新しい組み合わせが見つかったときの楽しさをもっと広めたい。
ー 実際に履いていて、〈レッド・ウィング〉の魅力はどんなところにあると思いますか?
阿部:意外とスタイルを選ばないところではないでしょうか。むかしは「〈レッドウィング〉にはデニムを合わせないといけない」みたいな、暗黙のルールのようなものが存在したと思うんです。でもそういったルールや固定概念に縛られずに自由に履いてみると、意外とどんなスタイルにもなじむんですよ。
ー たしかに今日の阿部さんのスタイルを見ていても、いわゆるヘビーデューティな組み合わせではなく、細身でどこかモードな雰囲気のコーディネートにもマッチしていますね。
阿部:ぼくが好きなブランドでも、細身の服にブーツを合わせたスタイリングを提案していて、そうしたファッションブランドの影響が強いです。〈レッド・ウィング〉って足首の履き口がすごくスマートだから、細いパンツと組み合わせても裾の中にきちんと収まる。だから変に足元だけボリューミーになったりせず、ナチュラルに組み合わせることができるのかなと。
〈レッドウィング〉といえばアメリカのブランドだし、アメカジ系のアイテムと相性がいいというのはもちろんなんですけど、そうした固定概念を取り払って新しい組み合わせが見つかったときの楽しさをもっと広めていきたいとぼくは思ってます。いまのストリートファッションではミックスすることがスタイリングの醍醐味だと思いますし、以前『フイナム』の記事で〈ノンネイティブ〉の藤井さんが機能的な服にプレーントゥのブーツを合わせていたように、自由に組み合わせることを自分でも意識しています。
ー ファッション的な要素の他に、実用的な部分での魅力はありますか?
阿部:すごく履きやすいです。とくに「スーパーソール」のクッション性はやみつきになりますよ。アイリッシュセッターも、履きこむことで自分の足の形に合わせてインソールが沈んできて、フィット感が高まります。革のなじみもよくなってきますし、やはり履き込んでこそ生まれるものがそこにあるのかなと。ブーツとの相性で靴づれもでてくると思うんですが、「それもいい思い出」と「#MyOnlyREDWINGS」で投稿されている方もいました(笑)
ー プロダクトとしての完成度の大部分を担っているのが革だと思うんですが、〈レッド・ウィング〉の革の質はすごく高いですよね。
阿部:そうですね。Youtubeでも革の生産について解説している動画があるんですが、〈レッド・ウィング〉のブーツで使用される革はすべて自社工場できちんとした管理のもとでつくられています。本当に上質で堅牢な革なので、本来ならもっと値段が高くなってもおかしくはないんですが、自社工場で一貫してつくっているからこそ、高い品質のものを手ごろに提供できるんです。
ー それもひとつ、大きな魅力ですよね。
阿部:自社工場で一貫して生産しているからこそ、職人たちも同じ意識や目的を持って働くことができますし、そうした想いみたいなものがプロダクトにも反映されているんだと思いますね。
ー 日々のケアはどのようにしていますか?
阿部:汚れが気になったときに、ブラッシングをするぐらいです。ブーツや革靴って「その日の汚れはその日のうちに落とす」みたいなことを言われたりもしますけど、ぼくはあえて粗野に履いています。もちろん長く履くために最低限のケアは必要ですし、そうして生まれるかっこよさもあると思うんです。でも〈レッドウィング〉はワークブーツですし、ラフに履くくらいがぼく個人としてはちょうどいい。このエンジニアブーツも気づいたときにブラッシングするくらいなんですが、革の毛羽立ちがいい感じになってきて、履くたびに愛着が増してきています。