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ヴェイランスの真価を紐解く、2人のスタイル。
How to wear VEILANCE

ヴェイランスの真価を紐解く、2人のスタイル。

〈ヴェイランス〉のファッションシュートを手がけた、同ブランドの愛用者でもあるスタイリスト猪塚慶太さんとフォトグラファー石井涼太さん。今回は、彼らのセルフコーディネートを通して、〈ヴェイランス〉の真価を紐解きます。

  • Photo_Ryota Ishii
  • Styling_Keita Izuka
  • Model_Kensho Morita、Lisas(BARKinSTYLe)、KAI DE TORRES(TOMORROW TOKYO)
  • Edit_Shun Koda

表情を生み出すドローコード遊び。

〈VEILANCE〉サーベイ ジャケット¥93,500

ー 続いてはシェルジャケットを使ったスタイルですが、いま、こういう風にジャストサイズで着たい人は多いんじゃないでしょうか。

猪塚:これもまさしく涼太のイメージだね。

石井:そうですね。ジャストサイズのデニムに、ゴツめのブーツ履いて、シェルを合わせるっていうスタイルは僕の定番ですね。

猪塚:でも、さらに洗練された感じがする。これまではもう少しギャンとした印象だったけど、進化してる。テクノとか四つ打ちとか音楽のジャンルで表現するならば、グライムっぽい。

石井:あー、わかります(笑)

猪塚:だけど、グライムのいなたさもない。Sound Sportsの涼太として、音のジャンルで例えると何になるの?

石井:グライムで言えば、スケプタよりオクタヴィアンって感じですかね。

猪塚:そっちなんだ。スケプタかと思った。

石井:まあトラップよりグライムって感じですよね。

ー ……と、言いますと?

猪塚:簡単にいうと、無駄なものがひとつもないってことですかね。装飾もロゴもない。そのうえ、バラクラバで表情すらも隠してる(笑)

石井:このくらいのミニマルさが、いまのストリートって感じがします。

ー シェルジャケットはもっと無機質でソリッドな印象があったんですが、裾を絞ってボンバージャケットのように合わせたりすることで、メリハリが生まれて面白いですね。

猪塚:ドローコード遊びみたいなのは絶対やっちゃうよね。

石井:裾を絞るのはマストでやりますね。

猪塚:〈ヴェイランス〉はデザインがシンプルな分、ドローコード遊びでアイテムの新しい表情が生まれるんですよね。シルエットとかフォルムが変えられるので、そこが面白さであり魅力だと思います。XSサイズを絞って、タイトに着てもいいですし、オーバーサイズでボンバー感を強調させたり、遊べる幅が広いのが魅力の一つですね。

ー フードの後ろにあるドローコードをひと括りする、猪塚さんならではのテクニックにはシビれました。

猪塚:こういう細かいところにロマンを感じますよね。

石井:これいいですよね、真似したいです。

〈VEILANCE〉サーベイ ジャケット¥93,500、スピア LT パンツ¥36,300

ー このスタイリングも挑戦しやすそうですし、トップスとボトムスのメリハリがあって好きでした。

猪塚:シェルジャケットにブルーのドレスシャツを合わせれば成立するので、このスタイリングは真似しやすいと思います。いつものデニムジャケットなんかを羽織っているのを、置き換えるだけですから。

石井:シルエット感もいいですよね。

猪塚:このスタイリングは自分の中では珍しく、ゆったりしたパンツを使ってみたんですよね。いままではもっとタイトなシルエットの方が好きだったんですけど、最近はこのくらいゆるいシルエットもいいなと思ってます。

石井:そうですね。僕もこのスタイリング好きです。

ー オーバーサイズを着慣れている人もこのシルエット感は挑戦しやすいでしょうね。話は変わりますが、前回のビジュアルでもグローブをよく使ってましたが、何か意図があるんですか?

猪塚:自分はグローブ好きで多用しちゃうってのもあるけど、なぜかテックウェアにはグローブを合わせたくなるんですよね、あれは何でなんだろうね?

石井:合わせたくなりますね。テックウェアとグローブの組み合わせは、シャツとネクタイみたいな関係性かもしれないです。

猪塚:なるほどね、ストリートエチケット的な?(笑)

石井:そうですそうです。しかも、バラクラバも付けてみたいな。

猪塚:確かにそれはあるよね。シェルって覆われている安心感みたいな感覚があって、肌を見せたくないっていう気分になるんですよね。街中に溶け込みたくなるって感覚。

石井:ラップ聴いててフードを被りたくなる感覚に近くないですか?

猪塚:それだ、それ(笑)。自分だけの世界に浸りたいのかもね。目立ちたくないけど、結果目立っちゃうっていうね。

〈VEILANCE〉スピア LT ジャケット¥44,000、デムロ シャツ¥33,000

ー テックウェアとグローブの関係性、面白いですね。もう一つ、〈ヴェイランス〉のトップスに、チノパンを合わせるスタイリングも新鮮な印象を受けました。

猪塚:テックウェアにトラッドのアイテムをミックスするのは昔から好きで、よくやりますね。これも大人の〈ヴェイランス〉の入り口としては丁度いいと思います。白シャツ、チノパン、ローファーとか誰でも持っているようなアイテムに、〈ヴェイランス〉のジャケット一枚合わせるだけで、シャキッと見えますよね。

石井:ベーシックなスタイルですけど、一つひとつのバランスが絶妙ですよね。

ー ふた回りも年齢の差のあるお二人が共通して着られるっていうのが、〈ヴェイランス〉の大きな魅力だと感じました。

猪塚:テックウェアと聞くと身構えてしまうのかもしれませんが、一度着てしまえばこんなに便利で機能的な服はないですからね。

石井:こう合わせたらNGってのもないですしね。

猪塚:そうだね。ヴィンテージとの相性もいいし、モードの服と合わせても馴染むし。

石井:パターンメイキングとか、素材感はテックを感じさせるんですけど、どのアイテムもベーシックなデザインなんですよね。だから、どんなスタイルにも落とし込めるし、世代も関係なく着られるんだと思います。

(左)〈VEILANCE〉スピア LT ブレザー ¥55,000、フレーム ポロシャツ¥23,100、コンベックス LT パンツ ¥41,800
(右)〈VEILANCE〉アリス ジャケット ¥110,000、フレーム ポロシャツ¥23,100、コンベックス LT パンツ ¥41,800

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