ミリタリーを現代的に解釈して提案しているブランド。
ー 以前、〈アヴィレックス〉の古着を扱っていたと聞きました。
奥冨: フライトジャケットを買い付けていましたね。ミリタリーアイテムって、年代によって雰囲気が変わるんですよ。確か「BOY」で扱っていたのは2000年代くらいのものだと思うんですけど、独特の雰囲気がありました。古ければなんでもいいというわけではなくて、着るときのタイミングや時代のムードとマッチするかどうかが割と重要で。恐らく〈アヴィレックス〉も年代によって変化があると思うので、いろんな年代のものを見比べて、変遷を調べてみたいです。長い歴史の中で都度、グッとくるポイントっていうのがあると思うんですよ。


プリントやパッチワークを至るところに配して、“RECON(偵察部隊)” のデザインを取り入れたレザージャケット。撥水加工を施した柔らかなシープレザーを使用し、細身ながらも着やすく動きやすいのが特徴。¥81,400
ー 〈アヴィレックス〉に対してはどんな印象をお持ちですか?
奥冨: 「BOY」から近いということもあって、渋谷の〈アヴィレックス〉のお店の前をよく通っていたんですけど、ショーウィンドウを眺めたりしながら、その都度ミリタリーのトレンドを追いかけるみたいなことをしていました。ミリタリーって明確なトレンドの傾向があると思っていて、MA-1が流行ったのもここ10年くらいじゃないですか。それで〈アヴィレックス〉のショーウィンドウを見ると、カスタマイズされたMA-1があったり、ワッペンがたくさんついたフライトジャケットがあったりとか、現代的にミリタリーを解釈して提案しているブランドという印象がありますね。ミリタリーというジャンルの中でのトレンドに対して、いち早く反応しているブランドなのかなと。
ー ここ最近、ラッパーたちの間では〈アヴィレックス〉のスタジャンなどが流行っているそうです。
奥冨: へぇ~! そうなんですか? うちのお店にもラッパーたちが来てくれたりとか、クラブで一緒に遊ぶこともあるので、気にしてチェックするようにします。彼らは取り入れ方が上手というか、ファッションでも未開のジャンルに飛び込んでいって、それを自分たちのものにするのが早いし上手いですよね。なので、そういうアーティストたちが〈アヴィレックス〉を気にしているというのはすごく興味深いです。

「いま海外だと、『ブリンク 182』のドラマーがプロデューサーとして人気があって、その周辺から生まれるポップパンクやHyperpopの流れがファッション的に気になっています。このレザージャケットも、2000年代前半くらいのポップパンクを意識して着たらちょっと新鮮に感じられると思って、丈感やボリューム感を意識しながら、あえて少年っぽい着こなしにしてみました」
ー 今日着ていただいた「FLYER’S CAMPAIN」のアイテムはどうでしたか?
奥冨: ぼくは体型的にがっしりしているので、レザージャケットを着たときに革が硬いものだと、どうしても本物のバイカーみたいになっちゃうんですよ(笑)。だからこのジャケットのように柔らかい革を使ったものがよくて、シングルのセンタージップが個人的には好きです。しかもこれは細身なのに動きやすいというのが嬉しいですね。オーバーサイズにしたらなんでも着やすいけど、このシルエットで動きやすいというのがいい。
ー 今回のアイテムはクールなルックスはもちろんのこと、いかにリラックスして着られるか、ということも念頭に置きながらデザインされています。
奥冨: ベストもジャンプスーツも、すごく着やすかったですよ。とくにジャンプスーツに関しては、パッと見たときにサイズが合うかどうか心配だったんです。でも、着てみると全然そんなことなくて、着やすいし動きやすさも抜群でした。アウトドアでもタウンユースでも着れる幅広さも魅力的だと思いますね。あとロンTに関しては、ぼくがこれまでに着てきたものの中でも、過去最大級に生地がタフでした。なので秋冬のインナーとして大活躍するはずです。