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FEATURE
海辺の街を離れ、山の麓で蒸留家になった男の物語。
YAMATOUMI farm & distill

海辺の街を離れ、山の麓で蒸留家になった男の物語。

今年あたり、日本もクラフトジン元年といってもいいのではないでしょうか。世界には一足早くブームが到来していますが、近年日本にも全国各地に小さな蒸溜所がオープンし始めています。そんななか、長野県北部は野尻湖のほとりで注目の蒸溜所「YAMATOUMI farm&distill」がこの冬スタートしました。海の街・鎌倉で生まれ育ち、惣菜バルを営んできた瀬木 暁さんが、なぜ山の麓で蒸留家になったのでしょうか?

  • Photo_Yumi Saito
  • Interview&Text_Takuro Watanabe
  • Edit_Ryo Komuta

蒸留家でもありファーマーな日々。

瀬木さんの一日はとても忙しい。なにせ一人なので、やることが山のようにあるのです。取材班がお邪魔したのは蒸溜所の稼働前のタイミングだったので酒の仕込み作業こそなかったのですが、朝早くからハーブを積み、積んだハーブを乾燥させ、事務仕事をし、機械のメンテナンス、薪割り、今度は自宅の畑で野菜の収穫、と休むことなく動いていました。でもなんだか楽しそう。

何年手をつけてないのかというほどの荒れ方だったという耕作放棄地を、自ら開墾して美しいハーブ園に仕上げました。

約20種類くらいのハーブや花を自家栽培しているそうです。収穫されたハーブや花は乾燥させ、風味や色づけに使われます。

瀬木さんは蒸留家である以前にファーマーでもあります。クラフトジンの定義に明確なものはなく、小規模な蒸溜所で造られる個性的なジンのことを指すのですが、大きな特徴としてはその土地特有のボタニカルを使って味の個性を出すことにあります。まさに土地の味。「おもに売っていなかったり、買うと高くなってしまうハーブを栽培しています。例えばホーリーバジル。買うとものすごく高いから、大量に育ててこんなに贅沢に使っている蒸留所はないと思います」

ホーリーバジル、カモミール、バジル、レモンバームなど季節ごとのハーブがブレンドされ、YAMATOUMIの味になります。

事務作業をするスペースが野尻湖を望む最高の眺め!「蒸留室での作業って集中しているから気にならないんですけど、事務作業にこそいい景色が必要だと思ったんです」

INFORMATION

YAMATOUMI farm & distill

住所:長野県上水内郡信濃町大字古海4089番地2
https://www.instagram.com/yamatoumi_farm_and_distill/
※鎌倉の「オイチイチ」ではポップアップも定期的に開催。

オイチイチ

住所:神奈川県鎌倉市大町1-3-21
電話:0467-55-9582
https://www.instagram.com/oicheech/

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