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このバッグは必要か。 モノリスをいち早く見出した関西のキーマンたち。
MONOLITH & 2 SPECIALTY STORES

このバッグは必要か。
モノリスをいち早く見出した関西のキーマンたち。

今年11月にローンチしたばかりのバッグブランド〈モノリス(MONOLITH)〉。この新プロジェクトのタクトを振るうのが、PRディレクターとして第一線で活躍する中室太輔さんです。彼のアイデアから生まれたアイテムはベーシックな佇まいでありながら、バッグを愛するツウも舌を巻くほどハイスペック。「このコレクションをより多くの人に知ってもらいたい」と、中室さんが関西を代表するセレクトショップ「シルバー アンド ゴールド 梅田」と「ロフトマンコープ 京都」での取り扱いを切望。手厳しいバイヤーたちによる見極めを経て、両店では充実した品揃えの〈モノリス〉が手に取れます。1stシーズンでラインナップの中から数多くのモデルを扱う理由、今後期待するブランドの在り方などに迫るべく、中室さんが大阪と京都へ来訪。それぞれのバイヤーとの会話から〈モノリス〉の魅力を紐解きました。

“一生これでいいと思えるバッグを作る”。
その確固たるビジョンがセレクトの決め手に。

Silver and Gold UMEDA
アメリカンベーシックを各ブランドが独自に咀嚼した、現代的でデイリーユースに溶け込む国内外のアイテムがラインナップ。真紅の絨毯が敷かれた奥のフロアには〈モノリス〉を筆頭に、〈カラー〉や〈ポール・ハーンデン〉をレイアウト。至高のラインナップは服を愛する大人に至福の時間を与えてくれます。2021年1月16日(土)から24日(日)まで〈モノリス〉のポップアップストアを開催。全ラインナップが手に取れます。
住所:大阪市北区鶴野町1-3 安田ビル103
電話:06-6375-8288
時間:12:00~21:00(土日祝11:00~20:00)
オフィシャルサイト

PROFILE

藤原 徹

今年で入社16年目のバイヤー。生産背景からデザインまで丁寧に説明してくれる、物腰柔らかな接客スタイルにファン多し。最近は気分転換でゆっくりと散歩するのがマイブーム。

中室:藤原さんとの出会いは2013年まで遡りますよね?

藤原:もうそんなに経ちますか。〈テアトラ〉がデビューしたシーズンの展示会で、デザイナーの上出(大輔)さんに「昔からの仲間なんだ」とご紹介いただいて。中室さんはファッション業界では有名な方なので存じ上げていましたし、その後は当店でもセレクトしている〈アイヴォル〉(中室さんがディレクションを担当)を通じて、素晴らしい仕事をされているなと感心していました。そんな中室さんがランドセルの最大手で知られる〈セイバン〉と組んで、何やら新しいブランドを手掛けられるのを実は小耳に挟んでいたんです。お声がけいただいたときは嬉しかったですね。実際にサンプルを拝見する前に、“このバッグは必要か。” というキャッチコピーに圧倒されました。

中室:ブランドをはじめるにあたり、何か「えっ!」と思ってもらえる挑戦的なフックを模索していたんです。あくまでもPR目線なんですが。ある時 “女は大学に行くべきではない” と大々的に掲載された女子大の中吊り広告が目に入ったんです。思わず文章を読み進めると、そこには “その話は今や昔” と書かれていて惹きつけられました。第一印象から注目していただくなら、ここまで大胆な言葉を選ぶべきだと思ったんです。

藤原:そのコンセプトに基づくように、アイテムの一つひとつに説得力がありますよね。〈コンバース〉のオールスターのように、デイパックや2WAYバッグって昔からデザインが不変じゃないですか。そのルールから逸脱せずに、素材使いやポケットの位置などで〈モノリス〉らしいクリエーションが発揮されていて。見せていただいた瞬間から「絶対にお客様に喜んでもらえる。ウチで取り扱いたいな」と即決でした。

中室:ありがとうございます。実はオーダーシートが届くまで「大丈夫かな…」と、ヒヤヒヤしてたんです(笑)。

藤原:中室さんから熱心な説明を受けたら断れないですよ(笑)。でも当店で扱うものは〈モノリス〉だけじゃなく、どれもつくり手の顔が透けて見えるものばかりなんです。ファッションとスポーツの垣根を越えた〈アイヴォル〉のように、中室さんの考えが行き届いていますよね。それが象徴されているなと感じたのが “TOTE OFFICE M” でした。トート然としたデザインでありながら、これまでに見たことない縦型フォルムが斬新で。

中室:“STANDARD” “OFFICE” “PRO”という3つのカテゴリーを設けていて、このトートバッグはワークスタイルを想定した “OFFICE” のものです。縦長だとジャケットとの相性が良いうえ、電車内で横の人に触れにくく、車内やプラットホームでスマートに移動できるんですよ。

藤原:自分自身も電車通勤なので納得させられましたね。縦長ってキャンバス素材のエコバッグを想像しがちですが、〈モノリス〉はタフで機能的な素材じゃないですか。しかもデジタルデバイスの収納も考え抜かれていて。分かる人には気付く新鮮なデザインだと思います。

中室:そう言っていただいて光栄です。以前、東京の「レショップ」さんでポップアップを企画させてもらったんですが、来られるお客様が「こんなバッグを待っていたんです!」と、イベントめがけて来店いただきました。しかも20代後半から40代の方まで幅広く。「仕事で使えるバッグって少なかったんだ」と、自信から確信に変わった瞬間でもありました。

藤原:しかもすべてのモデルでPC用のスリーブを備えていますよね。コロナの影響で仕事のスタイルが移り変わるなか、「お客様からの要望に柔軟に対応したい」と当店では幅広いバッグをセレクトしています。

中室:日常で使うバッグは本来、ここまでのスペックは必要じゃないんですよ。それこそ一気室のシンプルなデイパックで足りると思うんですよね。でも、機能ってあったら使いたくなるじゃないですか。ノートPCのスリーブもそうですし、サイドに施したスマートフォン用のポケットも。足したディテールによって、ユーザーにアクションが生まれるきっかけになってくれたらなと考えているんです。こんなご時世ではあるんですが…。

藤原:でもウチでは “BACK PACK PRO” が好評ですよ。27LのMサイズは追加オーダーをお願いしていて、33LのLサイズもいまは品薄状態です。

中室:ぼくとしては意外でした。ちょうど別媒体の取材になるんですが、「『小さいバッグをやめました』という企画で出てもらえますか?」という依頼をいただいて。いままでサコッシュで良かったのが、どこにいてもリモート会議ができるように、バッグにはPC用のポケットが必要になっているようで。いろいろなものを収納して持ち歩くのが主流だそうです。完全に追い風だなと思っています(笑)。

藤原:どんどん小型化が進むデジタル機器と同じように、他のバッグブランドで小さいサイズが売れるのはよくあります。ただ、〈モノリス〉の場合は「どうせ手に入れるなら」と、ハイエンドなモデルが圧倒的な支持を集めているんです。バッグって頻繁に買い替えるものではないので、製品自体に強い魅力がある証拠なんじゃないでしょうか。それに加えて、手が出しにくいわけじゃない絶妙なプライス設定もお客様に喜んでもらっていますよ。

中室:ここは〈セイバン〉に理解をいただけたというのはかなり大きなポイントでした。およそ2年という開発期間を掛けたうえ、素材選びはトライ&エラーの繰り返しで。本来であればもう少し考慮するべきなのですが、バッグづくりで百戦錬磨のプロを製作チームのスタッフに加えるなどして、現在の適正なプライスが実現できたんです。それでも決して安い買い物ではないんですが…。

藤原:それだけに永く愛用できるバッグだと思っています。PRの世界で長く活躍されているだけあって、ブランディングに明確なビジョンがありますもんね。

中室:そうですね。〈モノリス〉を立ち上げるときに、「一生これでいい」と思えるものをつくりたかったんです。ブランドのプロデュースや企画にも携わっていますが、常に軸足はPRだと考えていて。〈アイヴァン〉をPRするのに〈アイヴォル〉は必要不可欠でしたし、〈セイバン〉と〈モノリス〉の関係性も同じで。この世界観を大切にするため、自分たちのペースで物づくりに取り組む姿勢を〈セイバン〉には理解してもらっています。

藤原:生活スタイルが変化していくなかで、世界観を変えずにクオリティを保つのは大変な作業だと思います。今後は見えない部分もアップデートされていくんですよね?

中室:それこそ我々は〈テアトラ〉の上出さんと考え方が似ていて、新製品も現在のものが完成形だとは思っていません。ユーザーのみなさまからフィードバックを受けて、どんどん進化できればと思っています。いつまで経っても完成しないんでしょうけど、バッグを使用するうえで感じたことは意欲的に吸収したいなと。

藤原:ブランドをお預かりする立場として、〈モノリス〉のフィロソフィーを損なわずに街のみなさんに知っていただこうと思っています。

中室:物に対して絶対的な自信はあるんですが、1stシーズンを迎えたばかりのブランドをここまでご紹介していただけるなんて思っていませんでした。本当にありがとうございます。今日はゆっくりとお話ができて嬉しかったです。

BACK PACK PRO L モノクロームの時代から続くバックパックの概念はそのままに、現代の生活スタイルに準拠する数々のスペックを内包。「トップにハンドルが付いたバッグは珍しい」と藤原さんが言うように、背負っていない状態でも持ち運びの利便性を追求。¥40,000+TAX

TOTE OFFICE M デジタル機器の収納スペースを確保した他、電車移動を考慮した縦長フォルムに仕上げ、現在のワークスタイルに馴染むデザインをさまざまな角度からアプローチ。「YKK」製の止水ファスナーを搭載することで、急な悪天候に見舞われても安心して使用できる。¥26,000+TAX

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