するのは難しかな。でも、皆もそれは分かるでしょ? ジェイソンがいかに魅力的なのか。それに彼はぼくの写真にリスペクトを持って接してくれるから、撮影がとてもいいムードでスムーズに進むからお互いに居心地も良くて。ぼくはシャイだし、撮影中も細かなことを気にしちゃうんだけど、ジェイソンとはリラックスして撮影できる関係なんです。そういった親友同士だからこそ宿る信頼関係も写真に表現できていると思います。



ジェイソン・ディルだけでなく、アンソニー・ヴァンエンゲレンやオマー・サラザーなど、名だたるスケーターの写真を撮影してきたグレッグ。過去にはトミー・ゲレロの1stアルバム『LOOSE GROOVES & BASTARD BLUES』のジャケットに写真を提供したこともある。
ー ジェイソン・ディル以外でも、魅力的だなと思う人はいますか?
グレッグ: 誰か特別な人を選んだり、比べたりはしたくないですね。20年間でいろんな人を撮り続けてきたけど、みんな魅力的でしたし。被写体がどんな人かとか、何をしているかは大事だとは思っていなくて、いい写真になるかどうか、もしくはそれが友達かといった被写体としての興味深さが重要です。