これまでの信頼関係が築いた、BAYCREW’S DEPO。
ー そんなお二人の関係性あっての新たな取り組みの一つが、先日「名古屋パルコ」内にオープンした「ベイクルーズストア」2号店で行われると聞きました。改めて「ベイクルーズストア」について教えていただけますか？
阿部：「ベイクルーズ」が運営するセレクトショップ「ジャーナルスタンダード」や、〈エディフィス〉〈スピック＆スパン〉などのブランドがあるんですけど、それらを全部集約しているのが「ベイクルーズストア」というECサイトなんです。そのリアル実店舗版をつくろうということで、2021年11月に1店舗目を仙台、2店舗目を名古屋にオープンしました。
ー そんな「ベイクルーズストア」の3Fを阿部さんがディレクションされたようですが、どんなフロアになっているんですか？
阿部：「BAYCREW’S DEPO」という、国内外の15ブランド以上を揃えたセレクトスペースになっています。
ー 錚々たるブランドが並ぶ中で、〈ダイリク〉を大々的にフィーチャーした経緯は？
阿部：オープンするにあたって、「名古屋パルコ」さんから、何か普通のショップとは違う面白いことをやって欲しいという依頼が来たんです。そこで、いまの若者の中で盛り上がっていて、かつこれまでの関係性もある〈ダイリク〉に白羽の矢が立ったという流れですね。
3Fフロアの中で売り場面積を一番広くして、インラインをフルラインナップで見れるということに加えて、そこでしか買えない限定アイテムも用意しています。普段、東京で見る〈ダイリク〉のラインナップとはまた全然違う構成になっているので、わざわざ名古屋まで足を運んでいただく価値はあるんじゃないかと思っています。
岡本：あと、ぼく自身古着が好きということもあって、高校生の頃からずっと仲良かった友達のお店「ファルマン（FALMAN）」がセレクトした古着も、最初の2週間は置いています。今後は見え方が変わるように、好きな映画やフィギュアを置いたり、ということも考えてたりしていて。
ー 中でも別注のアパレルアイテムは要注目だと思いますが、今回はどんなアイテムを製作したのでしょうか？
阿部：「417 エディフィス」の渋谷店では30,40代のお客さんも〈ダイリク〉を買ってくれる方が多いんです。なので、カラーリングをモノトーンにすることで、大人の方でも取り入れやすい服というのを意識しました。やっぱり別注をやっている以上は、買ってもらった服を来年も再来年も着てもらって、またお店に買い物しに来てもらえたら嬉しいので。
“BMG” Nylon Coat ¥79,200 デザイナーの岡本大陸自身が普段からよく着ているというオーバーサイズのナイロンコート。インラインにはなかったブラックを基調にしたモノトーンのカラーリングへ別注。世代問わず着やすいアイテムに仕上がっている。
JAPANESE SOUVENIR JACKET ¥64,900 刺繍の入ったミリタリージャケットやスーベニアアイテムをイメージしたファティーグジャケット。ヴィンテージ感のある加工を手作業で施しながら、シルエットを現代的にアップデートした。こちらもインラインにはなかったブラックにアレンジ。
阿部：〈ダイリク〉定番のポリエステル素材のジャケット、パンツ、ベストの3型も目玉です。昨シーズン即完したアイテムで、買えなかった人が多いと思うので、もう一度リリースしたくて。カラーに関しては、ぼくの方からいくつか案を投げたところ、大陸本人から「この色がいいんじゃないですか？」とズバッと返答が来たんで、即決でしたね。このトーンは一見派手なように見えて、誰にでも取り入れやすい仕上がりになっていると思います。
左から、Polyester Vest ¥33,000、Polyester Jacket ¥42,900、Flasher Pressed Pants ¥31,900 古着から着想を得て作ったポリエステルのパンツに合わせ、ジャケットとベストも同素材で製作したセットアップ。新色やモデルチェンジなども行いながら、毎シーズンリリースする度にソールドアウト必至の〈ダイリク〉のスタンダードアイテム。
ー これらの別注が店頭でしか見れないというのは、オンライン全盛のいまの時代では、中々無い取り組みですよね。
阿部：本当に価値のあるものがないと、やっぱりお店に来てもらうことが難しい時代なので、そこは強く意識した部分です。ブランドのファンの方にとっては、他にはない〈ダイリク〉の服に出会える場所として「BAYCREW’S DEPO」を楽しんでもらえると思います。
岡本：インラインをフルラインナップで置かせてもらっているんですけど、どちらかというと、一緒に取り組ませてもらった別注アイテムをメインに見せるという商品構成ですよね。
