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“タンスの肥やし”から生まれる、ありそうでなかった服。
Featuring TapWater®

“タンスの肥やし”から生まれる、ありそうでなかった服。

着ることはないけれど、どうにもこうにも捨てられない。そんな“タンスの肥やし”を再編集し、現代的な解釈を加えて世に放つブランド〈タップウォーター(TapWater®)〉。手がけるのはご存知、クリエイティブ・ディレクターである南貴之さんと、〈ニート(NEAT)〉のデザイナーである西野大士さんです。昨年の夏に2型のパンツをリリースしたおふたりですが、今回は新たに6つのモデルをデザイン。そのどれもがユニークなアイデアが盛り込まれた、“ありそうでなかった”アイテムなのです。ということで、南さんと西野さんに今回のコレクションについて語ってもらおうと思いきや、話は思わぬ方向へ脱線。その会話の記録をここにお届けします。

マインドが変わると、出会う人も変わってくる。

ー この〈タップウォーター〉も南さんの生産背景があって、いまお話にあったイベントなども各地とのコネクションがあって生まれるものですよね。

南:それはそうですね。いきなり「お願いします」って言っても断られるだろうし。

ー 西野さんも冒頭で話していたように各地で古着を掘って。

西野:地方の個店ってオーナーの趣味嗜好がしっかりと反映されているお店が多いんですよ。それがおもしろくて。

南:どアメカジなお店とかね。ガチガチのヴィンテージしか置いてなかったり。そういうお店はホッとするよね。

西野:オーナーさんが怖かったりとか(笑)。

南:一期一会だよね。

ー この2年、コロナで行動が規制されていましたが、そろそろ海外に行きたいとかありますか?

南:最近ようやく海外へ行く人も増えてきましたよね。ぼくは全然行けてないけど。

西野:行きたいっていう気持ちは当然ありますけど、渡航費とかも高いし、まだ現実的じゃないのかなっていう気はしてます。

南:そうだよね。行っても前みたいに楽しむことはできなそうだよね。

ー 逆に、この2年間で日本各地のつながりが濃くなった感覚はあるんですか? たとえば南さんは京都にも拠点を設けましたよね。

南:国内はもともと結構いろんなところに行ってたんですよ。それで思うのは、日本にもやっぱりおもしろいところはたくさんあって。逆に地方のほうがかっこいいお店があったりして。それはファッションに限らずですけど。その土地ならではの独自的なお店があるなっていつも思うし。

西野:そうですよね。

南:とんでもないところに、とんでもないお店があったりするからね。あとはユニークなオーナーが居たりとか。そういう人たちと繋がって、一緒になにかやればおもしろいことができるじゃないですか。西野も今度、地元でお店つくるんでしょ?

西野:淡路島に年内オープンで動いているんですけど。

南:西野商店?

西野:そんな感じで(笑)。南さんがいま言っていたみたいに、その地域の独自性が反映されたお店ってやっぱり刺激をもらえるんですよね。そうして得たものをどうやってアウトプットするか考えて。その繰り返しですよね。

ー それぞれの活動拠点があって、やっぱりそこから抜け出すことで新しい刺激が得られますよね。

南:あと、抜け出した先でホテルに泊まるのと、エアビーみたいなところに泊まるのでは、街の感じ方が全然ちがうんですよ。海外へ行ったときにあえてエアビーに泊まるんだけど、スーパーどこにあるかな? とか、薬局はどこかな? っていう視点になって。ホテルだとそういうこと考えないでしょう? だからマインドが全然ちがうんですよ。すると、出会う人も変わってくるし。

京都に家を借りたときも、最初は観光客みたいな動きをしてたんですよ。だけど次第にそういうのも飽きるから、自分で開拓しはじめるんです。観光客が来なそうなところに。

ー いわゆるディープスポットというか、ローカルな場所ということですね。

南:そうですね。そこを開拓しながら生まれるコミュニティとかもあったりして。それを今度は違うコミュニティとつなげたり、東京の人たちに「こういう人たちがいる」って紹介したりして、また新しい輪をつくるんです。 とか、薬局はどこかな?

ー ローカル感出てくると急におもしろくなりますよね。ダンジョンをクリアしていくような感覚で。

南:そうなんですよ。難しい人もいるけど、入ったらよくしてくれるから。

ー 淡路島はどうですか?

西野:いいところですよ!

南:お店をつくるってことは、凱旋帰国みたいな感じ?

西野:そうなりますね。祖母が住んでいたところに新しくつくろうかと思っていて。

南:じゃあそこに〈タップウォーター〉のショップもつくってもらって(笑)。そこでしか買えないアイテムがあってもいいしね。あと、水道水飲み放題にして(笑)。

西野:こういう話が実現しちゃうんですよ(笑)

ー そのノリがよくわかりました(笑)。

西野:こういうノリが大事だからこそ、〈タップウォーター〉も大きな規模感でやりたいとかあんまりなくて。

南:そうなんだよね。お互いやっていることが別にあるから、こっちは息抜きじゃないけど、ちょっと頭をほぐすような感覚でやってますね。そこがおもしろいというか、ただ単に楽しくてやっているっていう。だけどアイテムは真剣につくって、そこに共感していただけたらいいよね。

西野:〈ニート〉も将来こうしたいっていう野望みたいなのがあんまりなくて、お店をつくりたいなと思ってつくって、そしたら淡路島でもやりたくなって。その都度やりたいことが生まれてくるというか。大きい目標をつくってしまうと、そこに対してがんじがらめになってしまうと思うんですよ。だから〈タップウォーター〉もそんな感じで、都度やっていく感じがいいのかなと。定期的にアイテムをつくって、ある程度型数が増えたら、それまでのアーカイブを集めてイベントやる? みたいな。

南:本当にミネラルウォーターつくっちゃうとかね(笑)。そうやってリラックスして今後もやっていきましょう。笑いながらものづくりができればいいよね。

西野:そうですね。よろしくお願いします(笑)!

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