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イセタンメンズが手がける、知る人ぞ知るラグジュアリーファッションマガジン “EPOCH” とは?
EPOCH MAGAZINE BY ISETAN MEN'S

イセタンメンズが手がける、知る人ぞ知るラグジュアリーファッションマガジン “EPOCH” とは?

「イセタンメンズ」が独自に企画編集を行っているラグジュアリーファッションマガジン『EPOCH(エポック)』。はじめてこの名前を耳にした方も多いと思いますが、実はこちら一部の顧客向けに配布しているファッション誌なんです。海外のモード誌を思わせる誌面はビジュアルのクオリティがすこぶる高く、毎号信念を持ってつくっているとか。今回は、仕掛け人である「伊勢丹新宿店メンズ館」のバイヤー、吉岡裕さんに、そもそも『エポック』とは?のところから、雑誌づくりのこだわり、新しい販促物のあり方まで、いろいろと話をお聞きしました。

  • Photo_Takuma Utoo(Portrait)
  • Text_Ryuta Morishita
  • Edit_Ryo Muramatsu

言葉ではなく、ビジュアルで、自由に解釈を委ねる。

ー まずは、どういった経緯で創刊に至ったのか、当時のお話をお聞かせください。

吉岡:創刊は8年ほど前になるのですが、百貨店として商品を紹介するカタログはすでにありました。しかし、いわゆる切り抜き写真に説明が付いている、みたいなものだと、ラグジュアリーブランドを普段から着ているような感度の高い顧客さまに届かないのではないか、しっかりトレンドも含めて訴えるにはどうしたらいいか。そういう課題があって、それならビジュアルにしっかりこだわったマガジンをつくろうよと。それが発刊に至ったきっかけです。

ー 『エポック』という名前に込めた意味を教えてください。

吉岡:エポック・メイキングという言葉から取っています。エポック・メイキング=新しい時代の到来を決定づけるような出来事。「常に新しいファッション、常に新しい提案を」というところで、名前を付ける会議には多くの方が参加していたのですが、自然とこの言葉に落ち着きました。

ー 当時の『エポック』の誌面を見ると極端に文字が少ないですね。

吉岡:「文字じゃなくて、画で伝える」というのは、いまでも創刊から変わらないコンセプトのひとつになっています。言葉にすると、どうしても解釈が限定されてしまうので。先ほどお話した通り、「伊勢丹新宿店メンズ館」は顧客さまの文化水準がかなり高いので、ビジュアルを見て受け取る解釈はひとそれぞれでいいかなと。そこはむしろ限定せずに、幅を持たせるような見せ方にこだわっています。もちろん年4回つくるなかで、コンセプトの説明をしたり、インタビューを掲載したりというのは、時流を鑑みて随時行ってきました。

ー 誌面で特に気を使っているところはどこでしょうか。

吉岡:見ていただくと分かるのですが、極端な大きさのタイポグラフィを用いています。これはすべてアートディレクター、大橋修さんによるオリジナルのもので、そのシーズン、ブランド毎のイメージに合わせて毎号作っていただいてます。ひとつのブランドにつき4ページほど割いているのですが、全体を通して飽きさせないという点でも、このタイポグラフィが緊張感を持続させる効果は大きいですね。

ー デジタルが進化する時代のなかで、紙のメディアにこだわる理由はなんでしょうか。

吉岡:紙のメディアとウェブメディアでは当然見え方も違ってきます。どちらにもよさがあると思っていますが、紙媒体がどんどん減っていくなかで、『エポック』というマガジンでは、服、モデル、写真、スタイリングなど、究極にこだわり抜いたものを1冊に凝縮して届けたいなという思いがあります。

ー 編集することは分かりやすく伝えることでもありますしね。

吉岡:ファッション業界ひとつとっても新たな情報が日々膨大に生まれ、そのなかから本当に顧客さまに伝えたいことを切り取る、という意味でも一冊にまとめるというのは重要なことだと思っています。

最新号に掲載されたファッションビジュアルの一部。

ー 制作陣も豪華で、皆さん第一線で活躍されている方ばかりです。

吉岡:実は創刊時からずっと同じメンバーでつくり続けています。先ほどお話したアートディレクターの大橋さんをはじめ、プロデューサーの桑原裕介さん、写真家の鏑木穣さん、スタイリストのMIYAMASU YOSHIさん、ヘアのKADOTA EIJIさんなど、皆さん毎回すごい熱量を持って参加していただいて、そこは本当に感謝しているところです。常に「前回よりもいいものを、新しいものを」を目指しています。毎号試行錯誤を繰り返して、最新号で24冊目になりました。

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