子供が自由に遊び方を決められるようになっている。
ー そこからどう公園をつくりあげていったんですか?

松尾:最初はシーソーとか、ブランコを設置しようと思ってたんですけど、既製品じゃなくてイチからデザインしてつくりたいっていうのを「DDAA」と一緒に話してたんです。だけど、それをデザインしても、遊具の保証をとるためには「遊具の安全に関する規準」(一般社団法人日本公園施設業協会)」に則りデザインをする必要があって、そうするとコストがとてもかかってしまうのと、多目的に使えるように平場を多くとることにして、一旦遊具を諦めたんです。

ー なるほど。それで地面に高低差をつけて、その場所自体が遊具になるように設計したということですか?
松尾:そうですね。ポジティブな言い方をすれば、ブランコなどの遊具って遊び方が決められてるじゃないですか。だけど、こういう地形的な構造が遊び場になれば、子供が自由に遊び方を決められるようになるんですよ。
馬場:さっき紹介したすべり台になる丘の反対側は、ボール当てにもなったりしてて。子供がそれを自分で発見して遊んでたらいいですよね。そういうのを見てると、親も楽しくなる。敬くんには言ってるんですよ、賢い遊び方をしてる子供がいたら、声をかけておいて、と。それで将来スカウトしようって(笑)。
ー そして、公園に優しい彩りを加えている植物や、「マルヒロ」とゆかりのあるアーティストたちが参加しているところも魅力的だと思いました。



馬場:季節ごとにいろんな植物が育つのを見たくて、地元の西海園芸さんにお仕事を依頼しました。食べられるものを植えて欲しいというのは最初からオーダーしていたんです。花が咲いて、それが散るだけじゃなくて、季節によっていろんな果物やハーブが育つのも楽しいじゃないですか。会長の仕事もできますし(笑)。

馬場:アーティストたちに力を借りたのも、他の公園とちがうことができますよね。デルタと俊太郎くんの作品が見られる公園なんて、日本にないですからね。今後も他のアーティストの方に絵を描いてもらう予定です。
あと、「HIROPPA」のロゴを描いてくれたGOO CHOKI PARさんっていう三人組のアーティストは敬くんが紹介してくれたんですよ。パラリンピックのグラフィックも手がけたりしている人たちで、そうしてまた新しい仲間ができたのもうれしいですね。