CLOSE
FEATURE
20周年を迎えたネクサスセブンのいまとこれから。
20th Anniversary of NEXUSVII.

20周年を迎えたネクサスセブンのいまとこれから。

〈ネクサスセブン(NEXUSVII.)〉が今シーズンでブランド創設20周年を迎えました。服に対して真摯かつ誠実に向き合ってきた20年の歩みに対し、「常に勉強という意識を持ちつつ、それを楽しみながらやってきた」とデザイナーの今野智弘さんは語ります。そんなアニバーサリーを記念すべく、さまざまなブランドやアーティストとのコラボレーションアイテムがリリースされます。節目の年を迎えた今野さんは、いまどんなことを考え、未来をどう見据えているのか。当記事の前半は〈ネクサスセブン〉のいまとこれからについて今野さんにインタビューを敢行。そして後半には、コラボレーションの目玉のひとつである〈デサントオルテライン(Decente Alterrain)〉のダウンジャケットを共に手がけたアーティスト・Haroshiさんとの対談をお届けします。

モノありきで今回のコラボレーションの企画を考えた。

ー 20周年のアニバーサリーということで、コラボレーションも豪華ですね。

今野:〈ギミーファイブ〉からスタートし、〈ループウィラー〉、〈コアジュエルス〉、〈ディッキーズ〉、〈グレゴリー〉、〈コンバース〉、あとは〈バズリクソンズ〉や〈デサントオルテライン〉とアーティストのHaroshiくんと一緒につくったアイテムもありますね。年末には隠しダネも。

ー 錚々たるブランドやアーティストと一緒にやられていますが、どれも〈ネクサスセブン〉とゆかりがあるということですよね。

今野:そうですね。こういう時代になって、後世に物を残すことを意識するようになりました。いまの自分がつくりたいものを、より一層磨きをかけてつくってくださる方々にお願いをしたいと思ったんです。たとえばフライトジャケットをつくるとしたら、細かなディテールにおいて自分が追いつけないものづくりをされている〈バズリクソンズ〉にお願いをしたいなと思いました。他にも〈ループウィラー〉の鈴木諭さんと出会って、スエットというアイテムの見方が変わり、そうした方と一緒にこの先20年着られるアイテムをつくりたかった。そうやってモノありきで今回のコラボレーションの企画を考えました。

ー それぞれのコラボアイテムのポイントについてお伺いしたいのですが、まずはいまお話にあった〈ループウィラー〉のパーカからお願いします。

NEXUSVII. × LOOPWHEELER COCOON ¥53,900

今野:「ループウィラーライト」という春夏向けの薄手の裏毛生地を2枚合わせてつくりました。もともとダブルフェイスのパーカって古着市場でも存在するんですが、フルジップでなおかつブラック、そしてサイズ感のいいものはいまだに出会った事がないので。だからいずれつくりたいなと思っていたアイテムなんです。

ジップに拘ったり、リブもミリタリー仕様の丸編みにして綺麗に落ちる感じに仕上げました。あとはポケットもボクシンググローブ型にしたりと、細かな部分で〈ネクサスセブン〉らしさを取り入れました。20年後も着られるものを意識して、ボロボロになってもかっこいいアイテムをつくりたいと思ってデザインしたものです。

旅行のときにすごく便利で、余計なアウターを持っていかなくて済むんですよ。西海岸によく行ってたんですけど、ボロボロのダブルフェイスのパーカをよく持ち歩いていて、それはプルオーバーだったので前開きにして脱ぎ着がしやすいのと、通気性も考慮したデザインになっています。またモデル名の「COCOON」の通り、“繭”に包まれた様な着心地も体感できます。

ー 続いて〈ディッキーズ〉のパンツはいかがでしょうか?

NEXUSVII. × Dickies FLIGHT CHINO PANTS ¥27,500

今野:60年代後半から70年代頃まで〈ディッキーズ〉が軍に納入してたチノパンがあって、それを古着サミットでご一緒させてもらっている「Mr.Clean」の栗原(道彦)くんのところで購入したことがあるんです。そのタグを使って、今回このアイテムをつくりました。ミリタリーアイテムなので、当時の軍モノのディテールを移植させようと思って、K2シリーズと呼ばれるツナギのパンツの仕様を取り入れました。

ー 〈ギミーファイブ〉のTシャツとスエットに描かれているのはどなたですか?

NEXUSVII. × Gimme Five T-SHIRTS ¥13,200, SWEAT ¥26,400

今野:グレゴリー・アイザックスというジャマイカの歌手で、ラヴァーズ・ロックを代表するアーティストですね。〈ギミーファイブ〉と取り組みが決まった際にディック・ジュエルというアーティストの作品を使いましょうということになり、こちらも彼の写真がベースになっています。それをもとに、いつも人物シリーズを手掛けてくれているNABSFというアーティストにグラフィックを描いてもらい、今回のプリントが完成しました。

素材としては吊り編み機で編み立てた生地を使って、当時〈スプルース〉というメーカーの縫製を意識してつくりました。ヴィンテージのベートーヴェンのスエットで有名なあのボディですね。それを今回意識しています。

ー こちらのミッキーマウスのアイテムはいかがでしょうか?

NEXUSVII. × MICKEY MOUSE T-SHIRTS ¥13,200, SWEAT ¥26,400、PARKA ¥28,600

今野:ぼくが服を意識するようになったのは中学生のときなんですが、そのときからさまざまな流行り廃りを見てきて、自分の通ってきたものを振り返ったことがあるんです。それでこのスタンディングポーズのミッキーマウスがプリントされた古着を思い出して、当時それを着て自分も渋カジを意識していたなとしみじみ思ったんですよ(笑)。

これはその古着をバージョンアップさせたものです。もともとミッキーのスエットにはポリ混でラグランスリーブのものが多いんですけど、生地は吊り編み機で編み立てて、そこにウールフェルトでミッキーを表現して、最後にダメージ加工を施しています。スタンディングポーズのミッキーのなかでも最高峰のものができあがったと自負しています。

バックプリントの“X”は20年前から使っているモチーフです。〈ネクサスセブン〉のブランド像をどこかミステリアスにしたかったんですよ。数学の方程式でも、解読したい数字に“X”の文字がつきますよね。それと同じように謎の存在でありたいなと思ってつけたものです。それに加えて“X”には仲間を意識するマークでもあって、ネクサスという言葉も「人の繋がり」や「絆」という意味があって。“X”はダブルミーニングになっています。

INFORMATION

V.E.L.

住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷3-52-5-1F
時間:12:00~20:00
電話:03-5771-4774
nexusⅶ.jp

このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事#NEXUSⅦ.

もっと見る