ー 〈デサント ポーズ〉の服は日常で着ることを目的にデザインされていますが、今回着てみていかがでしたか?
福永:機能美が上手に表現された服だと思いました。「GORE-TEX」が使われているのに着心地もよかった。いまはフェスとかあまりないけど、そういうシーンでも着たいなと思いました。
ー この服に使われた「GORE-TEXファブリクス」は、環境に配慮してつくられているのですが、そうしたことに関心はありますか?
福永:環境を意識した服って、かなり増えてきましたよね。地球環境の危機って、普段生活していても伝わってくるじゃないですか。台風の勢力が強かったり、変な時期に大雨が降ったりとか。自分のできる範囲で環境のことを考えるって大事ですよね。
ー 社会の動きに敏感なのは、日々いろんなことをインプットしているからだと思います。そうしたことが楽曲制作にも活かされたりするのでしょうか?
福永:曲によるんですが、例えば、映画や漫画、ドラマのセリフから影響を受けたり、キャンプで味わった空気感を音楽で表現したいと思うこともありますね。
ー 日常のなかで楽曲制作におけるアイデアの種みたいなものを拾っているんですね。
福永:すべてがそうというわけではないですけどね。ぼくは音楽を100パーセント仕事だとは思っていなくて。自分にとって楽しむためのものなんですよ。それ自体がインプットの要素でもあるし、アウトプットできる要素でもある。そんな感じなんです。
ー ひとが生きていく上で音楽が必要不可欠かと言われると、そうじゃないですよね。でも、一方ではないと生けていけないというひともいると思うんです。特にコロナ禍になってそうした文化や芸術の大切さを感じたひとも多いと思います。福永さんの場合はどうですか?
福永:誰にとっても表現って必要だとぼくは思うんですよ。それがぼくにとっては音楽で、生きている証明みたいなものなんです。だからやっぱり、ないと生きていけないですね。ぼくが音楽をはじめたのは、楽曲制作をする楽しみを知ったからで、人前で演奏したり歌ったりすることはあまり考えていませんでした。だけど、こういう状況になってやっぱりライブは自分の人生と切り離すことができないものだと実感しました。
ー いまバンドのモチベーションは高いですか?
福永:去年は企画したツアーが中止になったりして、そこから長いトンネルのような時期もありましたけど、これからコンスタントに作品をリリースしたいという気持ちがあるし、10月にはツアーも控えているので、だんだんと高くなってきていますね。
緊急事態宣言が発令されてから配信ライブをやったんですけど、やはりお客さんがいないなかでのライブというのは、気持ちの持っていき方が難しいんですよ。その後、数回ほど有観客でライブをさせてもらう機会があって、お客さんは声を出しちゃいけないとか、いろんな制限があるなかでも、届けるべきひとが目の前にいるだけで全然違うんです。歓声は聞こえなくても、間違いなくリアクションは感じられる。だから10月のツアーは本当に楽しみですね。そこに向けて、いまはただひたすら気持ちを集中させています。