about DEATH DAYS
“自分が死んでしまう日「デスデイ」を、生まれたときから皆知っている世界。この物語は、その世界で生きる、とある男の人生を描いたものである。
森田剛が長久允監督とともに企画・制作し、自身で主演を務める短編映画。同作は2021年の大晦日をカウントダウンするようにYouTube「MOSS CH」で無料公開され、2022年3月12日より再編集された劇場版が全国公開開始。
PROFILE
1979年生まれ、埼玉県出身。95年にV6のメンバーとしてデビュー後、俳優としても幅広く活躍。 05年に劇団☆新感線の舞台『荒神~AraJinn~』で初主演。以後いくつもの作品で座長を務め、 16年には単独主演映画『ヒメアノ~ル』で演技力を高く評価される。 近年の出演作は、舞台『空ばかり見ていた』(19)、『FORTUNE』(20) 、映画『前科者』(22)など。21年11月に自ら新事務所「MOSS」を立ち上げ、精力的に活動。5月には独立後初となる舞台『みんな我が子 -All My Sons-』への出演も控える。

なんていうか、何も考えていない、無の時間が多いんです。
ー 多くの人の心の中に、「森田剛」の記憶があると思いますが、森田さん自身がこれまでどんな景色を見てきたのか聞いてみたいです。まず、一番小さい頃の記憶を教えてください。どんなことを覚えていますか?
森田:どこかの海に連れて行かれて、なんか……砂に埋まってる記憶があります。何歳くらいだろう、3、4歳かな。でも本当の記憶かどうかわからないんですよね。ある程度大きくなってから、写真とかを見て記憶だと思い込んでいるだけなのか、実際にそこで自分が体験したことなのか。昔のことって、あまり覚えていなくて。
ー どんな小学生だったかは覚えていますか?
森田:小学5年生くらいまでは無遅刻無欠席の真面目な子どもだったと思います。で、とにかく泣き虫。低学年のときは学校に行きたくなくて、よく泣いていました。サッカーをずっとやっていたのと、あと飼育委員もやっていたような気がしますね。でも……やっぱり忘れていますね。昔の記憶があまり残っていないんですよ。
ー それは、意識的に忘れているということなのでしょうか。
森田:わからないけど、例えばこうやってインタビューで聞かれない限り、過去を振り返ることがないんです。思い出について考えるということがあまりなくて。なんていうか、何も考えていない、無の時間が多いんです。
ー 無の時間を持つのって、難しいような気がします
森田:よく「無の時間って、嘘でしょ?」みたいなことを言われたりするんですけど(笑)、でも、本当に無なんですよね。「今何考えてた?」って言われても、いや何も考えてないんだけどなって。
ー 『DEATH DAYS』の監督である長久允さんは、森田さんのことを水晶のようだと言っていましたが、その透明な印象って無を内在していることと関連しているのかもしれません。
森田:そうなのかな。僕にとってはとにかく自然なことなんですよ。奥さんが真逆の人で、常に同時に6個くらいのことを考えているから、俺がこんな感じで何も考えていないことが信じられないみたいで。「意味がわからない」って言われます。俺からしたら、常にいろんなことを考えている方が意味がわからないんだけど(笑)。疲れない?って思うし、単純に、すごいなって。
ー 自分と真逆の考え方の人に救われる、みたいなこともありますか?
森田:安心感がありますね。自分にはない発想がそこにあったり、そもそも人間としての力がすごいなって。そこまで考えてるんだ!っていう感動が日々あるから、面白いです。
ー 宮沢さんの魅力について、もう少し聞いてみたいです。
森田:今言ったことに加えて、誰に対しても同じ姿勢でいられて、暗黙のルールみたいなことにもちゃんと疑問を持てるんです。違和感を惰性で受け流すことなく、きちんと立ち止まって感情を動かせることが、めちゃくちゃすごいと思います。それは自分にはない、面白いところだなって。
