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このバッグは必要か。 モノリスをいち早く見出した関西のキーマンたち。
MONOLITH & 2 SPECIALTY STORES

このバッグは必要か。
モノリスをいち早く見出した関西のキーマンたち。

今年11月にローンチしたばかりのバッグブランド〈モノリス(MONOLITH)〉。この新プロジェクトのタクトを振るうのが、PRディレクターとして第一線で活躍する中室太輔さんです。彼のアイデアから生まれたアイテムはベーシックな佇まいでありながら、バッグを愛するツウも舌を巻くほどハイスペック。「このコレクションをより多くの人に知ってもらいたい」と、中室さんが関西を代表するセレクトショップ「シルバー アンド ゴールド 梅田」と「ロフトマンコープ 京都」での取り扱いを切望。手厳しいバイヤーたちによる見極めを経て、両店では充実した品揃えの〈モノリス〉が手に取れます。1stシーズンでラインナップの中から数多くのモデルを扱う理由、今後期待するブランドの在り方などに迫るべく、中室さんが大阪と京都へ来訪。それぞれのバイヤーとの会話から〈モノリス〉の魅力を紐解きました。

PROFILE

中室太輔

ファッションを中心にさまざまなブランドのPRを手掛けつつ、ブランディングや企画の分野でも手腕を発揮する「ムロフィス」の代表。確かな審美眼と真摯に話す姿勢にクライアントからの信頼が厚い。

毎日の生活に寄り添ってくれる
永く愛される存在になって欲しい。

LOFTMAN COOP KYOTO
1階にオーセンティックな日常着、2階にアルチザンなデザイナーズを配置。両フロアを行き来することで体感できる、ライフスタイルに根差した新しいカジュアルを提案してくれます。2020年12月20日(日)まで〈モノリス〉のポップアップストアを開催。同ブランドの全ラインナップが実際に触れられます。
住所:京都市中京区寺町通蛸薬師下ル円福寺前町280
電話:075-212-5352
時間:12:00~19:00(土日祝11:00~20:00)
オフィシャルサイト

PROFILE

木村 真

大阪に3店舗、京都に4店舗を構える「ロフトマン」の代表取締役社長。バイイングの統括を担当するだけでなく、全店舗の運営や今後の方向性も指揮を執る同ショップの頭脳。

PROFILE

岩下千尋

長崎から入洛してアルバイトからキャリアをスタート。現在は店長兼バイヤーとして後輩スタッフの育成を任される他、まだ見ぬ国内外の “おもろい物” にアンテナを張る毎日。

中室:〈モノリス〉をみなさまに知っていただくにあたり、やはり自社のECサイトだけでは限界がありました。そこで、服好きの方に製品の魅力を余すことなく届けてもらえる「ロフトマン」さんで取り扱っていただけないかと。先にプライベートでも親交のあった岩下さんにお声がけさせてもらったんです。

木村:岩下から相談を受けて〈モノリス〉のことを知ったんですが、実際にサンプルを拝見したのは2回目のミーティングでしたね。

中室:そうですね。木村さんは過去にバッグブランドの別注を手掛けたり、アウトドアのカバンを60個所有されてたりと、カバンが大変お好きな方だと聞いていました。サンプルをお見せしたときもいろいろとリクエストをいただき、「これは難しいプレゼンテーションになるな(汗)」と思ったんです。ただ、それだけバッグを愛する人だからこそ、改めてパートナーシップを結びたいという気持ちが強くなりました。

木村:ありがとうございます。〈モノリス〉のサンプルを拝見したとき、まずはどのブランドとも被らないという印象でした。ウチは大阪と京都に7店舗ありますが、その中でも「ロフトマンコープ 京都」は “高機能デイリーウエア” がキーワード。ロゴが主張するわけでなく、バッグとしてのクオリティが純粋に高いので、当店のコンセプトに沿った物づくりだなと共感できましたね。また、ランドセルの〈セイバン〉が手掛ける、職人気質をベースとしたバックボーンにも惹かれました。

岩下:自分は中室さんからサンプルを見せてもらった時に、販売員としての技量が試されるバッグだなと。多彩な機能が凝縮されているので、お客様にあらゆる提案ができるアイテムだと思いましたね。

中室:サンプルをお見せしたときに印象に残っているのが裏地のことなんです。こちら側から説明しないと分からないディテールを真っ先に指摘していただいて。

木村:裏返しても自慢できるバッグはなかなか存在しないですからね。表側だけ綺麗につくっていても、「荷室を開けてなかを見ると残念やな」と思うことはよくあります。その点〈モノリス〉は裏地だけじゃなくて縫製や素材使いも絶妙。デザイン先行型ではなく、街で使いやすいバッグに仕上がっているなと。やっぱりファッションはバランスだと思うんですよ。〈モノリス〉はデザイン、ディテール、プライスのすべてが良いバランスで調和しているバッグですね。

中室:小っ恥ずかしいですね(笑)。木村さんが言われた通り、デザイン面においては足す部分と引く部分の議論は入念に重ねました。一番気を付けたことでもあります。

岩下:ロゴやタグが表面に出ていないのも好きなんですよ。ブランドありきの物ではなくて、物ありきのブランディングってカッコいいですね。

中室:織りネームをどこに付けて、ロゴをどこに見せようかというのは、企画段階の一番最初に「見せない」と決まっていたんです。

木村:いままで色々なカバンを見てきたので、10分くらい触れると「これは使い勝手が悪いな」というのが分かるんです。ただ〈モノリス〉はそんな製品が一切ありませんでした。しかも型数が31も展開されているなんて、立ち上がったばかりのブランドとは思えないほどの充実っぷり。〈セイバン〉の意気込みが伝わりますよね。

中室:良かった、SKU(ストック・キーピング・ユニットの略。受発注の管理を行うときの単位)を減らさないで(笑)。

木村:なかでも “2WAY PRO” が気になりましたね。ここ最近はショルダーの需要が落ち着いていて、3WAYバッグでもリュックメインのアイテムが好評なんですよ。自分も3WAYバッグは所有していますが、最近はショルダーとして使っていないですね。ストラップはどこ行ったか分からへん状態ですから(笑)。

岩下:いまはビジネスマンもどんどんカジュアル化していますし、〈モノリス〉の2WAYバッグはブリーフケースだけど自転車通勤で背負え、さらにトラベルシーンでも使えるほどの大容量も魅力ですね。

中室:“2WAY PRO” はMサイズで18L、Lサイズで25Lもあります。自分はヘルニア持ちなので、身体のバランスが崩れるショルダーバッグはあまり使わないんですよ。2WAYをデザインしたのはその理由です。先ほど岩下さんから自転車通勤の話が出ましたが、京都は自転車文化が発達していることもあり、〈モノリス〉が受け入れられる土壌があるのかなと勝手ながら思いました。

木村:それはあると思いますね。学生の街で自転車に乗ってる人が多いんで。京都市内の道路は碁盤の目になっていて、さらに盆地で急勾配が少ないんで走りやすいんですよ。レンタサイクルも盛んで、観光客の方が乗り捨ての自転車に乗っているのをよく見かけます。

中室:鴨川周辺を走るだけで気持ち良さそうですね。その他で「ロフトマン」さんのお客様にとって、〈モノリス〉はどの部分が響くと思いますか?

岩下:先ほど言った機能面はもちろんですが、永く使っていただける耐久性だと思います。1年使ってみて壊れたけど、パーツ交換できないのは厳しいですからね。〈モノリス〉はアフターケアも万全なので、服を永く愛用される当店のお客様にはぴったりかと。

木村:自分自身、哲学がないもんに興味がなくて。ブランドの持つ背景をお伝えして、お客様に共感していただたうえで購入してもらいたいんです。ぼくが入社したのは25年前。その時のお客様はいまでは40代オーバーになっています。昔はアウトドアブランドのバッグを使っていたけど、もう一つランクが上のカバンを探しているそんな方におすすめしたいですね。

中室:いろいろと協力いただきありがとうございます。

木村:ただ難しいのが急激に伸びると、一過性のものになってしまいますから。現場のスタッフにはいつも「ブームを作るな!」と言っています。〈モノリス〉はブランド自体が前に出過ぎないという、中室さんと〈セイバン〉のブランディングがしっかりされているので安心しています。PRはちゃんとするけど、「どこで手に入るんやろう」って服好きの心をくすぐるブランドであって欲しいですね。京都の居酒屋にもそういうお店があって、入り組んだ路地にあるんですが看板がなく。でもトビラを開けると満席っていう。いつまでも愛されるサザンオールスターズのような存在になってくれるのが理想です(笑)。

岩下:当店でセレクトしている〈コモリ〉などのシンプルな服との相性が良さそうですし、逆に全身がアウトドアブランドでも〈モノリス〉を背負うだけで全体を中和してくれそう。

中室:ありがとうございます。すごく勉強になります。「ロフトマン」さんは我々のような新ブランドから、お取引のオファーはよく届くんですか?

木村:年間を通すと300以上のブランドさんから依頼いただくのですが、実際にお取引をスタートするのはほんの一部なんです。ただトビラが開きにくいぶん、一度開くと最後までお付き合いしたいというのが当店の考えで。おこがましいですが、新しいアイドルを発掘する気分なんです。秋元 康的な(笑)。ぼくらの元を巣立って卒業する日まで、ブランドを伝える側として精一杯お手伝いしたい気持ちです。

中室:留年、また留年で「このブランド、なかなか卒業しないな」と思われるかもしれませんが、今後とも末長くお付き合いできれば嬉しいです。

BACK PACK PRO L 木村さんが「裏返しても絵になる」と注目した裏地には、420デニールナイロンのエコファブリックをセット。強靭な表地とのダブル構造により、フォルムを美しくキープして堅牢性を高めた。その裏地は一回り小さなMサイズにも採用されている。¥40,000+TAX

2WAY PRO L あまり使用しないショルダーを取り除いた、背負う、持つの動作に特化した潔い2WAYデザイン。衣類が収納できるファスナーポケットが備えられ、トロリーバッグと連結できるジョイントを背面に配置。日常やビジネスだけでなく、旅のシーンでも存在感を発揮する。¥44,000+TAX

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