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Extreme Sauna Trip 偉大なる宮城の韓国式と、福島で見つけた秘境の洞窟。サウナ旅2021秋 Vol.2
MONTHLY JOURNAL Oct. 2021

Extreme Sauna Trip 偉大なる宮城の韓国式と、福島で見つけた秘境の洞窟。サウナ旅2021秋 Vol.2

旅に出たい。我慢はもう限界スレスレだ。コロナが落ち着いたら、鎖から解き放たれた犬のように、どこかへ弾けて飛んでいきたい。ではどこに行く? 漫然と旅するよりは、何か明確な目的があった方が楽しい。そこで編集部が出した答えは、東北のサウナを巡る旅、通称“サ旅”。事前にリサーチしてみたところ、東北のサウナはあまり詳しく紹介されていないようだったが、むしろその方が好奇心をくすぐられる。よし、東北ならではのサウナへ繰り出そう。これは一泊二日で計5箇所、総移動距離1000kmオーバーという、サ旅強行軍の記録だ。

韓国式はこんなにも偉大だった。

汗蒸幕のゆ

宮城県仙台市泉区市名坂字南前67-1
hanjunmakunoyu.jp
料金:¥1,050

「汗蒸幕のゆ」、はんじゅんまくのゆと読む。「はんじゅんまく」と打つと一発で漢字変換されるから、一般常識なのかもしれない。

だが、不見識な我々は、こんなサウナがあることは知らなかった。

石が積み上がったドーム型のサウナは、韓国伝統の温熱療法のサウナをベースに日本式にアレンジしたものだ。

ゲルマニウムを内包するオンドル石が… という説明がホームページにもあるが、つまるところは、このドーム状に積まれた石が遠赤外線を発生させ、石が熱を反射して体を芯から温めてくれる。たしかに、流れる汗の量が尋常じゃない。いつものフィンランド式サウナに比べて、汗の出も早い。そしてこの施設のことばを借りれば、汗が“太い”。その後、水風呂、外気浴というおきまりのコースで、完全にととのう。

サウナーは知っている。深くととのうには、体の肌表面ではなく、体の芯から温まることが重要だということを。遠赤外線のスゴさは、理屈で理解よりも体感する方が100倍もわかる。

ちなみに、あまりに流れる汗の量がすごいので、毎夜閉店後に床のすのこをあげて掃除をしているそうだ。そんなのサウナ愛がなければできっこないだろう。それもそのはず、ここの社長は自ら韓国へサウナ視察に行き、数あるサウナのなかから汗蒸幕しかない、と覚悟を決めて、日本に持ってきたのだという。

黄土サウナ。黄土は調湿作用に優れ、熱を逃がしにくいという特徴も備える。

ロッキーサウナはサウナストーンが山盛りに積まれたサウナを指し、その名の通りロッキー山脈が由来。

ロッキーサウナはサウナストーンが山盛りに積まれたサウナを指し、その名の通りロッキー山脈が由来。

さらにここには、もう2つ、サウナが用意されている。汗蒸幕と同じく韓国に古くから伝わる黄土サウナと、本場フィンランドを追求したロッキーサウナだ。説明すると長くなるので割愛させてもらうが、特徴をあげるとしたら前者は岩盤浴のように寝転んだまま、後者はマイナスイオンに包まれながら、爽快な発汗を感じることができる。個性に富む3種のサウナが体験できる「汗蒸幕のゆ」は、まさしくサウナのテーマパークだ。

ト マンナヨ(また会いましょう)、ハンジュンマク。我々のサ旅は続く。

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