仲良しごっこで終わらせたくないという気持ちが強い。
ー 実際に走ることで、健康的になれているのは感じますか？
岡本：感じますね。前は1日営業をしたあとグッタリすることが多かったんですけど、走ってからは当然ですけど体力がついたし、仕事後の疲れを感じにくくなりました。あとはストレス解消にもなるんですよね。モヤモヤした気持ちがスカッとして、爽快感を感じるんです。
ー 現在はコロナによってグループランをお休みして、それぞれ個人で走っていると先ほど話されていました。でも、やっぱりみんなで走りたいという気持ちは強いですか？
岡本：振り返ると、毎週グループランをしていたのってすごいなと思うんですよ。結構大変だったなぁと、しみじみ。この前「森、道、市場」でランニングイベントをしたんですよ。1年ぶりにみんなで集まったんですけど、みんなの個性が格段に強くなっていて。コミュニティの外でそれぞれが活動をして、軸を太くしていたというか。それによってコミュニティ自体の個性もすごく強くなったと思うし、自由度も増したように感じます。だから毎週集まって走らなくても、いまは定期的にイベントみたいな形でなにかをするほうがいいのかなという気持ちですね。そのほうがみんなの個性が活きるし、おもしろくて楽しい景色が生まれるのかなと思っています。
ー いつでも戻ってこられる家のように「COMMON LANDSCAPE」が存在しているわけですね。
岡本：そうですね。最初は走ることに対してネガティブな人もいましたけど、みんなで集まって走ると、次第に楽しいという気持ちのほうが上回る。サードプレイスってよく言いますけど、本当にそんな感じですね。ぼく自身、ランニングを続ける中でいちばんうれしかったのは、仲間ができたことなんです。ひとりでは絶対に続けられなかったから。走り終わったあとに銭湯に入って、それから飲みに行ってたんですけど、その時間がいちばん楽しかった。そこからおもしろいアイデアなどが生まれたりしたので。いまそれができないのが辛いところです。
岡本：だけど、サークルみたいなノリではなく、ランニングというスポーツに敬意を持った上で楽しんでいます。そういった部分が応援してくれる周りの方々に伝わっているからこそ、「森、道、市場」からイベントのお誘いをいただけたんだと思います。
ー 先ほど話されていたように、あくまでピュアな表現をするためにランニングがあって、そうした目的がブレずにキープされているところが、「COMMON LANDSCAPE」の強みであり魅力なのかなと思います
岡本：そう思います。コミュニティ内にはフォトグラファーがいれば、広告系の人もいて、理容師であるぼくの目線からすると、単純に自分が知らない世界で生きている人たちがたくさんいるんです。それってすごく刺激的なことだし、そうした人たちとのコミュニケーションを通じて救われることもある。だから、ただ単に走るだけではないんです。
ー 「COMMON LANDSCAPE」として、今後の目標はありますか？
岡本：「COMMON LANDSCAPE」は誰のものでもないんですけど、だからといって誰でも走れるわけでもない。そのバランスが難しいところですね。スタートしたときは、よりピュアな表現を求めて走りはじめて、次第に共通言語があることに気づきはじめた。だから表現に対する欲求が必要なんです。その方法はなんでもいいんですけど、変な身内感もなく、表現の多様性に富んだコミュニティとして機能できるようにしたいですね。
ー ひとりのランナーとして、岡本さんが抱いている個人的な目標を最後に教えてください。
岡本：興味のある土地のフルマラソンに出たいと思っています。いま4時間くらいなんですが、サブ3.5の景色が見たいですね。あとはトレランにもチャレンジしたくて、いつもロードで走っているので、山で走るのがすごく新鮮なんですよ。走り方もちがえば、ギアもちがうし、知らない世界がそこに広がっていることを感じます。走りながら余計な考え事をする暇もなく、体と向き合うじゃないですか。それってぼくがテーマに掲げている“Health”にかなり通づることだと思うので、近々チャレンジしたいと思っています。
