どれだけキツくても、走り続けることが大事。
ー 先ほど「いまは走るのが楽しい」と話されていましたが、徐々にそうしたマインドに変化していったんですか?
藤川:そうですね。走るとすごく背筋が伸びるんですよ。それで生活にもいい影響があって、ご飯がよりおししく感じるし、ビールもうまいんです(笑)。

ー 走りたくないという日はないんですか?
藤川:体調が良くない日もあるので、そのときは整体や鍼治療に行ったり、家で体幹トレーニングをしたり、半身浴をしたりして、メンテナンスしてますね。走らない日はカラダと向き合うっていうのを決めているんです。
でも、基本的には走りたい気持ちのほうが強いですね。走っているとプラス思考になって、あまりネガティブな考えに至らない。フィジカルが強くなるのはもちろんですけど、マインドの部分でそうした感覚になれるのが自分にとってはプラスの効果が大きいです。筋トレすると自信がつくって言いますけど、それと似た感じかもしれません。大事なことがある日は朝早く起きて、走ってから行くようにしているほどです(笑)。
ー 体調面で感じることはありますか?
藤川:確実にプラスですね。食べ物も気を使うようになるし、走ったことでビールもちょっとだけにしようって思えるようになりました(笑)。ランニングしたあとにビールをガバガバ飲んで、ラーメンで締めていたらマイナスじゃないですか。むかしはぼくもそうでしたけど…。あとは睡眠の質もよくなって、寝起きもスッキリです。運動して、お風呂に入ってスッキリしたあと、すこしゆっくりして寝るとすごくいいですよ。


藤川:それと、いろんなことを試すのが最近は楽しいですね。たとえば糖質をまったく取らないで走るとどうなるんだろう? ってチャレンジしてみたんですよ。それでいつも通り10km走ってみたら、坂道が辛くて。いつも同じことを淡々とやっているから、そうした変化がわかりやすくなりますね。ビール一本でもあからさまな違いがありますし。
ー 走っててしんどくなることはないんですか?
藤川:ありますよ。トレイルでも辛いときがたくさんあります。だけど、それを乗り越えたときの達成感を知っているんで、つらいけど走るんです。というのも、自分で一度目標を設定して走っていたときに、山で途中で寝てしまったんです。それで起きたときにはメンタルが折れていて、その後後悔しかありませんでした。走っているときのつらさよりも、その後悔のほうがつらい。だからどれだけキツくても、走り続けることが大事かなと思います。
ー 最後に、ランナーとしての藤川さんの今後の目標を教えてください。

藤川:100マイルで出たいレースがあって、それは国内だけじゃなくて、アメリカもヨーロッパでもあるので、それに出場したいと思ってます。それと、ぼくは「Chicken Heart Running Team」っていうランニングチームをやっているんですけど、そこで若い人たちにランニングやトレランの魅力を伝えたいです。トレランって競技人口の年齢層が高いんですよ。だから若い人たちとの交流を増やしてシーンを活性化させたい。楽しいっていうのはもちろんだけど、ルールやマナー、それにもっと気軽なスポーツであることを知ってほしいと思ってます。あとは、ぼくはまだ子供いないですけど、いつか自分の子供と走りたいですね。それが目標です。