セレンディピティが起きてほしい。
ー 1Fの店舗は、商品ラインナップの充実具合も随一だと伺いました。そういう意味では、夢中になれる可能性を秘めたものがたくさんあるということですね。


柴田:今回のリニューアルで、商品の陳列方法をすべて変えたんです。一般的には、メンズはここ、ウィメンズはこことはっきり分かれているじゃないですか。でも、「“The Camp”」ではシームレスやボーダーレスな陳列になっています。境界線を溶かすということが、いまの価値観だと考えていて、男女の境界線をなくし、アウトドアとファッションと家具それぞれの境界線も取り払っています。

柴田:メンズとウィメンズの商品がすぐ隣にあったりもします。あとは、ジェンダーレスになりうる服に関しては、いままで男性のマネキンにしか着せなかった服を女性のマネキンに着せたり。実際に、いまの店舗の真ん中にメンズの〈ノーティカ〉が置いてあるんですが、ビッグシルエットのTシャツを女性の方が買われたりもするんです。
ー 確かにネットだとジェンダー、用途、ジャンルがはっきりとセグメントされていることが多いですね。
柴田:いわゆる“セレンディピティ=偶発性の出会い”がたくさん起きるといいなと。ネットでは、結局レコメンドされるのは、自分の好みの延長。けれどここは、ぐるっと回るうちに素敵な出会いがあるかもしれない。
ー なるほど。全方位で時代の最先端ですね。

柴田:この場所の主人公はやはり、ヒトであり、コミュニケーションであると考えています。来るひともここで働くひとも有機的につながっていくと、人生がより豊かになるんじゃないでしょうか。私たちも含めこの拠点に集うみんなで、スキなモノやコトを表現して、シェアして、新たな仲間ともコネクトしていきたい。それは「何かに夢中になれる人生ってやっぱりいいもの」だと信じているからで、それこそが「FREAK’S STORE」が体現したいことなんです。