スタンスミスが時代や世代を超えて愛されるワケ。
― 数多あるスニーカーのなかで、草ヶ谷さんが考える「スタンスミス」の魅力とは?
草ヶ谷:ブランドのアイデンティティであるスリーストライプス(三本線)が、パーフォレーション(アッパー側面の通気孔)で表現されていること。「スタンスミス」の魅力はそこに尽きるかなと。
テニスの四大大会のひとつであるウィンブルドンは、服装のレギュレーションが厳しいことで知られていますが、「スタンスミス」のモデルとなった伝説的プレイヤー、スタン・スミスさんが現役選手だった頃はいまよりもさらに厳しく、白基調であることはもちろん、ブランドのロゴやアイコンを入れることさえ許されなかったとか。そこで当時の〈アディダス〉は、大会のレギュレーションをクリアするべく、パーフォレーションによってスリーストライプスを表現したといわれています。それが「スタンスミス」の唯一無二のアイデンティティになっているわけです。
― 大会のレギュレーションへの対応が、結果としてシューズのデザインへと昇華した。しかもそれが時を経てファッションアイテムとして支持され、ブランドを代表する定番アイテムへと成長した。改めて考えるとスゴいことです。
草ヶ谷:「スタンスミス」のデザインはシンプルで無駄がなく、完成度が高い。だからこそ、ファッションアイテムとして不動の人気を誇ってきました。〈アディダス〉の創設者、アドルフ・ダスラーさんの”Form following function(機能の後にデザインがついてくる)”という考え方を、当時の規則を考慮しながら具現化した点にこそフィロソフィーを感じますし、支持され続けている理由のひとつだと思います。
ミタスニーカーズ スタッフがリコメンドする、「JAPAN SMU」の合わせ方。
「トップスのカラーやパンツのディティールで遊びを効かせた分、足元はベーシックな『スタンスミス』で引き締めました。シューレースはアンダーラップで通し直しています。モデルによってシューレースの通し方を変えてみるのも、スニーカーのシルエットの良さに気づくきっかけになるので、普段から意識するようにしています」(草ヶ谷 駿 / ミタスニーカーズ PR)