No.3 ハイロック

PROFILE
〈ア ベイシング エイプ〉のグラフィックデザイナーを務め、2011年からデザイン業を主体にした、マルチ クリエイターとして活動をスタート。情報サイト「ハイビジョン」を運営し、グッドデザインアイテムや最新ガジェットを発信するなど、幅広く活躍中。キュレーションサイト「ハッチ」ではお眼鏡にかなったプロダクトを紹介している。
Instagram:@hirock_fnd
一般的な意識とすこしだけ異なる! 2つの軸で実践している健康の目的。
健康を目指す理由として挙がるのは、病気にかかりたくない、長生きしたい、というのが一般的な相場。しかし、ハイロックさんの場合、すこし違う角度から健康について考えているようだ。
「ぼくが健康を維持する目的には、2つの軸があります。まずはゲーム感覚。クルマのマフラーを交換したら速くなったり、コンピューターのメモリを変えたら処理速度が上がったり、と自分でカスタムしてスペックを上げるのって、おもしろいですよね。それを踏まえて考えると、健康はいちばん身近なカスタム遊びと言えるんじゃないかな。食べるものを変えたり、運動したりして体調のよさを実感したら楽しくなって、さらなる健康を求めるようになりました。
次にクリエイターとしてつねに最高のパフォーマンスを発揮するため。それはいろんな職業に言えることですけど、とくにクリエイターは心と体のバランスをピークに保つことが大事だと思っています。ひとりで部屋にこもって作業をする時間があれば、クライアントとの人付き合いもある。そんな忙しい日々を繰り返していると心のバランスが崩れ、体調が乱れてしまいます。運動したりストレスを発散したりして、そうならないようにするのが最低限の務め。だから、ゲーム感覚で楽しんでいる〝趣味の健康〞とは別に、プロとして健康でいることを意識しています。心と体が健康じゃないと、おもしろい発想は生まれないはずなので」
健康をキープするには習慣化が必須。そのために心がけている大事なこと。

ハイロックさんと言えば、ガジェットに精通していることだ。どんな最新機器を使って健康管理をしているのか伺ってみると、意外な回答が返ってきた。
「健康のために唯一使っているのは歩数計だけ。毎日1万歩を目標にしていて、それが習慣になっています。スマホのアプリでも歩数を計れるけど、散歩にまで持ち歩きたくないから、あえて歩数計を使っているんですよ。歩くことは、何かと組み合わせやすくて、極端な話、歩きながらだったら食事もできるし本も読める。だからぼくは、デザインの構想と歩くことを複合させて、時間を無駄にしないようにしています。何かに悩んだら歩く、アイデアが煮詰まったら歩く。飽きたらすぐ戻ってくればいいし、気分が乗れば遠出してもいい。思いついたら何も持たず、そのままの格好で出かけられるのがいちばんなんです」
健康につながるもうひとつの日課として、毎朝音読をしているという。声に出して読むことで、記憶力の向上や脳の活性化など、たしかな効果があるそうだ。
「朝は気分が晴れないことが多いですけど、音読がそれを払拭してくれます。せっかくなら学習できた方がいいので、読んでいるのはCD付きの英語のテキスト。習慣になっているから、やらないと気持ち悪くて、仕事のスイッチが入りません。これもまた、時間を無駄にしたくないので、メールを返信しながら、後回しにしていた家事をこなしながら、と〝ながら音読〞を何回も繰り返していて。単純に朝から声を出すと気持ちいいから、騙されたと思ってやってもらいたいです」

原点回帰とも言える健康法を数多く実践するなか、食事にも気を遣っていて、さらにサプリメントも常飲しているそうだ。栄養を気にして購入したものの、長つづきしなかったなんてひとも多いことだろう。しかし、ハイロックさんは長年継続できている。
「いろんな種類を試したけど、効果を実感できて何年もつづけているのが、プラズマ乳酸菌と、ヒュウガトウキという野草のサプリ。10日ほど朝と夜に飲んでみたら睡眠も活力も質が高まり、そのおかげで朗らかになったと感じています。まるで子どもに戻ったような気分。とくに宮崎県高千穂エリアで育った完全無農薬のヒュウガトウキは、あまりにも効果を実感できて気に入ったから、パッケージのデザインをつくらせてもらったほど。海外の処方箋のような英語表記のラベルをつくって、それを貼り付けたピルケースに入れて持ち歩いています」
一朝一夕で完全な健康体になれる方法なんてあるわけがない。ハイロックさんも持続することが重要と感じていて、彼なりのつづけるコツを教えてくれた。
「健康のために酵素風呂とかファスティングとかいろいろ試したけど、習慣化しないと効果は薄く、ただのレクリエーションになっていました。本当に健康を目指すなら、日常でできる簡単なことをつづけるのが大事だと思うんです。だからぼくの場合、持つものや使うものは、かっこいいデザインということが絶対。ものを起点に己を鼓舞して習慣化させることが、ぼくに とって重要なんです」