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映画『ひらいて』山田杏奈 × 芋生悠 インタビュー自分とかけ離れたものへのそれぞれのアプローチ。
SENSE OF DISTANCE

映画『ひらいて』山田杏奈 × 芋生悠 インタビュー
自分とかけ離れたものへのそれぞれのアプローチ。

綿矢りさの同名小説を原作とし、主題歌は大森靖子が担う本作では、若き恋は人を狂わせる、とでも言いたくなるような主人公の突飛な行動が物語を推進していく。キャラクターへの共感を強く強く求められる現在のエンタメ作品の流れを踏襲しているとは言えないが、人と人が心と体をひらいて通じ合うことの意味を、透き通るようなエモーショナルな映像で描いている。映画の中の住人として、その世界をリアリティを持って体現した、主役・愛役の山田杏奈と恋敵役ながらも愛と不思議と心を通わせ合う美雪役の芋生悠の二人を迎え、その映画に至るまでの道のりをたどった。

  • Photo_Yu Inohara(TRON)
  • Styling_Ayano Nakai(山田杏奈)、koji oyamada(芋生悠)
  • Hair&Make-up_Fumi Suganaga(Lila Management)(山田杏奈)、Chiaki Shioyama(芋生悠)
  • Text_Shinri Kobayashi
  • Edit_Yosuke Ishii

愛のことが理解できない、ところからの出発。

ー 思いつくままに自分の欲に忠実に行動する激情型の愛。山田さんは、この役にどうやってアプローチしたんでしょうか?

山田:愛役に決まる前に、原作の小説を読んだんですが、愛のことがわからなかったんですよね。「愛との戦いの日々でした」というコメントを出したくらい、共感とはかけ離れていました。私は、本来はその役の一番の理解者でありたいと思っているんですが、愛のことが嫌いというか、理解できなかった。

ー 役作りとしては苦労しますね。

山田:ただ、いつものやり方とは違うとはいえ、わからないなりに理解しなきゃいけないので、私も経験したことがあるものとして、愛の暴力性や衝動性を頼りに、それをどう愛として出していこうかという方向で考えました。

ー なるほど。一方、病気を抱えて、静かで受け身というキャラクターの美雪を演じた芋生さんはいかがでしょうか?

芋生:私は逆で、小説を読んだ時に、最初に共感したのが愛ちゃんなんです。でも、本のあとがきを読むと、光浦靖子さんが愛には共感できないと書かれていて、あれ?と(笑)。ネットで調べてみたら、愛ちゃんには共感できないという声ばかりで、おかしいなと(笑)。私としては、愛ちゃんのように、自分の愛し方がわからなくて、それゆえに人を傷つけたりとか、自分が動き出したことにも気づかないくらい、自分が見えていなくて迷っているというキャラクターに共感したんですよね。

ー なるほど。

芋生:愛ちゃん派だったわけですが、いただいた役は美雪だったので、あ、やばいと(笑)。そんなところに、コロナで緊急事態宣言が出て、家で自分と向き合う時間が増えたんですよね。料理や片付けをしたり、花を飾ったりする中で、自分で自分を満たす方法を見出して、ようやく美雪がこういう人なんだんだろうなとわかった気がしました。

ー 偶然にもお二人とも、最初はそれぞれの役に感情移入しづらかったと。役に共感できない時の理解の深め方についてもう少し詳しく教えてください。

山田:演じる役は、全て理解してやるのが当然だと思っていたんですが、愛に関しては通用しなくて、どうしようかなと。高校生という多感な時期ということや、彼女の欲望というものもわかります。でも欲望の向かう先が理解できなかった。おそらく愛自身もわかってないですよね? と監督に聞いたら、山田さんはどう思いますか? と。そんな風にして監督との会話の中で、理解できないと簡単な結論を出すのではなく、もっともっと考えることが必要だと思い至るようになりました。

INFORMATION

映画『ひらいて』

10月22日(金)全国ロードショー

公式サイト:www.hiraite-movie.com
公式Twitter:twitter.com/hiraite_movie
公式Instagram:www.instagram.com/hiraite_movie

出演:山田杏奈 作間龍斗(HiHi Jets/ジャニーズJr.) 芋生悠
   山本浩司 河井青葉 木下あかり
   板谷由夏 田中美佐子 萩原聖人
監督・脚本:首藤凜
原作・綿矢りさ『ひらいて』(新潮文庫刊)
音楽:岩代太郎 主題歌:大森靖子「ひらいて」(avex trax)
©綿矢りさ・新潮社/「ひらいて」製作委員会

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