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これは不完全な記録です。森田剛と『DEATH DAYS』。

これは不完全な記録です。森田剛と『DEATH DAYS』。

森田剛という存在を、文章と写真に置き換えてしまうのは適切でない。この声の湿度のまま、この体の動作のままに届けたい。ウェブマガジンという手法の限界、不完全性を思い知らされるような実感がそこにありました。

彼の魅力を知る人は多くいます。そして、彼の発する言葉は、私たちの「知っている」を裏切らず、それでいて常に超えていきます。

どこまでも自然で、くつろぐ動物のようで、生まれたての子どものようで、おじいちゃんのようで、森田剛である。全てを透過する水晶のようでもある。このインタビューを読み終えたあなたの心に、彼の魅力がまた新しく刻まれることを願って、文章と写真の力を信じて、記録します。映画『デスデイズ』の劇場公開を記念した、森田剛単独インタビューです。

  • Photo_Tetsuo Kashiwada
  • Hair &make_TAKAI
  • Edit&Text_Taiyo Nagashima

意外と何も変わっていないんですよ。

ー 映画『DEATH DAYS』は、森田さんが長久監督にかけた一本の電話から始まったそうですね。

森田:もともと「MOSS」として映画を作りたいと思っていたんですけど、ある時、長久監督の『そうして私たちはプールに金魚を、』に出会ったんです。とにかく驚いたし、心が動いて。その勢いのまますぐに人伝に連絡先を教わって、電話をかけて、留守電を残しました。どう思われるかな?とか、不安はあったけど、とにかくこの思いを伝えようと。 長久さんからすぐに折り返しがあって、まず会うことになって、そこから始まりましたね。

ー 自ら電話をかけて映画を作り始めるって、これまでとは全く異なるやり方だったのでは?

森田:初めての経験です(笑)。お金のことも、制作のプロセスも、グッズも、本当に全て一から学んでいく感覚でした。本当にたくさんの人に助けられましたね。

ー 長久さんに最初会った時はどんな印象でしたか?

森田:物腰の柔らかさは感じたんですけど、それだけではなくて、「ここから先は来ないでくださいね」みたいな感じもありました。ここまでは柔らかいけど、この先にきたらわからないですよ、みたいな、危険な匂いがしたんです(笑)。でもそれは自分と似ている部分でもあって。あと、喋っていて嘘がないし、なんでも聞けちゃう人っていうか、普段だったらこの質問困らせちゃうかなあとか思うようなことも、長久さんだったら素直に聞けるというか。正直さが自分と近くて、居心地がいい人なのかもしれない。自分が経験したこと、感じたことに素直に生きてるんだと勝手に思っています。そういうまっすぐさはすごくいいなって。憧れてる部分でもありますね。

ー 森田さんは、人と接する時、どんなことを大切にしているのでしょう?

森田:すごく当たり前のことですが、まず、目を見て挨拶できるかどうかが大事ですよね。そこだけは誰にでもできることだからこそ、ちゃんとしようよって思います。 あとは自由でいいし、細かいことなんて気にしないので。

ー 長久さんは、ちゃんと挨拶してくれたんですね。

森田:ちゃんと目を見て挨拶してくれました(笑)。

INFORMATION

DEATH DAYS

deathdays.moritago.com

3月12日より渋谷シネクイントを皮切りに『DEATH DAYS』劇場版が全国で順次公開。同映画の制作過程に密着したドキュメンタリー映像『生まれゆく日々』が同時上映される。
劇場上映を記念して企画・製作された写真集「A BOOK ABOUT DEATH DAYS」も発売開始。

www.moritago.com

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