本格始動となる2021SSシーズンのテーマは“COTTON PAN IS DEAD”。
COTTON PAN 2021SS COLLECTION
ー それがまたなぜ公表しようと思ったんですか?
コウジ:今季からちゃんとアパレルブランドとして服作りをしようって思ったんです。そこでいままでのように既製品のボディを使うのではなく”ちゃんと服作りをしていこう!”っていう意思表示として、テーマも“COTTON PAN IS DEAD”としました。これまでの〈コットンパン〉は死んで、新たに再始動するという意味合いです。
ー 気になる今季のラインアップについて教えてください。
コウジ:セットアップ2型とニットTシャツ、あとはキャップが2型でハットが5型。さらにTシャツと続きます。

ー このセットアップはオリジナルで製作されたボディですか?
コウジ:はい! キューバシャツが好きなんですが、なかなか好みの1枚が見つからなかったので自分らで作ってみました。フロントをボタンではなくジップに変えてみたらイイ感じにハマりましたね。
ー この柄は?
コウジ:ライター柄なんですよ。使い捨ての100円ライターがバリバリ好きなんですけど、タバコも電子タバコが主流になりつつありますし、これもいつか無くなるよなぁ…残さなきゃ!って(笑)
ヒカリ:あと好きな人たちがみんなタバコを吸っているので、そこに対する憧れを表現していたりもします。
コウジ:それとぼくもタバコを吸うので、虐げられている喫煙者としての意地とプライドも含まれています(笑)

ー なかなかメッセージ性の強いデザインなんですね(笑)。で、ニットTシャツというのも珍しいですね。これは胸にアートワークが刺繍されているんですね。
コウジ:昔からポケットTシャツが好きだったんですが、左胸にポケットがあるのがずっとイヤで。左手でタバコを取ろうにもスゴく不便だったので、コッチの方が使いやすいのかなあって。そう考えると今回はタバコもキーワードなのかも。信憑性は定かではありませんが、「タバコ喫煙者はコロナ感染から守られる」なんてウワサも耳にしたので、無意識の内に取り入れてしまったのか…(笑)
ー (笑)。何とはともあれ時代の空気を落とし込みつつ、オーバーシルエットでリラックス感のある1着に。Tシャツのグラフィックも今季のテーマに基づいているんですか?
コウジ:そうですね。共通するキーワードは“人の分岐点”。
ー これまで公式サイトでも作品ごとのタイトルはついていても、モチーフについては一切触れていませんよね。
ヒカリ:基本、言ってないですね。なので、みなさんすごい調べてくれます。



ー 今季でいえば「日本を代表するテクノユニット」「1985年結成の4人組パンクバンド」「5つの都市で起きるタクシーでの出来事を切り取ったオムニバスコメディ映画」などなど。この縦長のプリントも珍しいサイズ感ですね。
コウジ:これはVHSのビデオソフトの原寸大サイズになっています。
ー VHSも消えゆくフォーマットですし、バックプリントにセリフが入っているのも新たな試みです。
コウジ:セリフが”これが私の生きる道”的な意味合いだったので、今回はもうセリフごと入れちゃおう!って。ちなみにこのバックプリントは14インチのテレビ画面サイズになっています。

ー たしかに懐かしいサイズ感! 実家の自分の部屋にあったテレビってこんな大きさでしたね。こっちのプリントはまさに21SSシーズンのテーマにかけたデザインですが、CDのジャケットサイズですか?

コウジ:そうです。他にはレコードのジャケットもありますよ、7インチの。最近はレコードが流行っていて若い子も買ったりしていますし、ともに残しておきたいカルチャーなので。

ー そしてこちらは「1994年のアカデミー賞で7部門にノミネートされた、3つの犯罪ドラマが交錯し、全体で1つの円を描くようなユニークな構成の映画」の劇中で、登場人物が持っていたサイフがモチーフになっています。
コウジ:いまや買い物もスマホ決済だったりで、サイフも無用の長物になってしまうんじゃないかと。コロナ禍でなおさらそんな雰囲気だったじゃないですか。
ー 時代の空気感も敏感に取り込まれているんですね。
コウジ:インラインに関してはそうですね。あと今回だと、ちょこちょこ新たなチャレンジもしています。例えばコレとか。

ー これは「宇宙人を管理する機密機関の黒ずくめの男たちを描いたSFアクション映画」に登場する犬ですね。かわいい!
ヒカリ:これまでよりも顔のディテールを描き込んで、より犬っぽさを強調しました(笑)

ー ロゴTシャツもイイですね〜。しかしグラフィックよりもロゴの方が新鮮に感じるというのも〈コットンパン〉らしさというか。
コウジ:そうですね、前シーズンからなんですが、簡素なロゴものもやってみたくて、単色プリントはこれが初かな?
ー ファンとしては、待ち望んだデザインなんじゃないですか?
ヒカリ:そうなのかしれませんが、ロゴはごまかしが効かないから怖いんですよ。
ー ブランドの顔として認識されちゃいますもんね。
ヒカリ:なので、あんまりやりたくなかったんですけどね…(苦笑)

ー (笑)それと帽子もですよね。
コウジ:ハットは個人的に好きだった、90年代の〈アーネット〉をサンプリング。ペラペラな生地を使っていてバイザーもちょっと短めです。
ー キャンプキャップもイイ感じですね。
コウジ:自分が愛用していた〈パタゴニア〉の「スプーンビル」という大好きなモデルに、被りを調整して風で飛ばないようにするなどの修正を加えつつ完成しました。個人的にはすごく好きなんですが、メッシュ生地&なんともいえないカラーリングなので、ちょっと被りづらくはあるかも(苦笑)

ー 今後はもっとアイテム数を増やしていくんですか?
コウジ:とりあえずは現状維持ですかね。
ー さらに規模感が大きくなっていったら、家でプリントするのも厳しくなりそうですね。
コウジ:そうなったらアトリエを借りる必要も出てきそうですが、子供がまだ小さいので、あと2年ぐらいは家でもやってやれないことはないので。
ー それこそ子供向けのワークショップとか開催できたら喜ばれそうですね。お2人自身もお子さんと一緒に楽しめますし。
コウジ:それはイイですね! ちょっと考えてみます。
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