蒸留家でもありファーマーな日々。
瀬木さんの一日はとても忙しい。なにせ一人なので、やることが山のようにあるのです。取材班がお邪魔したのは蒸溜所の稼働前のタイミングだったので酒の仕込み作業こそなかったのですが、朝早くからハーブを積み、積んだハーブを乾燥させ、事務仕事をし、機械のメンテナンス、薪割り、今度は自宅の畑で野菜の収穫、と休むことなく動いていました。でもなんだか楽しそう。
瀬木さんは蒸留家である以前にファーマーでもあります。クラフトジンの定義に明確なものはなく、小規模な蒸溜所で造られる個性的なジンのことを指すのですが、大きな特徴としてはその土地特有のボタニカルを使って味の個性を出すことにあります。まさに土地の味。「おもに売っていなかったり、買うと高くなってしまうハーブを栽培しています。例えばホーリーバジル。買うとものすごく高いから、大量に育ててこんなに贅沢に使っている蒸留所はないと思います」