ファッションとして浸透したのは確実にビームスの功績。
ー 〈アークテリクス〉とはもう何年も一緒に取り組みをされていると思うのですが、改めて、「ビームス」においてこのブランドがどういった役割を果たしているのか教えてください。

新井:「ビームス」のコラボを象徴するブランドのひとつだと思ってます。それを強く実感するのが海外へいったときで、自分が「ビームス」のバイヤーであることを伝えると、「〈アークテリクス〉のコラボはヤバい」と言ってくれる人が多いんです。その頃はまだグローバル展開していないのにそうした認知っていうことは、それだけ印象的ってことだと思うんですよ。
小林:日本のお客さまもそうですけど、海外でもそうして期待度が高いというのは本当にうれしいです。そもそも〈アークテリクス〉自体がすごくいいブランドであるのは間違いないんですけど、「ビームス」で別注させてもらうことでさらにプライオリティが上がるように努力していますね。
ー いままでいくつくらいアイテムをつくられてきたんですか?

新井:どれくらいだろう……。ぼくがバイヤーになる前から先輩たちがやってきて、ぼくたちがそれを引き継いでいる状態なので、正直数えきれないほどありますね。
小林:たぶん調べきれないですよね……。
ー ある意味「ビームス」の伝統でもあるわけですよね。先輩から仕事を引き継ぐのもプレッシャーだったんじゃないですか?
新井:そうですね。これまでずっと続いてきたものだし、今後も継続して続けたい。そしていまの若いスタッフたちにも伝えていきたいので、楽しみではあるけど、心地よいプレッシャーを感じながら仕事してますね。
ー 本来〈アークテリクス〉はアウトドアブランドですが、それをファッションとして提案して、きちんと根付いているところに「ビームス」の想いの強さを感じます。

新井:やっぱりそれも先輩たちが築き上げてきたものですね。ファッションとして浸透したのは確実に「ビームス」の功績だと自負しています。ぼくらはギアショップではないので、「ビームス」で取り扱う意味はどこにあるの? と思う人も中にはいるかもしれません。でも、〈アークテリクス〉のファッション的な魅力にフォーカスして、それをカッコよく提案するのがぼくたちの仕事なのかなと。