PART 1 ユニクロ「UT」のスウェットが寄り添う三者三様の日常。
UT × PEANUTS Sweatshirts
可愛げがあるけど、毒っ気があるキャラクターが好き。
PROFILE
新世代ネオ・ソウル・バンドと呼ばれ、福岡を拠点に活動する4ピースバンド・yonawoでヴォーカルを担当し、ほぼ全ての曲の作曲、作詞を手掛ける。冨田ラボや亀田誠治をプロデューサーに迎えた曲が収録された最新アルバム『遙かいま』が今夏リリースされた。
yonawo.com
ー 普段から〈ユニクロ〉を愛用されているそうですね。
荒谷: はい。今日の私服のTシャツもそうで、村上春樹さんの小説のグラフィックTシャツです。あとは、今日着ているのと絵のタッチは違うんですが、UTのスヌーピーのスウェットを以前〈ユニクロ〉で購入して、今でも着ていますね。
ー こういった可愛いグラフィックもお好きなんですね。
荒谷: 可愛げがあるけど、毒っ気があるキャラクターが好きで、日本で言えばコジコジとかちびまる子ちゃんとか。スヌーピーも一見可愛いんですが、含蓄あることを言っていたりしますし。あとは、yonawoのギターの雄哉に教えてもらったんですが、スヌーピーのクリスマスバージョンのサントラもあって、すごくいいんですよ。
ー 本がお好きで、本を紹介されている記事を拝見したことがあります。
荒谷: 『量子は、不確定性原理のゆりかごで、宇宙の夢をみる』(佐治晴夫 著)ですね。ちょうど今日読み終わりました。哲学者や詩人の言葉を介して、物理学を解説している本でタイトルも面白いなと。例えば音楽と数学や物理学の共通点などがあって、読んでいていろいろな発見がありました。
ー どういった本がお好きですか?
荒谷: 純文学や小説も好きですし、さっき挙げたような理系の本も好きですね。作詞のために本を読んでいるわけではありませんが、読んだ本から歌詞が影響を受けることはあります。理性的な話ばかりではなくて、感情的な話ももちろん好きではあるんですが、どちらかと言えば感情的なものにどっぷり浸かっている状態を俯瞰で見ている状態が好きですね。
ー 高校卒業後、カナダにワーホリで滞在されたそうですね。海外に行くこと、日本や日本語について認識が変わりましたか?
荒谷: 行く前は、最初は曲も英語で作りたかったんです。ビートルズが好きだったのもありますし。でも、実際向こうで英語を勉強していたら、改めて日本語の良さに気づきました。日本語の曖昧さや広がりのいい面を、異国で知りました。例えば、さようならの語源を調べたらびっくりしたことがあって、ドイツ語や英語の語源は「神とともにあれ」という意味合いの言葉が語源になっているそうですが、日本語のさようならは元々は接続詞だったんだとか。「〇〇〇〇〇、さようなら」というそれぞれの別れを、さようならという接続詞で表しているんだと。それが次第に別れの言葉として使われるようになったそうです。
ー 語源を探るのも、面白いですね。
荒谷: それで歌詞とかにも生きたりします。語源を知ったり、新しいことを知ると、大げさに言えばちょっと救われたりすることだってありますから。普段知っていることを改めて調べてみると面白いんですよね。