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点は線に、やがて面となる。The TINY INNから始まる、福生の街づくり。
May change the town.

点は線に、やがて面となる。
The TINY INNから始まる、福生の街づくり。

米軍横田基地のある街として知られる、東京都福生市。街を横断する国道16号線すぐ近くの一角に、「カーライフサービス多摩車両」が手がける宿泊用タイニーハウス「The TINY INN」があります。隣接する「Delta EAST」という施設には、フードトラックやスケート用のボウルがあり、どこか異国情緒あふれる空間です。この2施設の企画・運営を担うNPO法人「FLAG」副理事の佐藤竜馬さんは、食、宿泊、カルチャーなどを通して、福生の街に新しい風を呼び込もうと奮起しています。佐藤さんを軸に、街づくり文化と食文化を築いてきた、憧れの偉大な先輩二人とともに福生の街の未来について考えてきました。

信じていなかったSNSが呼び込んだ新しい人たち。

ー 佐藤さんは「The TINY INN」と「Delta EAST」を通して、これから福生をどう盛り上げていきたいですか?

佐藤:現状、やはり東京都心に経済の中心があります。「The TINY INN」は福生という街のなかに泊まる経験を通して、まずは福生を好きになってもらう手がかりになってほしいと思ってつくりました。黒﨑さんが手がけられている石川県の「TAKIGAHARA FARM」みたいな、ローカルな場所に海外から人が移住して、集まってくるようなプロジェクトのきっかけになればいいなと。

ー その「TAKIGAHARA FARM」の現状を、改めて黒﨑さんにお伺いしたいです。

黒﨑:石川県の山奥にあるんですけど、農業を軸にした新しい暮らしを探求している場所です。宿泊所などもあって、ここに外国人が15人ぐらい住んでいるんだよね。招待したわけではなく、物価が安くて食べ物は美味しいうえに、環境がいいということで来ている。日本人も合わせて30〜40人がその限界集落に住むようになって。農園があり、次第に泊まれる場所をつくったり、美味しい料理を提供したりとか、そういうものをつくれる人がいる。面白いやつがいっぱいいるわけ。ちょっとしたもので、来たら多分びっくりすると思う。

佐藤:「TAKIGAHARA FARM」もそうですが、田舎だからイケてないという考えは変わってきて、ローカルを含めた2拠点生活をする人も増えたりと、次第に世の中も変わってきましたよね。「そんなところからはるばる来てくれたの?」って驚くような人たちが、実際に福生には来てくれているんです。ヒップスタイルも福生のDNAなのでもちろんいいんですけど、新しい人がどんどん来てくれないとやっぱりしょうがないのかなと。

佐藤:実はこれまでぼくは、InstagramなどのSNSはまったく信じてなかったんです。でもTikTokで、女の子が福生の駅で降りて、国道16号を歩いてこの場所まで案内してくれている動画なんてものもあって。それを観て世田谷から来ましたとか、友達のInstagramにちらっと映った看板を写メして調べて来ましたとか、いままで福生には来ないような人たちが来てくれるようになったんです。そういうコミュニケーションの時代になってきていることを実感しています。

黒﨑:情報の取り方が昔といまでは全然違うんだよね。若い子はテレビを全然観ていなくて、TikTokやInstagramだとか。だから、若い子を入れて引っ張っていってもらうとか、力がある言葉でブログを書ける人がいたらいいですよね。あとは毎月何曜日に何かテーマをつくって、人を集めて情報を拡散してもらうとか、いわゆるテレビ広告とは違うやり方はできるんじゃないかなと。そういうことをポッドキャストとかで定期的に出していくと面白そう。

佐藤:面白そうですね。ぜひ、ぼくらもチャレンジしたいです!

中島:たとえばね、アメ車(アメリカ車)に乗っている人を、100台とか福生の街に集結してもらおう。車じゃなくてもいいし、集まってくれるのであればバイクの人たちが集まってくれる、でもいい。ほんとにかっこいいことをやって、注目される街にしたいし、していこうよ。

別にぼくは特段ツイストやハーレーが好きというわけじゃないんだよ。福生の魅力のひとつは古きよき時代。絶対言えるのが、いまはリバイバルの時代ということ。福生だけじゃなくて、たとえばハイブランドも含めて、ファッション全体がリバイバル。それで言えば、福生はリバイバルにぴったりの街なんだよね。だから、ファッションとして福生がかっこいい町になるといいし、やっぱり福生はかっこよくなくちゃいけない。

「POTATO AMIGOS」は軽食にぴったりなフードが充実。一番人気のローズマリートリュフケチャップとバターミルクランチのディップが付いたフライドポテト(1,200円)と、ポークがほろほろなカルニタスのタコス(1,200円)をオーダー。

タコスやフライドポテトに合わせたいのが、「Delta Brewing & Co.」で取り扱っている各国のクラフトビール。奥多摩の「VERTERE」や和歌山の「VOYAGER BREWING」など、日本のクラフトビールも用意。

INFORMATION

The TINY INN

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Nature Tokyo Experience

多摩・島しょエリアに広がる“東京の自然”を活かし、体験と交流による新たなツーリズムの価値の創出を目指す事業を応援するプロジェクト。
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協力/東京観光財団

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