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FEATURE
映画『ひらいて』山田杏奈 × 芋生悠 インタビュー自分とかけ離れたものへのそれぞれのアプローチ。
SENSE OF DISTANCE

映画『ひらいて』山田杏奈 × 芋生悠 インタビュー
自分とかけ離れたものへのそれぞれのアプローチ。

綿矢りさの同名小説を原作とし、主題歌は大森靖子が担う本作では、若き恋は人を狂わせる、とでも言いたくなるような主人公の突飛な行動が物語を推進していく。キャラクターへの共感を強く強く求められる現在のエンタメ作品の流れを踏襲しているとは言えないが、人と人が心と体をひらいて通じ合うことの意味を、透き通るようなエモーショナルな映像で描いている。映画の中の住人として、その世界をリアリティを持って体現した、主役・愛役の山田杏奈と恋敵役ながらも愛と不思議と心を通わせ合う美雪役の芋生悠の二人を迎え、その映画に至るまでの道のりをたどった。

  • Photo_Yu Inohara(TRON)
  • Styling_Ayano Nakai(山田杏奈)、koji oyamada(芋生悠)
  • Hair&Make-up_Fumi Suganaga(Lila Management)(山田杏奈)、Chiaki Shioyama(芋生悠)
  • Text_Shinri Kobayashi
  • Edit_Yosuke Ishii

後ろ向きにならないために山田、芋生がしていること。

ー 芋生さんは、監督とどんなコミュニケーションを取っていましたか?

芋生:監督とはあまり喋っていません。愛がこういう状態だから、美雪として見守ってあげてって言われて、監督と私で愛を見守っている感じでした。美雪というキャラクターとしても、それでよかったと思います。美雪は、愛にとってお母さんやおばあちゃんのような存在で、愛とはより深いところでつながっていて、愛自身よりも愛のことを知っているはずなので。

ー 美雪は確かに母性というか、愛を受け入れる存在ですね。弱そうで強い。

山田:私はちょっと美雪が怖い(笑)。

芋生:確かに病気で体自体は弱いけど、ちょっとやそっとじゃ倒れない感じ。

ー 愛の突っ走る感じを見ていて、若くて恐れを知らないことって無敵なんだなとも感じました。お二人が無敵とは言いませんが、後ろ向きにならないためにしていることはありますか?

山田:芋生ちゃんの言っていたご飯を作ったりとか、編み物をしたりする日常の時間は、バランスを取るために大切にしています。私は自分自身のことをそんなに肯定的には思っていなくて、昔はもっと一人でも全然生きていけると思っていたけど、最近はそんなこともありません。ためた感情が外に向かないように、料理や編み物で何も考えない時間を作るようにしています。

ー 本当に愛と違って、理性的ですね。

芋生:私は、裸で武器を持たずに立ち向かうスタンスなんですよね。なんとかなるでしょって、何も考えなくてやっていることも多いんですが、それゆえに傷つくこともある。そんな時は、周りにいる自立した人たちに助けられています。依存しないで生きている人たちが周りにいるということが、ありがたいですね。

ー これまた、美雪役とは違う生き方ですね。

芋生:本当に逆じゃない?(笑)って思います。

INFORMATION

映画『ひらいて』

10月22日(金)全国ロードショー

公式サイト:www.hiraite-movie.com
公式Twitter:twitter.com/hiraite_movie
公式Instagram:www.instagram.com/hiraite_movie

出演:山田杏奈 作間龍斗(HiHi Jets/ジャニーズJr.) 芋生悠
   山本浩司 河井青葉 木下あかり
   板谷由夏 田中美佐子 萩原聖人
監督・脚本:首藤凜
原作・綿矢りさ『ひらいて』(新潮文庫刊)
音楽:岩代太郎 主題歌:大森靖子「ひらいて」(avex trax)
©綿矢りさ・新潮社/「ひらいて」製作委員会

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