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チャンピオンのスウェットと六者六様のオーセンティック。
BACK TO BASICS vol.3

チャンピオンのスウェットと六者六様のオーセンティック。

1919年に創業したアスレチックウェアブランドの〈チャンピオン(Champion)〉。100年以上におよぶ歴史のなかであらゆる名作を輩出し、ファッション好きなら必ず袖を通したと言っても過言ではありません。特に普遍的であり、語る上で外せないのは、スウェットです。チャンピオンの希少なアーカイブスを忠実に再現した復刻ラインTRUE TO ARCHIVESやMADE IN USAのシリーズ、そしてREVERSE WEAVE®シリーズでは新素材を使用し現代的にアップデートされたものなど、たくさんの魅力的なアイテムをリリースし続けています。そんなさまざまな表情を持つアイテムを、ファッション玄人たちはどのように見ているのか。そして、どう着こなすのか。これからの季節に欠かせないスウェットの、新しい価値観を見出してもらいます。

  • Photo_Hiroshi Nakamura
  • Text_Shogo Komatsu (Eiji Katano、Keiji Kaneko)、Tommy (Yutaka Fujihara)
  • Edit_Shun KodaSoma Takeda

STYLE 1 新鮮なデザインと、歴史を感じる素材やロゴ。

PROFILE

片野英児
AG代表

SNSやYouTubeで、ヴィンテージから新作までの洋服や食べ物などの定番品を紹介し、豊富な知識とユーモア溢れるトーク力で人気を集める。愛称は、アニキ。ブランドとのコラボレーションや別注企画も手がけ、新たな定番を追求している。
Instagram : @eijikatano

ー ご着用いただいたのは、90年代に人気だったクラシックフリースをベースに開発した、「9オンス テリーフリース」シリーズのショールカラースウェットガウンです。どんな印象ですか?

僕は、ブランドのディレクションや別注企画をやらせていただくこともあります。その際、ヴィンテージの復刻もいいけど、今の気分に合うものや、これまでにないもの、そしてそのブランドを知るきっかけになるものも作りたいと思っています。このガウンは、その考え方と一緒で、こんな発想があったのか、と思いました。〈チャンピオン〉の歴史を踏まえた生地で、MADE IN USA。でも、当時にはない、新しい形のガウン。そんな驚きがあるから、〈チャンピオン〉の新作が毎シーズン楽しみなんです。

ー 歴史を感じさせつつ、新鮮味もあると。

袖の目玉ロゴ(Cロゴ)って、やっぱりいいですね。そもそも袖にロゴがあるのは、学校や他のブランドがプリントを施すために胸を空けておいたのがルーツだと思うんです。それが今も受け継がれていて、さりげないから気づきにくいけど、見えた瞬間、「チャンピオンなんだ!」って気づけるのがいい。

ー シャツに合わせたコーディネートは、大人っぽくこなれた印象です。

工業製品っぽいマットな色味にグッときたから、モノトーンでまとめてみました。アメリカのブランドを主役にするなら、アメリカらしいコーディネートをあまりしたくないんですよ。逆にヨーロッパのブランドを軸にコーディネートするなら、アメリカっぽくしたい。今日は、イギリスのミリタリーシャツをモチーフにしたバンドカラーシャツに、黒染めのフランス軍M52パンツで合わせてみました。

ー 着心地はいかがでしょう?

〈チャンピオン〉は、オシャレなデイリーウェアであって、家でも着られるくらい着心地がいいから好きなんです。ガウンって本来、リラックスしたい時に着るじゃないですか。これなら、しっかりオシャレできるし、家でも羽織りたくなります。肩が落ちているのが今っぽいし、シルエットも日本人の体格に合うと思います。

STYLE 2 好きな着こなしに合う、特徴的なディテール。

ー こちらは1934年に開発され、1938年に製法特許を取得した最初期のリバースウィーブ®︎を復刻させたスウェットです。最初にリバースウィーブ®︎を着た時のことを覚えていますか?

80年代に、雑誌『Begin』で蔡さん(ライノ代表)が、愛用品を紹介する「10年選手モノ語り」という連載をやられていて、そこで知りました。ぼくも買ってみたけど、蔡さんの私物と全然違って。何度も洗って着込むことで、生地に味が出ることを知りました。いま、ぼくがYouTubeで何度も言っているエイジングの原点はそこにあるんです。

ー そうだったんですね! こちらはヴィンテージを忠実に再現しているだけあって、特徴的なディテールが多いです。

肩に縫い目のない一枚布でつくったシームレスショルダーで、前身頃と後身頃が同じパターン。そこにグッときます。前後のV字ガゼットは、ヴィンテージのディテールとして刷り込まれているけど、深い意味は知りませんでした。

ー V字ガゼットは“汗止め”と呼ばれることもありますが、実際は脱ぎ着しやすいためのディテールだそうです。

ってことは機能美ですよね。洋服のデザイナーがデザインしたものではなく、もともと別の意味があって、結果的にデザインのアクセントになっているということ。色は、公式でシルバーグレーと明記されているけど、ほぼオートミールに見えますね。光の当たり具合で、色味が少し変わって見えます。当時と同じランナーズタグもいいですね。

長年愛される町中華と〈チャンピオン〉に共通項を見出す片野さん。「実際に味わったり、袖を通してみて、『そうそう、これこれ』と思える定番ならではの安心感が似てますよね」

ー 着たときのシルエットはいかがですか?

スウェットはやっぱり洗うことによって、若干縮むんですよ。でも、それが味となっていく。今日は2回洗濯したものを着ています。MサイズかLサイズで、すごく悩んだんですよ。そこまでオーバーサイズに着たくなかったけど、Lサイズを洗ったら、ちょうどよくなりました。Mサイズを洗濯したら、10年前に好きだったサイジングになったと思います。もっと若かったらXLサイズでも良かったかな。

ー かなりサイズ感にこだわっていますね。それをどのように着こなしました?

ガウンのコーディネートと同じように、ヨーロッパの要素を入れました。パンツは、僕が別注で作らせてもらったもの。フランスの軍パンのM47というカーゴパンツと、M52というチノパンをミックスさせています。スウェットの下には、白シャツをレイヤード。スウェットやニットの下に白シャツを着ている、クラシックなコーディネートが好きなんです。しかも、このリバースウィーブ®︎は前身頃と後身頃が同じパターンだから、首元の見え方が独特。後ろから見ると、普通より襟が出ていて良い意味でゆるいバランスがグッときます。

ー 定番品が好きなアニキにとって、〈チャンピオン〉はどんな存在ですか?

ファッションに目覚めた時のときめきを、大人になった今でも呼び起こしてくれる存在です。しかも、ただの懐古主義じゃなく進化していて、刺激を与えてくれます。いつもそばにあって飽きることはない。行列に並ばなくても美味しく食べられて、斬新なメニューもある町中華みたいなものかもしれません。

INFORMATION

ヘインズブランズ ジャパン(株)

TEL:0120-456-042
チャンピオン公式オンラインストア
Twitter: @champion__japan
Instagram: @champion_japan
Facebook: @ChampionJapan

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