PROFILE
テレビディレクターとして活躍し、現在はフリーランスディレクターとして活躍する三谷さんが、お笑い芸人や著名人、一般人を問わず、毎回一人の“人生”について深く切り込むチャンネル。今年はこれまで出演したゲスト同士による対談企画なども行われた。
YouTube『街録ch〜あなたの人生、教えて下さい〜』
Twitter：＠3tani34ro
Instagram：＠3tani34rou
登録者50万を後押しした3つの波。
ー YouTubeをはじめられたキッカケはなんだったんですか？
フリーのテレビディレクターを4、5年やってたんですけど、基本は受注仕事なんですよね。最初はいろんな人からお仕事をいただけて嬉しかったんですが、結局自分のつくりたいものをつくれるわけじゃなくて、楽しくないなと思ってたんです。それで自分の好きなコンテンツがつくれるYouTubeを始めてみたっていう感じですね。
ー 今年、チャンネル登録者数が50万人を突破しましたが、記憶に残っている動画はありますか？
どの方のお話も印象深いんですが、チャンネル登録者が伸びたタイミングは、3回あって最初がバッドボーイズ佐田さんの回です。そこで一気に1万人くらい増え、数日のうちに10万人増え、登録者数が20〜25万人くらいになりました。当時から佐田さんはYouTubeで成功されていて、チャンネル登録者が40万人くらいいたのかな。そのファンの方たちがぼくの方もチャンネル登録してくださったのか、すごくありがたかったです。
次は、和歌山カレー毒物事件 林眞須美死刑囚の長男さんが出演してくださった回ですね。
ー あれは衝撃的でした。これまで報道されていた事実とまったく違う方向からの声が聞けて、考えさせられる回でした。
ぼくもそうでした。これまで事件についてちゃんと調べたこともなかったし、調べれば調べるほど「おかしくない？」って疑問が湧くとは思ってもみなかったです。そもそも林眞須美さんにお子さんがいたかどうかも知らなかったので。ぼく自身インタビューしながら、胸が締め付けられるというか不思議な感覚がありましたね。
ー 普段の「街録チャンネル」とは異なるルポ的な切り口が印象深かったです。
後日、長男さんにお話をお伺いしたんですが、動画がアップされた時は批判コメントがいっぱい書かれているんじゃないかと、コメント欄が怖くて見れなかったそうなんです。だけど、ご友人の方に「意外と好意的な意見が多かったよ」というの聞いてから、コメント欄を見たら励ましの声も多くホッとされたそうで。その後、長男さんからぼくに「出演させてもらって良かったです」と言っていただけたのは素直に嬉しかったですね。
登録者が伸びたって事実だけじゃなくて、多くの人に事件を見つめ直すきっかけを与えられたのが良かったです。
ー ほんとに風化させてはいけない事件ですね。
そうですよね。それで第三波が、元オウム真理教の上祐（史浩）さんです。長男さんの話を聞いてから、ぼくのなかでも考え方が少し変わって。日本中からバッシングじゃないですけど、一方向の目線で見られている方の生の声を聞いてみたいと思うようになったんです。それは、見てる方もきっと興味あるんだろうなと。
オウム事件の報道が過熱していた当時、ぼくはまだ子どもで、「こんなに世間を騒がせているんだから、きっとヤバい人たちなんだろうな」っていう風に思ってたんです。だけど、大人になって考えてみたら、なぜあの教団に入り、どうやって成り立って、あの凶行に至ったのかってことを知らないなと思い、「話を聞かせてください」と上祐さんにコンタクトを取りました。なので、長男さんにお会いしてなかったら、こんなこと考えないままだったかもしれないです。
チャンネル登録者が増えた大きなポイントはその3つだと思いますね。とはいえ、出演いただいたみなさんのおかげでここまで来れたと思いますし、どの人の話も印象深いです。
ー その一方で今年は、芸人さんもたくさんご出演されてましたよね。
あれは東野さんのおかげですね。よくわからない小さなチャンネルだったのに、東野幸治さんっていう誰もが知る超一流お笑い芸人が出てくださったおかげです。今年は芸人さんに限らず、たくさんの芸能人の方に出ていただいたんですが、やっぱり一般の方のお話もおもしろいし、ちゃんと届けたいんですよね。たまに「芸能人の回はいらないです」っていう意見をいただくこともあるんです。でもいろんな人が出てみたいと思えるチャンネルになるためには、誰でも知っている人が出てるから安心してもらえるんだと思っています。
