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足るを知るキャンプ場、水源の森 キャンプ・ランドのすべて。
HOLIDAY IN THE MOUNTAIN.

足るを知るキャンプ場、水源の森 キャンプ・ランドのすべて。

日本一のキャンプ場密集地帯と言われる山梨県の道志村。ここに新たなキャンプ施設が誕生しました。その名も「水源の森 キャンプ・ランド」。総合ディレクションを手がけたのはご存知、〈マウンテンリサーチ(Mountain Research)〉の小林節正さんです。「何を持っていくかより何を持っていかないかを考える場所」というコンセプトは、小林さんが求めるキャンプ場の在り方を表現する言葉。では一体、その理想はどんなところにあるのか? 施設を案内してもらいながら、その想いを語ってもらいました。

  • Photo_Fumihiko Ikemoto
  • Text_Yuichiro Tsuji
  • Edit_Yosuke Ishii

小林さんに案内してもらう、水源の森 キャンプ・ランド。

クラブハウス内に足を運ぶと、そこは天井が高く、広々とした贅沢な空間が広がっていました。特注したという巨大なヘラ絞りの火皿の周りには、それを囲うようにキャンピングチェアが置かれ、中で燃える火を黙々と見つめる小林さん。入り口と反対側の壁には1周13時間に区切られた大きな時計が逆回転して時を忘れさせてくれます。

「クラブハウスに時計があるといいなと思ったんだけど、せっかくキャンプに来てるんだから時間は気にならないほうがいいでしょう。そのときにヴィヴィアンの店先のやつが思い浮かんだんですよ。ちなみにまったく無断でコピーしてます(笑)」

このクラブハウスでは、〈マウンテンリサーチ〉のキャンプギアを筆頭にキャンプ場のオリジナルグッズや、「カウブックス」によって選書された山に関する本、そして小林さんが「どれも美味いよ」と太鼓判を押すフードやドリンクの販売もおこなっています。それに加えてキャンプグッズのレンタルもしているので、足りないものがあったときもひと安心です。

「ここのコンセプトは『何を持っていくかより何を持っていかないかを考える場所』。だからレンタルはどんどん活用してほしいです。なんなら手ぶらで来るのもいいし、普段自分が使わない道具を使ってみるのもときには楽しいですよ。東京からだと2時間もかからない距離だし、宿泊者専用のランドリーもあるから洗濯物をごっそり持ってきて洗って、キャンプを楽しんだあとにそれを持ち帰るってのもなんだかおもしろいじゃない(笑)」

そうやって笑いながらクラブハウスを案内してくれた小林さん。続いて施設のメインフィールドであるキャンプサイトを案内してもらいました。

まず小林さんが紹介してくれたのは、丘の上の眺望が開けた場所に設置されたキャビン。「タイニーハウス・ムーブメントの日本での推奨役を務めている『Tree Heads & Co.』の竹内(友一)くんにつくってもらいました。エアマットと毛布だけあればもうバッチリ!」とのこと。壁側はキャンバスが張られていて、夜になると灯りが外に漏れて大きなランタンのように辺りを照らすのだとか。

「こういうタイプの小屋は壁が木だと室内が暗くなっちゃう。だから白いキャンバスにしてもらったんです。天井の張り方も洒落てるでしょう? 低いところはわざと人が立てないような高さになっているんですよ。せっかく自然の中に来たんだから否が応でも外に繰り出してもらわなきゃって(笑)、そういう設計にしているんです」

鮮やかな芝生が生い茂る「GREEN GRASS SITE」は、抜けた景色を楽しめる場所で、「いいでしょ?(笑)」と小林さんもご満悦な様子。きちんと養生された芝生はふかふかで、歩いているだけで気持ちがいい。ここで寝たらどうなるか? 素晴らしい夢が見られるのは想像に容易いはずです。

写真の奥に見えるのは「DOG RUN SITE」で、1メートルほどの高さの囲いの中で愛犬と一緒にキャンプを楽しめます。これは犬を飼っている小林さんならではのアイデア。

手前は砂利敷きの「OPEN FIRE SITE」。きちんと区画が管理され、通常よりもかなり広く区切られているので、悠々とキャンプファイヤーができます。「石が置いてあって自分たちで好きなように炉を組んで好きなところで焚き火ができるようにしてあります、もちろん直火でね」と小林さん。

キャンプの楽しみのひとつがご飯。わざわざ準備して持っていくのは大変だという人は、事前予約をしておけば、ミールキットも用意してくれます。しかも、東京・赤坂にある完全予約制レストラン「あめつち」とのコラボ。クッカーさえあれば誰でも簡単に調理できるワンパンキャンプ料理です。今回いただいたのは、「鴨肉とほうれん草と白インゲン豆のパエージャ」と、「骨つき鶏もも肉の白ワイン煮」、「イカスミのスペイン風おじや」。どれも極上の味なのは言うまでもありませんが、自然という最高のシチュエーションでいただけるというのは贅沢の極みです。

キャンプ場は道志川に隣接していて、すぐに川へとアクセスできるのも魅力。歩いていると川のせせらぎが聞こえてきて、自分が自然の中にいることを改めて感じさせてくれます。「この川は山からの雪解け水や、沢から合流した水でいつも冷たい。だから綺麗なんですよ」と小林さん。たしかに水の透明度がかなり高くて、水底の岩がくっきりと見えるほど。水辺は飛沫が大気と混ざり合い、ずっとその場所にいたくなるほど柔らかくて気持ちのいい空気が漂っていました。

「ここでは体を温めた直後に川に飛び込めるテントサウナを試用中」

「これが新しく開場しようとしているキャンプサイトです」と小林さんが教えてくれたのは、日当たり良好で広々とした空間が広がるサイト。写真とおなじ面積のサイトが2つあり、片方には「NORDISK CAMP SUPPLY STORE by ROOT」のサポートのもと、「〈ノルディスク〉のいちばんデカいテントとタープを常設で張る予定。この1区画で1組のみ泊まれます。〈F/CE.®〉の山根くんたちがやりたいキャンプ場の形をここでしてもらう予定です」とのこと。もう片方は区画を2つに分けて、自由にのびのびとキャンプができるようにするそうです。

もともとは音楽堂でステージがあった場所にはボルダリングジムを設置。宿泊者は無料で楽しめます。「お客さんもそうだけど、この村に住む子供たちもここに来て遊んで欲しいと思っています。道志から上手い子がでてきたらおもしろいよね!」と笑いながら話します。

「黒板塗装になっているのでルートを自分でそのまま描き込めます。ぼくは手を痛めてしまっていまはできないけど、川上村にあるぼくのキャンプ場のキッチン棟にもおなじものが設置してあって、暇があればチョークでルートを描きながらやっていました。長野で遊んでいたものを大きくしてこっちに持ってきた、という感じかな」

ということで、キャンプ場の施設を隅から隅まで案内してくれた小林さん。再度クラブハウスに戻って、この施設をプロデュースするに至った経緯や、その想いを語ってもらいました。

INFORMATION

水源の森 キャンプ・ランド

住所:山梨県南都留郡道志村馬場5821-2
電話;070-2673-1122
料金:
テントサイト / 1万6,500円、ソロ使用時 8,800円
キャビン/¥1万3,200円、ソロ使用時¥8,800円
Instagram:@campcrew_official
https://doshisuigen-mori.com/#/        

【HOUYHNHNM YouTube】水源の森キャンプ・ランド潜入レポート。マウンテンリサーチ小林さんにもお話を伺いました。

水源の森 キャンプ・ランド

住所:山梨県南都留郡道志村馬場5821-2
電話;070-2673-1122
料金:
テントサイト / 1万6,500円、ソロ使用時 8,800円
キャビン/¥1万3,200円、ソロ使用時¥8,800円
Instagram:@campcrew_official
https://doshisuigen-mori.com/#/         

【HOUYHNHNM YouTube】水源の森キャンプ・ランド潜入レポート。マウンテンリサーチ小林さんにもお話を伺いました。

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