スタイリングで分かる、懐の深さ。


Direction&Styling_Nobuki Tanaka
Photo_TOKI
― 田中さんがスタイリングしたこのビジュアル、カッコいいです。
田中:ゴアテックス生地=防水・透湿と考えたときに“水辺”と“空”、〈ナナミカ〉が醸し出す“都会”、その3つが融合した場所で撮りたいな、と。
― 写真を見ただけで〈ナナミカ〉らしさが伝わります。こちらのコーディネートはどのように組みました?
田中:足元だけを主張するのではなく全体的に馴染むことを第一に考えました。普通なら素材による色のブレは多少あるんです。アウター・トップス・パンツは3種の異素材を使っているけど、ネイビーのトーンが同じなんですよ。それが〈ナナミカ〉のすごいところだと思います。

― アウトソールが反射しているのもいいですね。
田中:1枚の写真で、いかにアウトソールも一緒に見せられるかと考えていました。そうしたら、TOKIさん(フォトグラファー)がこういった撮り方を提案してくれて。
野村:水面を走っているみたい。
田中:この一枚に、海と街を駆け巡る躍動感と、ソールのグリップ力や同色のヒールパッチまで、 伝えたいことが集約できました。

― 街も〈ナナミカ〉らしさを感じます。
田中:〈ナナミカ〉のアイテムは基本的に「UTILITY」&「SPORTS」がキーワードなので 、都会でも動きやすく実用的。このスニーカーも同様ですね。
野村:走りやすさや軽量性が伝わる、いい写真ですよね。


― スエットのセットアップも、「オールスター アール」とマッチしています。
田中:その着こなしは野暮ったくなりがちですけど、足元が引き締めてくれました。近所に出かける時は、スエットのセットアップのように楽な格好がいいじゃないですか。これを履けば、だらしなく見えずサマになる気がします。
野村:スエットパンツも相性がいいですね。
田中:裾にリブが付いているので、足元をさりげなく主張します。「オールスター」は裾で隠れると、ハイカットかローカットか分かりにくいけど、リブ付きならハイカットと分かりやすい。せっかくだから、アンクルパッチも見せたいです。

野村:この写真、紐の垂れ具合がいいですね。
西津:足を固定しているわけじゃないですよね?
田中:してないです。何回も飛んでもらいました(笑)。

― ビジュアルを制作して、いかがでしたか?
田中:このスニーカーは、ビジネスにもカジュアルにもシーンを問わず、さらに天候も気にせず履ける、実用性と汎用性の高いスニーカー。一足持っていたら本当に便利だな。と改めて感じました。また、究極にソリッドなデザインなので、合わせやすく万能で、コーディネート全体をまとめる力がありますね。
―〈ナナミカ〉と〈コンバース〉が幅広い層から支持されている理由が、このコラボレーションで明確化された気がします。
野村:〈ナナミカ〉は今年で20周年。いろいろとやらせてもらってきましたが、このコラボレーションは相当気に入っています。
“REACT(リアクト)”、“RECYCLE(リサイクル)”、“REFINE(リファイン)”の3つの要素を備えた、オールスターの次世代モデル。見た目は大きく変えず、ディテールの改善、履き心地の向上を果たす。このコラボレーションでは、〈ナナミカ〉も愛用する防水透湿ゴアテックスを採用。レトロなルックスと高機能が同居したハイブリッドに仕上げている。アッパーは〈ナナミカ〉を象徴するダークネイビーで、それと相性がいいグレイをソールに起用。一見すると普通のデザインだが、試行錯誤を繰り返した結果、オリジナリティある極上の普通に仕上がった。