STYLE 1 憧れていた名品は、期待通りの仕上がり。
PROFILE
セレクトショップ「エディフィス」でバイヤーを務めた後に独立し、2015年にセレクトショップ「レショップ」を青山に立ち上げた。他にも、ブランドをプロデュースしたり、コラボレーションを企画したりと現代のファッションシーンを牽引する。
Instagram : @keiji_kaneko
ー こちらは、首周りのリブにフードを挟み込んだ、通称「後付けパーカ」。ヴィンテージの名品が復刻されたものです。
18歳くらいの時にアメカジブームがあって、当時から憧れの的でした。今もオリジナルを探しますけど、とても買える値段じゃないし、見かけることさえほぼありません。そういったアイテムが復刻されるのは、本当に嬉しいです。どちらかと言えば、ファッション的観点と言うより、ノスタルジックな感情。ずっと着てみたかった名品です。
ー 実際に袖を通してみて、いかがですか?
普通のパーカとは首元のフィット感が違っていて、それが醍醐味だと思います。フードを後付けしているからこそ、フィット感をアップデートされていないのがよかった。期待通りの仕上がりに満足です。

ー タグは四方をすべて縫っている、通称「タタキタグ」が用いられていて、デザインとフードに縫い付けている位置も当時のままです。
そういうところに気分が上がります。着込んで変化していく生地の風合いが楽しみなので、タグもどんな経年変化をするのか、期待が高まりますね。

ー ワイドなチノパンでコーディネートされました。
昔のアメカジとは違う、僕なりに考える大人のアメカジをイメージしてみました。王道カラーのパーカーには、チノパンが一番合うと思います。ここにヴィンテージのスニーカーを合わせちゃったら、トゥーマッチな気分。だから、あえて白のレザーのスニーカーを合わせています。キャップもレザーを選び、小物で上質さを演出してみました。
ー 金子さんはパーカーをどのように着こなしますか?
フードの活かし方が悩みどころ。だから、個人的には秋や春に1枚で着たいですね。でも、寒い季節も着たくなるから、その時はインナーを着込んじゃいますね。ぼくは基本的に、パーカーをアウターとして着たいんです。

ー なるほど。もし、後付けパーカの上にアウターをレイヤードしたいという人にアドバイスするなら、どんなものが合うと思いますか?
首元にボリュームがあるアウターだと、後付けしているフードの醍醐味が薄れる気がするので、薄手のほうがいいと思います。例えば、ビッグサイズのテーラードジャケットなら、後付けパーカの魅力が高まるのではないでしょうか。

STYLE 2 フォルムと風合いはそのままに、問題を解消。
ー 着ていただいているリバースウィーブ®︎は、独自開発の素材、ポリプロピレンL.W.Dを採用しています。L.W.Dとは、Light(軽量)・Warm(保温)・Dry(ドライ)の頭文字で、今までにない高機能素材です。
僕の知っているリバースウィーブ®︎と、形は同じだけど、まったく別の着心地。古着だったりすると、どうしても乾きにくいですからね。でも、汗を吸ってくれたり丈夫だったりするので、綿が扱いにくいかと言ったら、そうでもない。ただやっぱり、乾きにくさの問題を解消してくれるのは嬉しいです。従来の柔らかい風合いは変わらないから、動きやすくていいですね。

ー 新しい素材のリバースウィーブ®︎を着てみて、価値観は変わりましたか?
ポリプロピレンを使うなんて想像もしていなかったけど、過去を振り返ってみても、〈チャンピオン〉は常に進化していることを知っているので、ブランドのポリシーを根底に据えたまま、あらゆることにトライしているのは素晴らしいことだと思います。
ー 最初にリバースウィーブ®︎を着たのは、いつですか?
確か、高校生くらい。もともと、リバースウィーブ®︎ではない〈チャンピオン〉のスウェットを着ていたけど、MADE IN USAに憧れて、古着のリバースウィーブ®︎を買いました。当時はジャストサイズでコーディネートするのが主流で、僕は体が細かったから、ゆったりとしたシルエットのリバースウィーブ®︎を着こなすのが大変だったんですよ。いまはトレンドも体型も変わったから、悩まずに着こなせるようになりました。


ー 定番のグレーではなく、ブラックを選ばれましたね。
ブラックのほうが都会に馴染むと思いまして。いつも通りのシャツとデニムパンツの着こなしに、ブラックを合わせるだけで引き締まった印象になります。あと、革靴を履きたい気分だったので、デニムは色落ちしていないリジッドものを選んでいます。ブラックのポリプロピレンのキレイな印象に、全体を調和させました。

ー 確かに、上品な印象です。
裏テーマとして考えたのは、古着好きのお坊ちゃんのイメージ。ようやくイタリア製のレザーシューズを買って、よく分かっていないけど、こればっかり履いている。そして、成長したからデニムパンツの丈が短くて、ソックスが見えちゃっている、みたいな(笑)。育ちがいいから、スウェットの下にシャツを着ていたり、ドレスソックスを履いていたり、そういうちょっとした細工をしても、風変わりに見えないのは〈チャンピオン〉のスウェットがオーセンティックなアイテムだからですね。