コラボレーションとは?
ー 今回のコラボも、三原さんに〈ジーユー〉からお話があったと思うのですが?
三原:〈ジーユー〉が、まずチャレンジしたいという気持ちがあったんですよね。サスティナブルというトレンドがあって、でもトレンドでは終わらせたくないと。サスティナブルはまだ色々と不確かで、ストーンウォッシュは水を汚くするからプリントにしてみたりとか、再生ポリエステルの方が無駄に労力と時間がかかるから、普通のポリエステルの方がいいんじゃないかとか、サスティナブルをいろいろな角度から考えながら作りました。

オープンカラーシャツ、ワイドテーパードトラウザー 各¥2,990+TAX


ビッグスウェットシャツ¥2,490 +TAX、
(左)オリジナルソールダービーシューズ、(右)オリジナルソールスニーカー¥3,990 +TAX
三原:あと、一般向けの服にはしたくはなかったんです。 例えば、美大生がテーマになっているけど、それは過去の美大生だった自分であり、未来をつくり出す次世代という比喩でもある。そういったメタファーを感じさせるものをテーマとしてやりたいとお答えしました。だから、入り口は割と真面目ですよね(笑)。
ー そこは三原さんの思いがあってのコラボなんですね。
三原:コラボレーションという言葉は、ファッション業界では多い。でも、新しいマーケットを生み出したり新しいものを生み出したりというような、化学反応はほぼ起きてない。名前が先行しているような事例ばかり。嫌な言い方をすると、バズリビジネスですよね。僕は、バズりって情報が燃え上がって一瞬で消えるわけだから、むしろバズっちゃだめだと思います。本質的ではないし、自分のペースを守っているブランドの方が意味があるんじゃないかと。むしろ、バズらないようにしっかりやることの方が重要ですよね。
ー 今回、三原さんと林さんの間で、化学反応は起きましたか?
三原:林さんにオファーしたのも、昔からつくられているものを見ていたし、僕は(三宅)一生さんを尊敬しているんですけど、〈オム プリッセ イッセイ ミヤケ〉の林さんのお仕事もいいなと思ってました。1を聞いて、2、3しか表現できない人と、1しか聞いてないのに10表現ができる人がいるんですけど、林さんは完全に後者だなと。
ー 当日、現場でのお二人の会話はどんなことを話されたんですか?

林:ほとんどなかったです(笑)。
三原:よく例にあげるんですけど、ロシアのバレエ団とイギリスのオーケストラがやった実験があるんです。打ち合わせなしで、バレエ団が10分間踊る演目をつくり、かたやオーケストラは10分曲を演奏する。それをいっせーので、一緒にやるんですけど、奇跡的に意図していないところで、ダンスと音が合ったりするんです。それはお互い情報が少ないなかで、想像を働かせているから。同じように絵コンテ通りになぞって作品をつくっていくと、出来上がった時には僕らは飽きているんですよ。僕も現場でモニターをチェックしながら、すごいすごいと思いながら見ていました。林さんの映像は、ストイックで一コマ一コマ伝えたいものが明確で計算されている。一言でいうと、理にかなってるんですよね。